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祝2万ドル! NYダウ

2017年01月27日

祝2万ドル! NYダウ


 1月25日のNY株式市場ではダウ工業株30種平均(以下、NYダウ)終値が20068.51ドルと、史上初めて2万ドルを突破しました。

 NYダウは1896年以来ずっとダウ・ジョーンズ社が算出・公表していましたが、2010年にその所有権が約6億ドルで各種株価指数先物を取り引きするCMEグループに売却されています。

 さてNYダウは、リーマンショックを挟んで2007年10月9日の高値・14164ドルが2009年3月9日に安値・6547ドルとなり、昨日・2017年1月25日が20068ドルとなりました。

 ちなみに日経平均は、リーマンショックを挟んで2007年7月9日の高値・18261円が2009年3月10日に安値・7054円となり、本日・2017年1月26日が19402円となりました。

 NYダウは、リーマンショック直後の安値から3.06倍になり、日経平均は2.75倍になっています。これだけ見るとあまり遜色がありませんが、2000年初めのITバブル時の高値はNYダウが11722ドル、日経平均が20833円なので、その期間でみると差は歴然となります。

 よく言われることですが、各国の株式市場はその国を代表する優良企業の集合体であるため、その国の実体経済より株式市場は大きく拡大(上昇)するものです。その中でもNYダウは、米国というより世界を代表する先端企業の中からたった30社だけを厳選し、さらに頻繁に入れ替えるため、余計に大きく拡大(上昇)することになるはずです。

 リーマンショック以降に限れば、そんなNYダウに比べても日経平均の上昇幅は遜色ないことになります。

 それでは現時点のNYダウ採用銘柄の「顔ぶれ」を見ておきましょう。間違いなく米国だけでなく世界を代表する先端企業から厳選された30社となります。ティッカーシンボルのアルファベット順で、特定していなければNYSE(NY証券取引所)上場です。

 アップル(IT、ダウ採用が2015年、NASDAQ上場)、アメリカン・エキスプレス(金融、1982年)、ボーイング(航空機、1987年)、キャタピラー(重機、1991年)、シスコシステムズ(IT、2009年、NASDAQ上場)、シェブロン(石油、2008年)、デュポン(化学、1935年)、ウォルト・ディズニー(娯楽・メディア、1991年)、GE(総合電機・金融、1896年)、ゴールドマン・サックス(金融、2013年)

 ホームデポ(小売り、1999年)、IBM(コンピューター、1979年)、インテル(半導体、1999年、NASDAQ上場)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬品、1997年)、JPモルガン・チェース(金融、1991年)、コカ・コーラ(飲料、1987年)、マクドナルド(外食、1985年)、スリーエム(化学、1976年)、メルク(医薬品、1979年)、マイクロソフト(ソフトウェア、1999年、NASDAQ上場)

 ナイキ(スポーツ用品、2013年)、ファイザー(医薬品、2004年)、P&G(日用品、1932年)、トラベラーズ(保険、2009年)、ユナイテッド・ヘルス(保険、2012年)、ユナイテッド・テクノロジーズ(航空宇宙・防衛、1939年)、ビザ(その他金融、2013年)、ベライゾン(通信、2004年)、ウォルマート(小売り、1997年)、エクソン・モービル(石油、1928年)
 
 本誌も初めてじっくりと眺めたのですが、この30社です。

 この中に1999年以降の採用が13社、2008年以降に限っても8社あります。またNASDAQ上場企業も4社あります。

 つまりNYダウ採用銘柄とは、米国だけではなく世界の先端企業から30社だけを厳選し、さらに頻繁な入れ替えが行われていることが「改めて」わかります。

 くどくなりますがリーマンショック以降に限れば、そんなNYダウと比べても日経平均の上昇幅が遜色ないことになります。

 少し考えさせられてしまいますが、この辺はまた別の機会にします。

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■闇株的見方 » 株式 | 2017.01.27
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またまた出没した空売りファンドに慌ててはいけない

2016年12月15日

またまた出没した空売りファンドに慌ててはいけない


 日銀の金融政策については、本日(12月14日)のFOMCも取り入れて明日書くことにして、本日はこの話題です。

 12月13日にマディー・ウォーターズなる空売りファンド(表面的には調査会社)が、日本電産を「ハリボテの広報活動によって誇張されてきた銘柄」とする売り推奨レポートを公表しました。

