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中国の新指導部と新たな不安

2012年11月16日

中国の新指導部と新たな不安

 中国の新指導部の顔触れが決定しました。

 習近平が総書記と党中央軍事委員会主席に就任し(国家主席にも就任予定)、李克強(首相に就任予定)も含めて計7名が中央政治局常務委員に選ばれました。

 しかし50代の習近平と李克強以外の5名はすべて60代半ばから後半で、5年後の共産党大会では定年引退となります。

 その中には経済・金融担当副首相だった王岐山も含まれているのですが、ポストは党中央規律検査委員会書記となっており、経済・金融の最高責任者は李克強になるようです。

 また周小川・中国人民銀行総裁も中央委員に選出されず、引退となるようです。
 
 つまり王岐山と周小川という、特に金融危機以降の難しい金融・経済政策を担ってきた2人が配転もしくは引退となるのです。

 特に王岐山は、欧米の金融界からも絶大な信用を得ていた「顔」でした。

 中国経済の問題点は数多くあるのですが、本日は中国人民銀行について考えてみます。中国の唯一の中央銀行・発券銀行です。

 最近はFRBもECBも(一応)日本銀行も、市場から積極的に資産を購入して金融緩和を進めています。

 ところが中国人民銀行の仕組みは全く違います。2012年6月末の中国人民銀行の総資産は28.6兆元(359兆円)で、その資産の82%もの23.5兆元(295兆円)が外貨準備です(為替レートは2012年6月の平均の1人民元=12.55円で計算)。

つまり中国人民銀行は外貨資産(特にドル)を対価に中国国内で信用創造を行っているのです。その他の資産は1.5兆元の対政府債権と2.4兆元の対金融機関債権があるだけです。

 これはFRBやECBや日銀が、自国国債などの国内資産を買い入れることによって信用を創造している構図と全く違います。

 これについては10月30日付け「国家と通貨あれこれ その1」に歴史的背景も含めて書いてあります。要するに1997年7月に返還された時、1ドル=7.8香港ドルに固定されていた香港の金融制度を「そっくり」まねて、1ドル=8.28人民元で「勝手に」固定してしまったのです。

 今考えると明らかに割安だった人民元レートで、貿易黒字と直接投資で巨額の外貨(主にドル)を流入させ、それを中国人民銀行がすべて買い上げて国内の信用創造を行い資本基盤を一気に拡充させたのです。

 別途発表されている2012年6月末の中国の外貨準備は3兆2400億ドルであるため、その時点の人民元レートである1ドル=6.35人民元で計算すると20.5兆元ほどに「目減り」していることになります。因みに2012年9月末の外貨準備は3兆2900億ドルで、直近の人民元レートは1ドル=6.23人民元です。

 中国人民銀行の負債も見ておきますと、発行銀行券が5.4兆元(総資産に占める割合は19%)、金融機関預金が17.5兆元(同、61%)となっています。

 この金融機関預金が61%もあるのは、金融緩和の効果が市中に出て行かないFRBやECBや日銀と似ているように見えるのですが、中国では金融機関が預金の2割程度を準備預金として中国人民銀行に預けなければなりません。決して行きどころのない資金が金融機関に滞留しているのではないのです。

 つまり中国経済は、保有する外貨(主にドル)が値下がりや劣化すると、日本の外為資金特別会計で含み損が積み上がるどころの騒ぎではなく、国内の金融基盤そのものが揺らぐことになるのです。

 良く考えると1997年に勝手に設定した人民元レート(1ドル=8.28人民元)は非常に割安だったのですが、大雑把に計算して1997年から現在までに中国の物価は1.6倍強になっており、米国は1.4倍弱で日本は0.95倍であるため、物価上昇を考慮すると現在の1ドル=6.23人民元は決して割安とは限らないのです。

 いずれにしても経験豊かで修羅場もくぐった王岐山と周小川抜きで、中国はこれからの難局に対応していかなければならないのです。


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■世界経済 » アジア | 2012.11.16

ますます警戒が必要な株式市場の「中国問題」

2012年09月28日

ますます警戒が必要な株式市場の「中国問題」

 少し前の話になるのですが、7月27日に東証1部上場のチャイナ・ボーチー(コード・1412)がMBOを発表しました。

 ちょうどリクエストも頂いていたのですが、最近の中国経済の低迷を受けて更なる問題企業が日本の株式市場を狙って大挙押し寄せてくる可能性もあり、また日本の当局や東証も驚くほど中国に甘いので、自衛のために書くことにしました。

