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米国のハイテク株急落はあまり心配する必要はない、しかし、

2017年06月13日

米国のハイテク株急落はあまり心配する必要はない、しかし、


 先週末(6月9日)の米国株式市場は、ここのところの相場上昇を主導していたハイテク株が軒並み下落しました。ハイテク株の比率が高いNASDAQ総合指数は、その前日の8日の史上最高値となった6321ポイントから1.8%下落して6207ポイントとなりました。

 しかし金融株やエネルギー株が上昇したため、NYダウは逆に上昇して21271ドルと史上最高値を更新しています。金融株については米議会でボルカー・ルールを含むドット・フランク法撤廃が進展しており、金融機関の規制緩和が一層進むと期待されたからです。

 このハイテク株急落の直接のきっかけは、新型スマートフォンのスペックが期待されたほどではなかったアップルが急落したからで、アップルの時価総額はたった1日で300億ドル(3.3兆円、3.88%)も減ってしまいました。

 時価総額がアップルに続くアルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックも合わせた時価総額上位5社合計では、900億ドル(10兆円)以上も減少しています。しかしこの5社の時価総額合計は、まだ昨年末を5700億ドル(62兆円)も上回っており、ほんの少し調整しただけです。

 また日本にも登場した空売りファンドのシトロン・リサーチが売り推奨レポートを出したエヌビディアが6.5%、ネットフリックスも5%近い下落となりました。エヌビディアはソフトバンクがビジョンファンドでの投資用としてすでに40億ドル(4500億円)を手当てしているはずで、以前から懸念されている利益相反の問題がさっそく出てきそうです。

 これを受けた本日(6月12日)の東京市場では、そのソフトバンクが2.6%安、東京エレクトロンが3.0%安、キーエンスが2.2%安となりましたが、日経平均は104円安(0.5%安)の19908円と小幅の下げで終わりました。

 さてこのハイテク株急落はどう考えればいいのでしょう?結論だけ言えば、それほど心配する必要はありません。

 結局のところ米国の(日本でも)株式市場で買われ過ぎていたハイテク株のスピード調整であり、株式市場全体が急落する兆候はまだ見当たらないからです。米国に限らず(日本を含む)世界の株式市場にとって、経済の低迷や政治の混乱はマイナス材料ではなく、また最近はイベント(突発的悪材料)による混乱も短期的ですぐに株価は大きく回復しています。
 
 リーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和の効果がようやく本格的に株式市場に出ているからで、その変化が簡単に終わってしまうことはないからです。

 仮に買われ過ぎていたハイテク株が一時的に調整するとしても、金融株、エネルギー株、消費関連株などが代わって株式市場を主導していくかというと、再びハイテク株に戻ってくると考える方が自然です。

 昨年に中国人民元急落や英国EU離脱決定などで、あれだけ急激な調整に見舞われた世界の株式市場が、相変わらず中国経済が不安定で英国のEU離脱がますます混沌としているにもかかわらず「ほとんど」気にもしなくなっています。

 それと同じで1~2回、ハイテク株の急落にヒヤリとさせられても、すぐに「次に急落したら買いチャンス」と考えるようになるはずです。

 ただハイテク株だけではなく米国株式市場で1つだけ「近い将来」の懸念材料があるとすれば、それはFRBの金融政策がより「引き締め」に向かうケースです。

 米国経済でも好調な企業業績にもかかわらず賃金が伸び悩み、消費が低迷して経済全体(GDP)の成長が鈍化し始めています。この状態は日本経済が「先輩」ですが、米国はGDPに占める消費の割合が68%と日本の56%より高いため、その影響は日本よりも深刻です。

 そこへFRBが一見好調な雇用統計だけを見て利上げを重ねたり(今週のFOMCでの利上げは確定的です)、FRB保有資産の縮小に早期に取り掛かったりすると、消費が伸び悩んで「急激に日本経済化」している米国経済にさらに急激なブレーキをかけてしまう恐れがあります。そうなるとさすがに米国株式市場にも影響が出るはずです。

 これもすぐに「そうなる」というわけではありませんが(今週の利上げは完全に織り込んでいるためショックはありません)、本年後半にかけては気にしておく必要があります。

 来年2月に任期が切れるイエレン議長が再任される可能性は低く、また3名も空席のあるFRB理事の人選もこれからで(トランプ大統領が指名して上院が承認します)、FRBの現体制とすれば「金利は上げられるうちに目いっぱい上げて、FRBの保有資産縮小もできるだけ早くスタートしておこう」と考えてもおかしくないからです。