 あらかじめ自己ポジションで空売りしてから過激なレポートで売り煽り、株価が下がったところでさっさと利益を確定する手法は、本年夏以降日本にも出没している類似ファンド(後述)と同じです。

 日本電産の株価はレポート公表前日終値の9888円から、12月13日の公表直後に一時9301円まで5.9%下落しましたがすぐに反発し、本日(12月14日)終値は10100円となっています。ちなみにマディー・ウォーターズの設定する日本電産の目標価格は4764円だそうです。

 また同じ12月13日にはウェル・インベストメンツなる空売りファンド(同じく表面的には調査会社)が、空気圧制御システムのSMCを「グローバルな連結監査能力がない小規模な監査法人が見抜けない疑わしい財務諸表」とする売り推奨レポートを公表しました。

 やはりあらかじめ自己ポジションで空売りしてから過激なレポートで売り煽るスタイルです。

 SMCの株価は公表前日終値の29495円から、12月13日の公表直後に一時26355円と10.6%も下落し、そこから反発していますが本日(12月14日)終値も27185円と公表前日を下回ったままです。ウェル・インベストメンツの設定するSMCの目標株価は4484円だそうです。

 さてこれらの空売りファンドは、ほぼ間違いなく公表直後の株価下落局面で利益を確定してもう逃げ出しているはずです。それぞれのレポートにある「ハリボテの広報活動」や「小規模の監査法人が見抜けない疑わしい財務諸表」の正当性とか、中・長期的な株価水準などには全く関心がなく、自らが売り煽ったレポートによる刹那的な株価下落だけが目的と考えておくべきです。

 ただここのところ株式市場が上昇しており、全体的に「高所恐怖症気味」であるタイミングも狙ったものだったのでしょう。

 悪質な「風説の流布」です。日本人が同じことをやれば即座に証券取引等監視委員会の調査対象になるはずですが、海外ファンドなので「やりたい放題」のままとなります。

 またこういう空売りファンドは比較的小規模で資金量もリスク許容範囲も限られているため、貸株を調達して売却する「裸のポジション」は取れず、株価下落による利益だけを受け取れてリスクが限定されているデリバティブを、コストを支払って購入しているケースがほとんどです。

 つまり時間が経過すればするほどコストがかかることになるため、どうしても逃げ足が速くなります。

 7月に伊藤忠を売り推奨したグラウカスも、8月にサイバーダインを売り推奨したシトロンも同じで、とっくの昔に(おそらくレポート公表直後の下落場面で)利益を確定して逃げ出しています。

 テレビドラマではありませんが、まさに「逃げるは恥だが役に立つ」投資スタイルなのです。
 
 これは「買い」から入って対象会社に無理難題を押し付けるアクティビストなるファンドでも基本的に同じで、長期的な経営方針に口を出しているように見えても、その実態は刹那的な株価上昇だけが目的で「いつの間にか」逃げ出しています。

 前回の伊藤忠やサイバーダインも同じでしたが、今回の日本電産やSMCも「日本企業の会計・財務の問題点が海外ファンドによって暴かれる」との好意的な評論も目につきます。
 
 会計や財務に不正を抱えていても良いという意味ではありませんが、こういう空売りファンドを過大評価したり、その売り煽りレポートに慌ててはいけないことだけは、肝に銘じておくべきです。

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■闇株的見方 » 株式 | 2016.12.15
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自社株買いについてちょっと考えてみよう(米国企業編)

2016年10月28日

自社株買いについてちょっと考えてみよう(米国企業編)


 10月20日付け「同題記事」は日本企業編だったので、本日は米国企業編です。2015年通年の日本企業による自社株買いは過去最高の4.8兆円でしたが(2016年通年で更新の可能性があります)、同じ2015年の米国企業による自社株買いは5664億ドルと現在の為替でも59兆円あり、日本企業の12倍強もありました。