 チャイナ・ボーチーは2007年8月に中国系企業として初めて東証1部に上場し、1株=80,000円(2011年に2分割しているので修正)で120億円を調達し、中国山西省で建設すらしていない発電所に7億元(約84億円)も投資したことにして、今回1株=6,000円で全株買い戻して跡形もなく日本から消えてしまうつもりなのです。

 東証の斉藤淳社長が「愉快な話ではない」と不快感を示しているのですが、これは単純にIPO時の株価に比べて著しく低い価格でMBOすること「だけ」を問題視しています。

 ここ1~2年の幻冬舎やTSUTAYAなどのMBOに対しては「投資家を愚弄している」とおっしゃった斉藤社長にすれば、「愉快な話でない」程度のMBOらしいのですが、実はチャイナ・ボーチーは新華ファイナンス(東証マザースに2004年8月に上場)やアジア・メディア(2007年4月にマザース上場。2008年8月に上場廃止)などと並んで「当初から非常に問題のある」株式上場だったのです。

 これらの会社はバミューダやケイマンなどタックスヘイブン籍の持株会社で、実際に中国などで事業をしている(とされている)子会社の実態も資産性も資本関係もすべて曖昧なままなのです。

 しかもこれらのタックスヘイブン籍の持株会社は東証(マザースを含む)の「単独上場」です。つまり中国を含む世界中どこの取引所も見向きもしない「価値の全く分からない紙切れ」だけの会社なのです。それが「中国」という名前だけで巨額の資金を日本の株式市場から吸い上げていたのです。

 昨年8月22日付け「株式市場の中国問題 その1」、同年8月24日付け「同、その2」で詳しく取り上げてあります。

 最も恐ろしいことは、バミューダやケイマンなどのタックスヘイブン籍の会社は、日本の株主に認められている株主代表訴訟や損害賠償請求や各種差止めなどの権利行使が、実質的に不可能なことです。

 つまり日本の株主にとって著しく不利な株式上場を東証(マザースを含む)が認めていたことになり、IPO価格に比べてMBO価格が異常に低くなることも「当然の結果」なのです。

 チャイナ・ボーチーは、全く価値も実態も分からない持株会社(要するに紙切れ)で120億円も調達し、上場時に売り出さなかった株もその後の高値(145,000円まであります)で売却を進め、調達した資金も不明朗な使い方をして、最終的には会社にある資金を借り出してIPO時の株価の13分の1で「買戻し」、上場廃止と日本からの撤退で「虚偽記載」も「粉飾」も追及されず、株主から訴訟されるリスクも無いのです。

 一体「どれほど、利益を上げた」のでしょう? その機会を提供していた東証の責任は「愉快ではない」では決して済まされないのです。

 おいしい思いをした「中国の黒幕ら」は、必ず次のチャンスを狙って再上陸してきます。実際にセラーテムテクノロジー(ジャスダック上場。本年6月上場廃止)でも食い物にしていった形跡がはっきりとあります。

 セラーテムテクノロジーの社長らは逮捕されたのですが、3月7日付け「株式市場の中国問題に切り込めるか セラーテムテクノロジーの社長ら逮捕」で書いた通り、チャイナ・ボーチーの「中国の黒幕ら」と考えられる白雲峰や程里全らは、悠々と逃げ切っています。

 中国経済が低迷すればするほど、似たような問題が増えてくるかもしれないため自衛しなければならないのです。

 そういえばジャスダック上場のサハダイヤモンド(コード9898)の中国人筆頭株主が、持株の一部を売却したようです。この中国人の筆頭株主は「黒幕」ではないのですが、話を繋いだ中国人ブローカー(最近まで日本名で上位株主に名前が載っていました)が騙していたようです。

 中国人が中国人を騙すことも多いようですね。

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■世界経済 » アジア | 2012.09.28

株式市場の「中国問題」に切り込めるか? セラーテムテクノロジーの社長ら逮捕

2012年03月07日

株式市場の「中国問題」に切り込めるか? セラーテムテクノロジーの社長ら逮捕

 東京地検特捜部は本日(3月6日)、ジャスダック上場のセラーテムテクノロジーの社長ら3名を「虚偽の中国企業買収を公表した」疑いが強まったとして、金融商品取引法違反(偽計)の容疑で逮捕しました。

 同社が、平成21年11月13日に発表していた「英領バージン諸島籍の中国系ファンドを割当先とした15億円の第三者割当増資」が、同年12月16日に「払い込まれた」と発表したことが虚偽とされているはずですが、同じ11月13日に発表していた中国IT企業「北京誠信能環科技有限公司の子会社化」が虚偽とされているとも取れる報道もあります。