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■闇株的見方 » 株式 | 2017.06.13

祝2万円! 日経平均

2017年06月03日

祝2万円! 日経平均


 本日(6月2日)の日経平均は317円高の20177円(終値、以下同じ)となり、久々の2万円台となりました。

 1月27日に「祝2万ドル!NYダウ」を書いていますが、そのすぐ後に「祝2万円!日経平均」を書くはずだったところ、意外に時間がかかってしまいました。そのNYダウは昨日(6月1日)が21144ドルと、S&P500、NASDAQとともに史上最高値を更新しています。

 日経平均の2万円台は2015年12月1日以来、1年半ぶりですが、実はこの時の2万円台(終値)はその1日だけでした。

 2000年以降、日経平均が2万円を上回っていた時期は短く、ITバブル時の高値となった2000年4月12日の20833円を、やっと2015年6月24日の20868円で上回りました。しかしそこから2度の中国ショック(2015年8月と2016年1~2月)で急落となり、2016年2月12日と英国ショックのあった同年6月24日にともに14952円まで下落していました。

 今回の上昇相場はトランプが大統領選に勝利した直後である2016年11月9日の16251円がスタートラインですが、その1か月後に19000円台を回復したものの、そこから2万円台まで約6か月かかったことになります。

 本日の日経新聞朝刊に、2017年5月末における世界の株式時価総額が76兆ドルとなり、月末ベースで史上最高値を更新したと書かれていましたが、この数字はリーマンショック後の2009年2月に30兆ドルまで落ち込んでいました。

 ちなみにその頃の日経平均の安値が2009年3月10日の7054円、NYダウの安値が同月9日の6547ドルでした。そう考えるとその間は、日経平均もNYダウもあまり上昇率に差がないことになります。

 つまり世界の株式時価総額は2009年2月の30兆ドルから46兆ドル(5100兆円)も増えていますが、世界の名目GDPは2009年の60兆ドルから2016年の75兆ドル(推計)まで15兆ドル(1660兆円)しか増えていません。

 本誌は昨年末頃から「今年はバブル元年」と繰り返していますが、こう見てくるとリーマンショック以降は、ずっと世界の株価上昇が実体経済の成長(名目値なのでインフレ込みの伸び)を大きく上回っていたことになります。

 リーマンショックの前後で最大の違いは、世界的な金融緩和・量的緩和がケタ違いであることです。つまり金融緩和・量的緩和が世界経済を拡大する効果は限定的ですが、少なくとも株式市場を上昇させる効果だけはあることになります。

 もちろん資産効果が実体経済を拡大させる効果もありますが、資産効果が賃金水準を全体的に押し上げる効果はほとんどなく、結果的に消費活動が大きく反映される実体経済(GDP)と株式市場のギャップが拡大することになります。

 その実体経済の伸び悩みを見て金融緩和・量的緩和がさらに継続されるため、実体経済と株式市場のギャップがさらに拡大することになります。それがますます加速するように思えたため「今年はバブル元年」と繰り返しているわけです。

 逆に言えば金融緩和・量的緩和にブレーキが掛かれば、株式市場の「バブル」は止まるはずです。それほど「バブル」が膨らむ前であれば弾けることもありませんが、間違いなく止まります。

 FRBは6月に再度利上げを行うようですが、それでも政策金利であるFF金利(上限)は1.25%と歴史的低水準であることは変わらず、4.5兆ドルに膨らんだままのFRB総資産の縮小開始まではまだ時間がありそうです。したがってすぐにNY株式の上昇が止まることはなさそうですが、これ以上の政策変更(さらなる利上げと縮小開始)は要注意となります。

 翻って日銀は、5月末の総資産が500兆円となったようです。最近は目立たないように資産買入れ額を縮小していますが、いずれにしても「異次元」量的緩和は継続中です。

 その辺を考えれば日経平均にまだ「伸びしろ」がありそうですが、大変に皮肉なことに黒田総裁のいう物価が上昇を始めたときが最も要注意となります。日本経済は「わずかな物価上昇」でも消費活動を直撃して経済を一層低迷させるからですが、それよりも日銀の資産買入れペースをさらに縮小しなければならないからです。

 本誌は以前から日銀の資産買入れは半分くらいにするべきと主張していますが、株式市場だけを考えるなら、これ以上の資産買入れ縮小はダメージとなるかもしれません。


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■闇株的見方 » 株式 | 2017.06.03

ジェフ・ベゾスとイーロン・マスク 2人の新しい錬金術師

2017年06月01日

ジェフ・ベゾスとイーロン・マスク 2人の新しい錬金術師


 昨日(5月30日)のアマゾン・ドット・コム(以下、アマゾン)の株価は一時1001.2ドルとなり、引け値の996.7ドルで計算しても時価総額が4775億ドル(53兆円)となりました。

 アップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフトに次ぐ世界第4位の時価総額となり、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイと続きます。

 アマゾンはヘッジファンド(D.E.Shaw)でシステム構築を担当していたジェフ・ベゾス(53歳)が1994年に起業したインターネット書店が拡大したもので、1997年5月に18ドルでIPOしています。そこから株式分割を勘案すると株価は490倍になっています。

 またリーマンショック以降だと15倍、2017年初めからでも30%の上昇となっています。

 アマゾンの2017年1~3月期は売り上げが357億ドル、純利益が7億2400万ドル、2016年通年は売り上げが1360億ドル、純利益が24億ドル、2015年通年は売り上げが1070億ドル、純利益が6億ドルとなっています。

 つまり急成長・高収益ではあるものの、ものすごく儲かっている会社でもありません。したがって足元の実績ベースPERが187倍もあり、現金配当は創業以来「無配」のままです。また自社株買いも2016年初めに50億ドルの買い付け枠だけ設定していますが、期限は定めておらず、まだ1株も買っていません。

 じゃあそんなアマゾンがなぜ株式市場で高評価なのかといえば、常に消費者のための利便性を大胆な発想で追及するジェフ・ベゾスの経営哲学が評価されているとしか考えられません。つまり将来のための大胆な投資を控えればいつでも利益を拡大でき、自社株買いも現金配当もいつでもできると考えられていることになります。

 ベゾスはアマゾンから現金報酬をほとんど受け取っておらず(年間8万ドルほどだそうです)、もちろん株式配当もありません。またアマゾンも目先の利益を追求しているとも思えず、自社株買いなど株価対策も行わず、常に休まず拡大を続けていることになります。

 その結果、アマゾンの約17%を所有するベゾスの個人資産は拡大を続け、いずれ世界最大の個人資産になるといわれています。ベゾスは「私は事業家ではなく伝道師だ。しかし時として伝道師の方が儲かる」と言っているようです。

 本誌はジェフ・ベゾスを「新しいタイプの錬金術師」だと考えています。そこで「もっと新しいタイプの錬金術師」と考えるのがイーロン・マスク(45歳)です。

 ベゾスは曲がりなりにも起業したアマゾンを巨大企業に育て、消費者にもそれなりの利便性を提供していますが、イーロン・マスクは「とてつもなく大きい発想で、事業収益を積み上げる前に株式価値を膨らませてしまう錬金術師」となります。

 イーロン・マスクは南アフリカ生まれで、18歳の時に米国に移住しています。当時の南アフリカはアパルトヘイト(人種差別)で国際的に孤立しており、国民皆兵で自国を防御する必要がありました。18歳のマスクは兵役を逃れるために米国に移住したわけです。現在は米国、カナダ、南アフリカの3重国籍を持ちます。

 スタンフォード大学院で物理学を専攻していましたが、まもなく中退して弟と友人で起業したソフトウェア会社をコンパックに売却し、それを元手にペイパルを立ち上げます。そのペイパルを2002年に15億ドルでイーベイに売却し、マスクは1億6500万ドルを手にします。

 そこで始めたのが宇宙事業(スペースX)、電気自動車(テスラモーターズ)、エネルギー事業(ソーラーシティ)ですが、決して思い付きで手を広げたわけではなさそうです。社会貢献を前面に米国政府(あるいはNASA)から各種援助を引き出せて、何よりも株式市場で大きく夢が広がりそうな事業ばかりに目をつけています。

 その代表がテスラモーターズで、年間生産台数が8万台しかなく、もちろん黒字化の目途が全く立っていないなかで直近の時価総額が570億ドル(6兆円)もあり、生産台数が1000万台近いGMの510億ドルを上回っています。

 この辺も、イーロン・マスクなら「何かもっととんでもない発想で世界の自動車業界の勢力図を変えてくれるのではないか?」など、あまり根拠のない期待感が先行しているとしか考えられません。ちなみにマスクもこれらの会社からほとんど報酬を受け取っていないようです。

 本誌は正直なところ、アマゾンでさえ「ベゾスの錬金術は持続可能なのか?」とやや懐疑的ですが、テスラモーターズともなると「マスクの錬金術は理解不能で、もはやバブル(期待バブル?)でしかない」と考えてしまいます。

 しかしジェフ・ベゾスとイーロン・マスクという「2人の新しいタイプの錬金術師」のこれからは、しっかりと注目しておく必要がありそうです。いつかはわかりませんが、それが理解できるような気になったときこそ本格的なバブル崩壊となるはずだからです。