 また日本企業の2015年度配当総額も過去最高の10.8兆円でしたが、米国企業の2015年の配当総額は4163億(43.5兆円)で、日本企業の4倍でした。

 ただNYとNASDAQを合計した米国株式時価総額は、ジャスダックなど新興市場を含めた東証株式時価総額の5倍弱もあるため、時価総額当たりで考えると配当額は日本企業が米国企業より少し多く支払っており、逆に自社株買いは米国企業が日本企業の2倍以上も行っていることになります。

 日米の長短金利で考えると(10年国債利回りは米国が1.75%、日本がマイナス0.06%)日本企業が大変に背伸びした配当を支払っていることになり、逆に米国企業は日本企業に比べて高水準の自社株買いで現在の株価を支えていることになります。

 2015年の米国個別企業の自社株買い総額は、トップがアップルの398億ドル(4兆円!)、以下、マイクロソフトが152億ドル、クアルコムが112億ドル、あのウェルズ・ファーゴが106億ドルと、4社が年間100億ドル(1兆円)をこえていました。

 米国企業の経営者は毎四半期ごとの1株当たり利益で「勤務評定」されるため、利益を増加させると同じくらい自社株買いで発行株数を減らすことに熱心のようです。また最近の日本企業の経営者も株主還元を増やすことが株式市場で評価される絶対条件と考えているようで、無理を重ねて企業体力を損ねる株主還元を行っていることになります。

 これは米国企業でも日本企業でも同じですが、人件費をケチり、消費者には値下げなどで還元することなくため込んだキャッシュの大半を、日本企業なら高水準の配当支払いで、米国企業ならこれも高水準の自社株買いで「消費」していることになり、少なくとも日米とも経済にプラスにはなりません。

 ウェルズ・ファーゴに至っては、行員に不正口座開設まで強要して(?)ため込んだキャッシュを、2015年は1兆円以上も自社株買いで「消費」していたことになります。

 それでは自社株買いをもっと高水準で続ければ、経済活動にはプラスが少なくても、株価だけは上がると考えられていますが、果たしてそうなのでしょうか?

 米国企業で、世界最大のたばこ会社(注)であるフィリップ・モリス・インターナショナルは、豊富な現金収入を抱える寡占の優良企業であるはずですが、実は債務超過です。

(注)売り上げだけなら中国国営の中国煙草が圧倒的に世界最大のはずですが、非上場なので実態がわかりません。また先進国のたばこ会社では、先日発表されたBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の米レイノルズ買収が承認されればフィリップ・モリスを抜いて世界最大となります。

 直近のフィリップ・モリスは時価総額が1485億ドル(15.5兆円)もあり、PERが23倍、配当利回りも4.3%ありますが、実は140億ドルほどの債務超過です。その理由は自社株買いを積極的に行ったため資本勘定がどんどん減少し、ついにはマイナスになってしまったからです。

 たばこ産業は確かに潤沢なキャッシュ・フローを生みますが、成熟産業の代表でもあるため新規の設備投資もそれほど必要ではなく、また先進国では寡占が進んでいまさら有望な買収対象があるわけでもありません。そこでせっせと自社株買いを行い債務超過になってしまっているわけです。

 これはもちろん経営危機とは全く意味が違いますが、それだけ現金の使い道がなく、したがって企業価値がここから飛躍的に向上することも期待できないことになります。

 ここでフィリップ・モリスがもっと自社株買いを続けたなら、もっと債務超過になりながら発行済み株数が減少していくことになりますが、じゃあ株価が上昇するのか?というと、ちょっと違うような気がします。

 太陽のような恒星の寿命が尽きるときは赤色巨星となり、その後はものすごく高密度の白色矮星となるか、超新星爆発を経てブラックホールになり周辺のものを飲み込んでしまうそうですが、フィリップ・モリスも上場企業の最終局面に近づいており、自ら発行していた株式を飲み込んで消えてしまう途中なのかもしれません。

 少なくとも自社株買いが普遍的な株価上昇要因であるとは決めつけないほうがよさそうです。

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■闇株的見方 » 株式 | 2016.10.28
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自社株買いについてちょっと考えてみよう

2016年10月20日

自社株買いについてちょっと考えてみよう


 本日(10月19日)付け日経新聞朝刊の1面トップ記事に、上場企業の自社株買い実施額が2016年1~9月に4兆3000億円に達し、年間で最高だった2015年の4兆8000億円も上回る可能性が強まっていると出ています。