 あくまでも推測ですが、セラーテムの15億円の増資は半分が現金の払い込みで残りの半分がファンドからの貸付金の現物出資であり、その15億円で上記の中国IT企業を買収しているため、まずファンドが半分の7億5000万円をセラーテムに貸付けてすぐに現物出資で株式化し、セラーテムがその7億5000万円で中国のIT企業の買収資金の半分を支払い、中国側が受け取った7億5000万円でもう1回セラーテムの増資に払い込み(これで15億円の払い込み完了)、セラーテムがそれで買収資金の残りを支払った可能性があります。

 つまり、ファンドは7億5000万円の「見せ金」で15億円のセラーテム株式を取得して(議決権の過半数に相当)セラーテムの経営権を取得したのです。セラーテムの取得した中国のIT企業に本当に価値があったかどうかも疑わしいのですが、仮に価値があったとしてもその親会社となったセラーテムの株式の過半数を「タダで」手に入れて経営権を取得しているため、ファンド(実際はファンドの支配者)にとっては何の問題もないのです。

 さらに、その「タダで」手に入れた15億円のセラーテム株は急騰しているのです。

 発表前に5000円前後だった株価が、なぜか一連の発表前に3倍になり(第三者割当増資の払い込み価格は13,420円)、中国のIT企業の子会社化で業績が一変する(事実その後の同社連結決算では利益が計上されていますが)との予想で翌年には15万円近くまで急騰していました。その後1株を5株に分割しており、今年になっての株価は1万円前後でした(現在は3000円台に急落)。

 逮捕された3名はセラーテムの社長、取締役、元取締役なのですが、この3名は株価が上昇を始める前の平成21年7月に第三者割当増資と新株予約権の行使で3億円ほどのセラーテム株を5290円で取得しているので、ピークでは30倍近くになっていたのですが、最大の経済的メリットを得たファンドの「支配者」とは違います。

 また逮捕された元取締役は日本に帰化した中国人で、セラーテムと「ファンドの支配者」を繋いだ人物なのですが、これも「支配者」ではありません。

 さて、証券取引等監視委員会(これは特別調査課です)は、昨年6月にセラーテムを強制捜査していたのですが、当時はお決まりのマスコミへの「リーク」がありませんでした。まあ「慎重に秘密裏に調査する」必要があったのでしょうが、じゃあ「誰に気を使っていた」のでしょうか?

 昨年8月22日付け「株式市場の中国問題  その1」、同月24日付け「株式市場の中国問題  その2」で、日本の株式市場を舞台にした「あきれるほど単純で大胆な」中国人の行動と、これまた「あきれるほど中国人に配慮している取引所(主に東京証券取引所)」の実態を、チャイナメディア、新華ファイナンス、チャイナボーチーなどの例を挙げて書いてありますので、ぜひ読み返してみて下さい(セラーテムについては月刊誌FACTAが切り込んでいます)。

 そしてセラーテムの「ファンドの支配者」とは、チャイナボーチーの黒幕・程里全(チャン・リーチェン)に連なる何人かの名前が取りざたされていますが、実態は良く分かりません。

 今後の最大のポイントは、証券取引等監視委員会や東京地検特捜部がこの「ファンドの支配者」に切り込めるかどうかなのです。確かにセラーテムは上場会社であるため「架空増資」でも「虚偽の中国企業買収」でもIRは発表されているので「偽計の実行行為」があるとして、逮捕した3名を立件・起訴することは非常に簡単なのです。

 その簡単な「偽計」だけで3名を起訴して「終了」してしまい、「ファンドの支配者」だけでなく、チャイナメディア、新華ファイナンス、チャイナボーチー(程里全)、パシフィックホールディング(倒産)などの「株式市場の中国問題」には全く切り込まない恐れが強いのです。

 おりしも東京地検特捜部は、オリンパス事件で容疑者を再逮捕(何と、違う年度の有価証券の虚偽記載容疑です)しており、AIJ投資顧問もやらないわけにいかず、特捜部検事(当時)の報告書虚偽記載問題もあり、微妙な「株式市場の中国問題」は素通りしてしまいそうなのです。

そうでなくても、株式市場だけでなくすべての「中国問題」には、官邸をはじめとした「妙な遠慮」が働くようなのです。

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■世界経済 » アジア | 2012.03.07

株式市場の「中国問題」  その2

2011年08月24日

株式市場の「中国問題」  その2


 前回の続きで、中国系企業の東証上場に係る大がかりな不正と、呆れるばかりの東証の「中国寄り」姿勢についてです。

 中国系企業の東証上場は、前回ご紹介したアジア・メディア(上場廃止)のほかに、新華ファイナンス(マザース上場・コード9399・現社名新華ホールディングス)とチャイナ・ボーチー(何と東証1部上場・コード1412)の計3社なのですが、3社とも見事に問題だらけなのです。