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■闇株的見方 » 株式 | 2017.06.01

ヘッジファンドの巨人たち(2016年)

2017年05月23日

ヘッジファンドの巨人たち(2016年)


 毎年この時期に前年のヘッジファンド主宰者の高額所得ランキングが発表されるので、それに合わせて毎年書いている話題です。ヘッジファンドそのものの収益ではなく、あくまでも主宰者の個人所得ランキングです。

 昨年(2016年)のヘッジファンド業界平均のリターンは5.4%しかなく、11.9%だったS&P500にリーマンショック以降8年連続で負けています。毎年1.5~2.0%の運用報酬に加えてリターンの20%の成功報酬を受け取るヘッジファンドが、タダみたいな運用手数料のS&P500などインデックスファンドに負け続けていることになります。

 さすがに昨年はヘッジファンド業界全体で700億ドル(8兆円)の資金流出となったようですが、それでも業界全体で3兆ドルほどの残高があります。

 また昨年の上位10名の所得合計は76億ドル(8500億!)と、信じられない金額ですが、それでも2014年の116億ドル、2015年の100億ドルから減っています。

 さて2016年の高額所得ランキング1位は、クォンツ型ヘッジファンドの雄・ルネッサンス・テクノロジーズ創業者のジェームス・シモンズ氏で16億ドル(1800億円!)でした。天才数学者のシモンズ氏は79歳で、もうとっくに第一線を退いているはずですが、前年の17億ドルに続いて2年連続の1位となりました。前年(2015年)は後から出てくるグリフィン氏と同額の首位でしたが、昨年は単独首位(たぶん初めて)となりました。

 またルネッサンス・テクノロジーズ現CEOのロバート・マーサー氏はケンブリッジ・アナリティカの最大のスポンサーであり、トランプ政権にもスティーブ・バノンを送りこんでいます。2月23日付け「ケンブリッジ・アナリティカとは?」に書いてあります。

 そして2位が、世界最大規模のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイモンド・ダリオ氏で14億ドルでした。ブリッジウォーターは複数のヘッジファンドを運用していますが、典型的なグローバル・マクロ型です。

 そして3位と4位には、トゥー・シグマ・インベストメンツ共同創業者であるデヴィッド・シーゲル氏とジョン・オーバーデック氏が、同額の7.5億ドルで初めて上位にランクインしています。

 このトゥー・シグマ・インベストメンツは2001年創業で、2人の共同創業者が微妙に違う専門分野を生かして共同開発したクォンツ型・AI型のヘッジファンドです。まさに時流の先端を走っており、急成長・急拡大しているヘッジファンドです。

 さらに5位がディストレスの雄・アパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏で7億ドル、6位が前年同額首位だったシタデルのケネス・グリフィン氏で6億ドルと「常連」が続きます。ちなみにグリフィン氏が主宰するシタデルは2016年のパフォーマンスが5%ほどだったようで「たった5%でも6億ドル?」と批判を浴びそうです。

 さらに7位には、エリオット・マネジメントのポール・シンガー氏が5.9億ドルでランクインしています。シンガー氏はなぜか今までランキング上位に入ったことがありませんが、本紙が考える「正真正銘のワル」です。

 この「ワル」というのは決して悪い意味ではなく、絶対に不可能と思える相手に勝負を仕掛け、時には国家権力まで動員して何年かけても「勝ってしまう」投資手法です。今回のランク入りは、デフォルトしたアルゼンチン国債を捨て値で買い集め、アルゼンチン政府の債務カット要請を頑として受け付けず、債務カットに応じた投資家への支払いを差し止めてまで保有全額を満額償還させてしまいました。24億ドルの収益だったと言われています。

 今回のランクインは、この報酬が遅れて反映されたものと思われます。2014年7月29日付け「アルゼンチンがなぜデフォルトするのか?」に書いてあります。また最近のシンガー氏はサムスン電子の資本再編を攻撃しており、こちらは2016年10月13日付け「正真正銘のワルに狙われたサムスン電子」に書いてあります。

 さて昨年(2016年)は、1位、3位、4位とクォンツ型・AI型ヘッジファンドの主宰者が上位を占めました。たまたまだったかもしれませんが、今後のヘッジファンド業界はますます「人間が頭で考える」から「機械(コンピュータ-)が瞬時に判断する」スタイルに重心が移っていくような気がします。