 一方で同期間の新株発行による資金調達額(公募増資と新株予約権付社債の合計)は7200億円と、4年ぶりの低水準に留まっているとも出ています(第三者割当増資や過去に発行された新株予約権の行使などは含まれていません)。

 つまり上場企業は2016年1~9月に、差し引き3兆6000億円も株式市場に「返還」したことになります。実は2011年以降の上場企業は毎年、差し引き数千億円ずつ「返還」しているのですが、本年は加速度的に「返還」が増加していることになります。

 本来の株式市場は「資金調達の場」であると教科書には出てきますが、ここ数年の日本の株式市場は「資金返還の場」であることになります。

 また上場企業の年間配当総額も10兆円をこえています。

 世界的に株式市場では、配当と自社株買いを合わせた株主還元が率・額とも大きければ大きいほど株式市場における評価が高いため、ますます自社株買いが増える傾向にあります。

 また日本の上場企業には100兆円をこえる現金があるとか、有望な投資対象が少ないとか、さらに金利水準が低いため低コストで社債発行ができるのでますます資金が余剰になるなどの理由もありますが、ちょっとここで自社株買いの経済的な意味について考えてみましょう。

 直近の東証1部全銘柄の平均ではPERが15.17倍なので、自社株買いを「投資」と考えれば、理論的にはその期待収益率は6.6%(PERの逆数)もあることになります。

 また東証1部全銘柄の配当利回り(加重平均)は2.13%もあり、自社株買いを行った株式(金庫株)には配当を支払わず、また配当そのものも税金などを支払った後の利益処分であるため、自社株買いを「投資」と考えればその利回りは2%を大きくこえていることになります。

 直近の日本経済の潜在成長率はゼロ近辺であるといわれており、10年国債利回りまでマイナスである中で、「突出して有利な投資対象」となります。
 
 もちろん上場企業という「一部のエリート企業」だけが得られる特権であるとはいえ、あまりにも現実との間に大きなギャップがあると感じます。

 つまりどこかがおかしい可能性があり、直感的にはPERつまり上場企業の長期的な利益水準が高く見積もられ過ぎており(高すぎる株価水準の自社株買いとなっている可能性があり)、配当は日本経済あるいは個別企業の体力をこえた大盤振る舞いで企業体力を損ねているような気がします。

 またその自社株買いで取得した株式(金庫株)を、惜しげもなく消却してしまう例もあります。

 昨日も登場したソフトバンクは、10月31日付けで1億株・時価総額で約6500億円を消却すると発表しています。ソフトバンクは本年2~8月だけで約5000億円の自社株買いを実施していたため、その5000億円も含む6500億円を株式市場に「返還」したことになりますが、もっと正確には「捨ててしまう」ことになります。

 この1億株はソフトバンクの発行済み株数の8.33%に相当するため、それだけソフトバンク株式の各指標が向上するとか、直接的には44億円(1株=44円)の配当支払いが軽減されることにはなりますが、それが6500億円を「捨ててしまう」ことに釣り合っているのか?は、難しい問題となります。

 ソフトバンクは連結で12兆円をこえる有利子負債を抱えており、いくら低金利といっても、いずれは返済あるいは償還しなければならない12兆円のはずです。それを全く返還義務のない発行済み株数を買入れ、多少は株価に対するプラス効果は期待できるとはいえ、このように「捨ててしまう」ことが全体として正解なのかは考えてみなければなりません。

 本日の日経新聞を見て考え込んでしまったのですが、まだよくわかりません。よろしかったらご意見をコメント欄にお寄せください。

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■闇株的見方 » 株式 | 2016.10.20
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どうにも不可解な「さが美」のTOB

2016年10月14日

どうにも不可解な「さが美」のTOB


 正直に言うと本誌は、日本のいわゆる「再生ファンド」というものは官民を問わずあまり信用していません。何か狭い特殊な世界の中だけで不明朗な談合のようなものが行われており、あまり経済原則で物事が進んでいるとも思えないからです。