 前回のアジア・メディアについて書き忘れたのですが、この3社とも、何と東証単独上場なのです。世界中どこにも上場していない中国企業が、東証にだけ上場しているのです。

 つまり、中国自体も含めて、どこの取引所も見向きもしない企業の株式を、東証だけが上場させ、日本の投資家に大量に買わせていたのです。東証の責任はとてつもなく重大なのです。

 新華ファイナンスについていえば、2004年10月に東証マザースに上場しました。
初値が163,000円で、2005年3月には439,000円まで上昇しました。現在は、途中3分割をしているとはいえ1000円前後で、実に高値から150分の1になっているわけです。

 もともと中国国営の新華社通信の関連会社と適当な提携をして「新華」の名前を付けているだけで、新華社通信とは何の関係もなく、これひとつ取ってみても「胡散臭い」会社であることが分かります。

 当然、業績は大赤字で現在は売り上げもほとんどなく、債務超過による上場廃止も時間の問題のようです。

 それより本年5月、新華ファイナンスの元CEOを含む元幹部3名(中国人ではありません)が在任中のインサイダー取引などの疑いで米国の大陪審に起訴されました。米国司法省によりますと、3名はこれらの取引で5000万ドル(40億円)以上の不正利益を上げていたようです。

 東証上場後の2005年7月に、米国ナスダックにADRを上場させ、その際、米国証券取引委員会に提出した有価証券報告書に虚偽があったからなのですが、そもそも真っ先にこのインチキ会社を上場させ、3名の不正利益を日本の投資家に提供させた東証は、何のアクションを現在も起こさず、新華ファイナンスは現在も東証で取引されているのです。

 そればかりか、東証は「(元幹部の)起訴をだけをもってただちに上場廃止や管理ポスト割り当ての理由にならない」とあくまでも「中国寄り」の発言を続けているのです。

 繰り返しますが、これは本年5月の話なのです。東証は現在も、日本の上場企業や投資家や監査法人に対してまで、圧倒的な高圧な態度で「指導」を繰り返しているのと比べても、非常に奇異な感じがします。

 今回は、たまたま米国当局がこの「典型的な上場詐欺」を暴いてくれるはずなのですが、その時、東証はどんな言い訳をするのでしょうか? 繰り返しですが、その不正な利益の原資は、すべて新華ファイナンスの株を高値で買わされた日本の投資家なのです。

 もう1社は、2007年8月に東証1部に上場したチャイナ・ボーチーです。これもケイマン籍の会社で、傘下に火力発電所の排煙脱硫などの環境保護システムの設置・管理を行う北京博奇があるようですが、例によってその資本関係が全く明確ではありません。
 また、日本の投資家が株主代委訴訟や損害賠償請求が不可能なことも、アジア・メディアのケースと同じです。

 今のところ、それほど大赤字でもなく、株価も高値から30分の1程度に踏みとどまって(?)いるのですが、大がかりな不正経理がありそうなことが、一部の経済雑誌に掲載されています。多分、その通りなのでしょう。

 以上が、中国系企業の上場に関する問題です。最大の問題は、東証の驚くべき無責任で、反省が全く見られていません。日本の上場企業や投資家に対する対応と明らかに違った「中国寄り」の態度です。

 上場に係る以外に、セラーテムテクノロジー(ジャスダック上場・コード4330)やパシフィックホールディングス(倒産・上場廃止)などの中国がらみの不明朗な取引も数多くありますがここでは省略します。これらも多額の不正利益が中国で発生しているはずです。

 それ以外にも、明らかに中国を隠れ蓑に使った日本人と思われる不正取引も数多くあるのですが、これらも含めて日本の当局は全く問題視していません。

 これも、中国に対しての「反省」と「お詫び」のつもりなのでしょうか?

