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ドイツ銀行は本当に大丈夫なのか?

2016年09月28日

<お知らせ>

本日(9月29日)付けの「闇株新聞」は、お休みさせていただきます。



ドイツ銀行は本当に大丈夫なのか?


 ドイツ銀行の株価が急落しています。欧州時間で本日(9月27日)昼過ぎには一時10.19ユーロと、昨年末の22.52ユーロから半値以下になり、時価総額も140億ユーロ(1.6兆円)しかありません。

 ちなみにDAXが史上最高値(12374)となった2015年4月10日の32.26ユーロから3分の1以下であり、リーマンショック時はもちろん1999年のユーロ導入時以来の安値を更新しています。

 直接のきっかけは9月16日に米国司法省が、2005~2007年当時のMBS(住宅ローン担保証券)不正販売に対してドイツ銀行に、現在の時価総額に近い140億ドル(1.4兆円)の巨額和解金を要求したため、株価が一時9%以上の下落となり11.98ユーロ(終値)となっていました。

 このMBS不正販売とは、そもそも米国が一時国有化したFNMAとFHLMCが組成した(保証もしていた)不良ローンを「しこたま」含んだ住宅ローン債権を証券化したもので、その最大の販売先もFNMAとFHLMCだったところ「不良MBSを騙されて買わされた」と米国司法省が訴えた「滅茶苦茶な米国の巨額罰金ビジネス」のことです。

 しかし米国大手金融機関はとっくに諦めて、バンカメ(メリルリンチ)が166億ドル、JPモルガンが130億ドル、シティバンクが70億ドルなどの巨額和解金を支払っています。

 別に米国でMBSを大々的に販売していたわけでもないドイツ銀行が140億ドルというのは確かに解せない数字で、同じ海外金融機関の和解金ではHSBCが6億ドル、野村証券が11億ドル(まだ係争中のはず)と1桁以上も少なくなっています。

 つまりドイツ銀行は米国政府との間に「何か表に出ていない大きなトラブル」があり、それも含めた懲罰的な意味合いのような気もします。

 それに加えて昨日(9月26日)には、メルケル首相がドイツ銀行への公的支援を明確に否定しました。もっともギリシャ政府やイタリアの銀行への金融支援に強硬に反対するドイツ政府としても、身内に甘い顔ができるはずがありません。

 ドイツ銀行も「自力で問題を解決する」と精一杯の意地を表明しましたが、それで本日の株価続落となっています。

 さてドイツ銀行の危機は今に始まったわけではなく、本年1月28日には2015年通年の最終損益が68億ユーロ(当時の為替で8600億円)もの巨額赤字だったと公表し、それに中国ショックが重なった2月10日には13.68ユーロまで下落していました。

 この時はドイツ銀行が抱えるデリバティブの想定元本がドイツGDPの20倍をこえる75兆ドルもあると囁かれていました。この数字は直近でも55兆ユーロ(62兆ドル)のようで、あまり改善しているようにも見えません。

 また2月当時は46億ユーロ(当時の為替で5800億円)ものCoCo債(偶発転換社債、ドイツ銀行の自己資本が減少すると強制的に元本が召し上げられるシロモノ)が発行されており、その価格も額面の7割以下になり市場を不安にさせていました。

 現在は当然にもっと悲惨な状況になっているはずですが、情報がありません。たぶん世界中からビットが消えているのでしょう。日本の外貨建て投資信託に「知らないうちに」組み込まれていないことを祈るだけです。

 さてだいたいこういう時期には大手格付け機関が「ヒステリック」に格下げを繰り返してパニックを拡大させるものです。ドイツ銀行の格付けはMoody’sが本年5月にBaa2に格下げしていますが、これは無担保優先債の格付けで一般的な長期預金格付けはA3であり、実感では「かなり高い」と感じます。

 近いうちにMoody’sお得意の「ヒステリック」な格下げが繰り返され、パニックを拡大させるような気がします。

 さてかつての名門銀行だったドイツ銀行が、なぜこのようにボロボロになってしまったのでしょう?これは(ドイツ銀行だけに限りませんが)1995年頃から商業銀行業務より投資銀行業務に力を入れ、一時的に収益が拡大した2005年頃から「さらに」のめり込んだところにリーマンショックの直撃をうけたものの、めげずに世界中で投資銀行業務の拡大を止めていなかったからです。

 このMBS不正販売や、デリバティブ想定元本の天文学的拡大だけに限らず、世界中で発生したLIBOR不正操作なども、すべてこの背伸びした投資銀行業務の爪痕となります。

 冗談ではなく今後のドイツ銀行を巡る状況によっては、欧州だけでなく世界中の金融市場に「原爆級」の災害を及ぼす恐れがあります。

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■闇株的見方 » 経済 | 2016.09.28
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