 じゃあ海外の「再生ファンド」ならいいのか?というと、これも同じような不明朗で「ぼろ儲け」だけが海外に移転されてしまい、もっととんでもない話が多くなります。

 本日の話題はそんな不可解な「さが美」のTOBについてです。

 9月1日に経営統合を終えたばかりのユニー・ファミリーマートホールディングスですが、8月17日に旧ユニーがその53.8%(議決権ベースでは55.4%)に相当する2199万株を保有する着物販売全国チェーン「さが美」を、「再生ファンド」のアスパラントグループに売却すると発表していました。

 総発行株式の3分の1をこえる株式移動は、すべての株主に等しく売却機会を提供するためTOB(株式公開買い付け)を行う必要があり、そのTOB価格が1株=56円、買い付け期間が8月18日~10月11日に設定されていました。

 発表当日である8月17日の株価が80円だったので「ほかの株主が応募できない安値TOB」となりますが、「さが美」も旧ユニーも同日にこのTOBへの賛同を公表しています。また旧ユニーはこの安値TOBに全株応募し、さらに「さが美」に対する34億円の貸付債権のうち16億円を放棄するとも公表しています。

 「さが美」の2016年2~8月期の純利益は2億8800万円で、同年8月現在の純資産は49億円あります。これに16億円の債務免除益が加算されるため純資産は65億円となるはずで、自社株を除いた1株あたり純資産は164円となります。繰り返しですがTOB価格は56円です。

 つまりアスパラントは65億円の純資産のある、一応は利益の出ている、依然として東証1部に上場している「さが美」の経営権を、わずか12.3億円(56円で2199万株)で掌握することになります。

 一応は「再生ファンド」でも常識であるはずの全株取得も上場廃止も行なわず、いつでも資本市場から資金調達する選択肢も(もちろん市場で売却する選択肢も)維持したままとなります。

 別に「やっかむ」つもりはありませんが、本誌でも「大儲け」ができてしまいそうな「おいしい買収(それとも企業再生?)」となります。「さが美」の株価は9月28日に206円の高値となりました。

 まさに冒頭で書いた不明朗な談合の結果のようですが、さすがに「再生ファンド」の中でも異論があったようで、ニューホライズンなる「再生ファンド」が9月27日に買収価格を1株=70円、さらに9月30日に90円まで引き上げ、しかも16億円の債権放棄を求めないという「割合まともな」対抗案を用意していると報道されていました。

 ところが統合を完了したユニー・ファミリーマートも「さが美」も、信頼関係が築けていないなど「笑ってしまうような」理由でニューホライズンの対抗案に不賛同を表明し、ニューホライズンも「友好的TOBしか行わない」との理由で正式にTOBを申し立てず、TOB期間最終日の10月11日には無事にアスパラントへの安値TOBが成立してしまいました。

 「再生ファンド」という狭い特殊な世界では、こういうことも珍しくないのかもしれませんが、じゃあどこが問題なのでしょう?

 ユニー・ファミリーマートは「さが美」という会社資産を不当に安く売却したことになり、厳密に言えば株主代表訴訟の対象となります。「さが美」はまだ東証1部に上場しており(つまり客観的な価格があり)、本日(10月13日)の終値も1株=117円あるからです。

 もしニューホライズンがあくまでも戦うつもりだったら、会社の賛同が得られなくても正式のTOBを申し立てれば(TOBは重複した申し立てが可能です)、少なくともアスパラントへの安値TOBは阻止できたはずです。さすがに明確に安値の方に売却したことになるからです。

 全株を売却してしまうユニー・ファミリーマートから見れば、(実際にそういう言い訳もしているようですが)売却後の「さが美」の経営が信頼関係のないニューホライズンに委ねられても何ら問題がなく、純粋に会社の利益だけを考えればいいはずです。

 ところがニューホライズンも「再生ファンド」という同じ狭い世界の住人であるからか、結局はTOBを申し立てず退散してしまいました。

 要するにすべて「再生ファンド」という狭く特殊な世界の住人にしかわからない理屈で、この不可解な安値TOBが成立してしまい、今回はアスパラントなる「再生ファンド」に大儲けの機会が提供されて幕引きとなります。

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■闇株的見方 » 株式 | 2016.10.14
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