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■世界経済 » アジア | 2011.08.24

株式市場の「中国問題」  その1

2011年08月22日

株式市場の「中国問題」  その1

 先週は終戦記念日でもあったので、中国が日本に対して増長してくる原因のかなりの部分が、日本の歴代内閣の驚くべき「背信行為」と「事なかれ主義」にあると書きました。

 8月18日付け「次期首相の資質 その1
 8月19日付け「次期首相の資質 その2」を御参照下さい。

 ところが、日本の株式市場も酷似した構造となっています。

 東京証券取引所を舞台にした、中国系企業の呆れるほどの大胆な事件が多発しているにもかかわらず、東京証券取引所を含む当局は一切問題視していないのです。

 これは、日本の上場企業や日本の投資家に対しては、異常と思えるほどの厳しいルールを課しどんどん摘発しているのに比べ、異常と思えるほどの「中国寄り」の姿勢なのです。

 特に大胆なのは、最初から日本の投資家から資金を騙し取る目的であったとしか思えない中国系企業の東京証券取引所上場にかかるケースなのですが、すべてちょっと事前に調べれば明らかにおかしいと分かるものだったはずなのです。

 事例を幾つかご紹介しましょう。幾つかと言っても、中国系上場企業の全てが問題だったと言ってよいのです。

 まず最初は、2007年4月26日に東証マザースに上場したアジア・メディアです。

 中国系企業の東証上場第1号で、上場時の時価総額が362億円もあったのですが、約1年後の2008年6月に崔兼平CEOが子会社の預金約16億円を私的に流用していたことが分かり、同年8月に上場廃止となりました(直接の上場廃止理由は監査意見不表明)。

 まず問題は、マザースに上場したアジア・メディアはバミューダを本籍とする持ち株会社で、実態は連結子会社である北京のソフト開発会社(複数)のようでした。しかしこれらの連結子会社も情報開示がほとんどされておらず、上場後も実態がほとんど分からないままでした。

 まあ、多分何の実態もなかったのでしょう。仮にあったとしても、それは上場したアジア・メディアとは何の関係もないようにしてあったはずです。

 一体、監査法人(あずさ監査法人)はどうやって監査していたのでしょうか?

 しかし最大の問題は、バミューダ籍の会社は、普通日本の株主に認められている株主代表訴訟や損害賠償請求などの権利の行使が不可能で、事実、上場時の同社の発行目論見書にもその旨がはっきりと書かれています。

 東京証券取引所としては、形式的な情報開示をしていれば、それがどんなに恐ろしいことでもあとは投資家の自己責任ということだったのでしょうか?
 少なくとも、日本の会社であったら絶対に上場させなかったはずです。

 中国に遠慮しているのは、政治だけではなさそうです。

 そして、崔CEOの私的流用にしても、上場会社のステイタスを利用して子会社に資金調達させて、それを流用する常習犯だったようで、中国本土でも同じようなことを何度かやっていたようです。

 こういう風評は現地でちょっと確認すれば分かるはずなのですが、東京証券取引も幹事証券であった野村証券も何をしていたのでしょうか?

 日本の企業であれば、上場予定会社の代表者・役員・株主・取引先まで全てを、退任した役員、株式を売却した株主も含めて全員徹底的に調べます。ちょっとでも「怪しい経歴」の持ち主がいたら、絶対に上場させないルールになっているのではなかったでしょうか?

 それより最大の問題は、時価総額が最大362億円あったと言うことは、全くの「紙切れ」で362億円とまではいかなくてもかなりの現金を、創業時(2004年です)の株主(もちろん全員中国人)が懐に入れたことです。

 その資金を提供したのは、主に日本の投資家ですが、中国ブームに乗り遅れないようにと思ったのでしょうか機関投資家もかなりいたようです。

 フィデリティ投信がかなり保有していたようですが、その投信の購入者も、もちろん日本人投資家です。

 まさか、中国に対する無償ODAのつもりなのでしょうか?

 そして上場廃止になり、ご丁寧に2000万株を1株に併合して、旧株を15円で全部取得して去って行ったようです(上場時の公募価格は640円)。

 当然、株主代表訴訟も損害賠償請求も出来ず、投資家は全くの泣き寝入りでした。

 東京証券取引所の斉藤社長は、最近のMBOの急増に対して「投資家を愚弄している」とおっしゃっていましたが、こういった中国系企業は「投資家を愚弄していない」そうです。

 これに比べれば、はるかに軽微な犯罪であったライブドアは、堀江元社長以下の経営陣に76億円の損害賠償が課されています。

 法人としてのライブドアにも、フジテレビ(!)の345億円をはじめ、合計で700億円もの損害賠償が課されているのです。
 6月23日付け「ライブドア事件の闇 その3」に詳しく書いてあります。

 アジア・メディアの件だけで紙面がなくなりましたので、残り(新華ファイナンスやチャイナ・ボーチーなど)は次回にします。


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■世界経済 » アジア | 2011.08.22
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