Category : 株式

闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

世界の時価総額ランキングに見る「変化」?

2018年04月03日

世界の時価総額ランキングに見る「変化」?


 3月31日現在の世界の時価総額ランキングでは、以下のようになっています。ちょっと長くなりますが、普段あまり取り上げる機会がないので上位20位まで並べてみます。カッコ内に国籍が書いていない企業は米国企業です。

 1位がアップルの8513億ドル、2位がアルファベット(グーグル)の7192億ドル、3位がマイクロソフトの7027億ドル、4位がアマゾンの7006億ドル、5位がバークシャー・ハサウェイの4921億ドル、6位がテンセント(中国)の4919億ドル、7位がアリババ(中国)の4671億ドル、8位がフェイスブックの4641億ドル、9位がJPモルガン・チェースの3774億ドル、10位が中国工商銀行(中国)の3450億ドルとなっています。

 後述しますがフェイスブックが前月末の6位から順位と時価総額を落としていることと、上位10位に中国企業が3社も入っていることが目につきます。

 また11位がジョンソン&ジョンソンの3438億ドル、12位がサムスン電子(韓国)の3262億ドル、13位がエクソン・モービルの3161億ドル、14位が中国建設銀行(中国)の3153億ドル、15位がバンカメの3072億ドル、16位がロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)の2684億ドル、17位がウォルマートの2625億ドル、18位がウェルズ・ファーゴの2556億ドル、19位がビザの2464億ドル、20位がネスレ(スイス)の2454億ドルとなっています。

 ちなみに日本最大のトヨタは36位で1939億ドルとなっています。

 3月にはフェイスブック以外にも前月(2月)に比べて時価総額を減少させた上位企業が多く、1位のアップルは2月末の9037億ドルから5.8%、アマゾンは7321億ドルから4.3%も減らして順位も3位から4位となり(一時はアルファベットも抜いて2位まで上がっていましたが)、フェイスブックに至っては同じく2月末の5180億ドルから10.4%も減らして順位も6位から8位となりました。

 要するにここまで米国株式市場を牽引してきた時価総額上位企業が、ここ1か月ほどの間にかなり「変調」となっていることがわかります。

 直接どれほど時価総額の減少に結び付いたかは不明ですが、アップルは昨年末に旧機種の動作速度を意識的に遅らせて新機種への乗り換えを促進していたことがバレてしまい、謝罪に追い込まれています。

 アマゾンはつい先日の3月28日にトランプ大統領が、明らかにアマゾンを狙った「課税強化策を検討している」と報道されて、株価が一時7%も下落して500億ドルの時価総額が吹き飛びました。

 アマゾンに限らず国際的にEC事業を展開する企業は、国別の売り上げや利益を税当局が把握することが難しく、結果的に一般企業に比べて税負担が少ないと言われています。

 トランプ大統領は2016年の大統領選では、勢いを失っている米国の伝統的企業の売り上げと利益を、対米貿易黒字国から取り戻すと公約して勝利していますが、今秋の中間選挙と2020年の大統領選挙では米国の伝統的小売企業の売り上げと利益を「税金もロクに支払っていない」アマゾンなどEC企業から取り戻すと公約するはずです。

 また何かとトランプ大統領に批判的なワシントン・ポストのオーナーが、アマゾンCEOのジェフ・ベゾスであることも関係しているようです。

 そして最も問題が大きくなりそうなのがフェイスブックです。もともとアルファベット(グーグル)やフェイスブックといった「プラットフォーム事業」は、既存の通信インフラにタダ乗りして巨額の広告料を独占しているとの批判があります。

 直近のネット広告料は年間800億ドル(9兆円)をこえているはずですが、その約6割をアルファベット(グーグル)とフェイスブックが独占しています。

 しかしフェイスブックについては、2016年の大統領選挙でトランプ側のデータ分析会社であるケンブリッジ・アナリティカの関連会社に、500万人分の行動データを提供していたことが明らかになりました。

 フェイスブック側はあくまでも「研究目的」と聞いて「ほとんどタダで」提供したと、あくまでも被害者であると主張していますが、何しろ大接戦だった大統領選における「最後の武器」をトランプ側に提供していたことになり、ここからの問題の大きさは想像がつきません。もちろんフェイスブックも無傷で済むとも思えません。