 投資信託では受け身(Passive)のインデックス運用が主流になりつつありますが、本来はその対極にあるはずのヘッジファンドにクォンツ化・AI化の波が押し寄せると、金融市場の相場変動メカニズムが変ってくる可能性があります。というよりもうすでに変わりつつあるような気がします。

 そんな予兆も感じられる昨年(2016年)のヘッジファンド高額所得者ランキングでした。



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■闇株的見方 » 株式 | 2017.05.23

「バフェット」と「バフェットでないもの」の違い

2017年05月10日

「バフェット」と「バフェットでないもの」の違い


 本日(5月9日)の日本経済新聞夕刊の記事(4面のウォール街ラウンドアップ)を見て、思わず予定を変更して書いた記事です。

 記事そのものが間違っているわけではありませんが、まさに「バフェット」と「バフェットでないもの」の違いに注意しなければならないと言いたくなる内容です。

 まずその記事に入る前の「前段」です。

 先週末の5月6日、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの定時株主総会が、本社のあるネブラスカ州オマハで開催されました。人口43万人のオマハに、毎年4万人ほどの株主が訪れるそうです。

 バフェット氏は今年の株主総会で、保有するアップルをさらに評価する発言を繰り返したため、週明け8日のアップル株はさらに上昇して153ドルとなり、時価総額が初の8000億ドル(90兆円)となりました。

 バフェット氏は昨年(2016年)3月にアップル株に初めて投資し、昨年末にかけて買い増していましたが、本年1月末の決算発表前に7000万株以上を大量取得し(その時点の株価は121ドル)、合計1億3300万株を保有しています。バフェット氏の保有するアップル株式の時価総額も200億ドルをこえたことになります。

 またバフェット氏は総会で、今年になって保有株式の3分の1を売却したIBMについては「投資した2011年当時はうまくいくと思ったが間違いだった」と認め、逆に昨年後半から大量に投資している航空株については「もう経営悪化につながる価格競争に陥ることはないだろう」と擁護しています。

 バフェット氏は1965年にバークシャー・ハサウェイの経営権を取得して以来、現在までにその株価を約2万倍にしています。その間のS&P500は150倍程度のはずです。

 昨年から投資しているアップル株がさらに上昇しているなどの「無数にある成功例」や、IBMのような「たまにある失敗例」について、今さらコメントするつもりは全くありません。バフェット氏の投資は、成功例も失敗例も「見ているだけで勉強になる」からです。

 さてここからが本題です。表題の「バフェット」と「バフェットでないもの」の違いとは、単に運用実績が神様のようなバフェット氏と、投資実績が凡庸な担当者の違いではありません。

 その日経新聞で紹介されている「バフェットでないもの」とは、バフェット氏がアップル株に投資したら実際に株価が上昇したことを見て「アップルと同じような企業がある」とか、バフェット氏が珍しくアマゾン株に投資しなかったことを悔やんでいることを聞いて「アマゾンはまだまだ上がる」など根拠不明の理屈で投資資金を募っている新興ヘッジファンド担当者のことです。

 明らかにバフェット氏の威を借る狐のような輩(やから)がいるわけですが、実際にそう聞いてしまうと「バフェット氏のバークシャー・ハサウェイはもう株価が2万倍になっているので、バフェット氏のような投資手法なら(ここが間違い!)資金を預けてみようか」と考えてしまう投資家が世界中に結構いるものです。

 だいたい悲惨な運用実績になってしまいます。

 もともとバフェット氏は、投資家から高率の手数料や成功報酬を受け取るヘッジファンドを強く批判しています。そして総会でもタダみたいな運用手数料でリーマンショック以降すべての年でヘッジファンドの平均実績を上回るインデックスファンドを広めたバンガードを称賛したようです。

 さて本日の記事は、近々「ビットコインとビットコインでないものの違い」という記事を書こうとしていたところに本日の記事を見たため、ついバフェット氏に変更してしまったものです。

 本誌はビットコインを含む仮想通貨については懐疑的ですが、直近で1700ドル台と史上最高値を更新中のビットコイン価格については需給関係を反映したものであり、別に幻想とも詐欺話とも思っていません。

 ところが最近ビットコイン価格の急上昇を見て「数年前にビットコインに投資していたら今頃は大富豪でしたよね。ところがこのコイン(何とかコイン)はこれから売り出すため、いま投資しておけばあなたも大富豪ですよ」という詐欺話が日本で頻発しています。

 これはビットコインの価格変動を見て利用しているだけの単なる詐欺話で、絶対に信用してはいけません。だいたいバフェット氏とビットコインを比較すること自体、大変にバフェット氏に失礼ですが、ついこういう記事になりました。


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■闇株的見方 » 株式 | 2017.05.10
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