 3月21日付け「トランプ大統領を当選させた最大の武器が明るみに」に詳しく書いてあります。

 さて本日の結論ですが、ここまで米国株式市場を牽引してきた時価総額上位企業が勢いを失い、それで米国株式市場がエネルギーを失うとまでは言いませんが、それなりの警戒感(つまり上昇スピードの調整)には結びつくと感じます。

 それにここまでくれば、国家ぐるみで事業を拡大させる中国企業が相対的にもっと大きくなり、時価総額ランキングにももっと顔を出すような気がしています。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 株式 | 2018.04.03

アマゾンとウォルマートの株価を比べて思い付くこと

2018年02月23日

アマゾンとウォルマートの株価を比べて思い付くこと


 一昨日(2月20日)のNY株式は255ドル安の24964ドルとなりましたが、最大の「悪役」となったのがウォルマートでした。

 ウォルマートの株価は先週末(2月16日)の104.78ドルから13.67ドル(12.6%)も下落して94.11ドルとなり(終値、以下同じ)、昨日(2月21日)も91.52ドルと続落しています。時価総額も2711億ドル(29兆円)まで低下していますが、PERは20倍です。

 じゃあウォルマートに相当の「悪材料」が出たのかというと、実際には2月20日に発表された2017年11月~2018年1月期決算で(ウォルマートは1月決算)、米国内の総売り上げが前年同期比3.4%増の865億ドルとなり、さらに重要な既存店総売り上げも同2.6%増となり、依然として成長が止まっていないことになります。

 ただ同期間の純利益は前年同期比42%減となり、通年でも純利益は前年の136億ドルから27%減の98億ドルとなっていますが、やはり既存店ベースの純利益は前年比1.3%増となっており、収益ベースが足元から大幅に悪化しているわけでもありません。

 それではウォルマートの株価がそこまで下落した理由は何なのか?というと、Eコマースの売り上げが前年同期比23%増となり、前期の同50%増から大幅に鈍化していたからのようです。

 ここでウォルマートは全米に5400店舗と3500店舗のスーパーを展開する世界最大の小売企業であり、確かに最近はEコマースに力を入れてはいるものの、その総売り上げに占める比率は4%程度であり、(しかもその売り上げも減少したわけではなく)やや鈍化しただけで、株価が10%以上も下落したことになります。

 もちろんこれはAmazon Effect(アマゾン効果)というもので、世界中の小売企業がすべてアマゾンの発展に飲み込まれてしまうという「一種の集団恐怖症」のようなものです。

 2月1日に発表されていたアマゾンの2017年10~12月期決算では(アマゾンは12月決算)、総売上高は前年同期比38%増の605億ドル(小売りだけでなくクラウドビジネスなども含まれています)、営業利益は同69%増の21億ドルと、必ずしも毎期の利益計上は重視していないアマゾンとしても高収益だったと言えます。

 またアマゾンは今後も設備投資や企業買収や顧客に対する値引きに、稼いだキャッシュフローを惜し気もなく使っていくはずですが、それでも昨日(2月21日)のアマゾンの株価は一時初めて1500ドル台となり、終値は1482ドル、時価総額は7179億ドル(77兆円)とマイクロソフトを抜いてしまいました。

 ちなみに昨日におけるアマゾン株式のPERが325倍となります。

 ここで本誌は単純に、アマゾンの株価が高すぎるとか、ウォルマートの株価が安すぎるとか、Amazon Effectを気にしすぎているなどと言っているわけではありません。いつも書いているように「相場は常に正しい」と考えるからです。

 しかし昨日付けで、正体がよくわからない仮想通貨と、一応は埋蔵原油に連動するはずの「ペトロ」があまりにも仮想通貨市場での評価が違いすぎると書いたように、株式市場においてもEC、AI、EV、それに仮想通貨関連が無条件に評価されている状態も「そろそろおかしいのでは?」と考えてみるべきタイミングに来ているような気がします。

 まあバブルというものは、こういう否定的な意見が出ているうちには、なかなか弾けないものですが、かといってここから1年以上も同じ状態であるとも思えません。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 株式 | 2018.02.23

衆議院選挙後の日本株はどうなる?

2017年10月26日

衆議院選挙後の日本株はどうなる?


 「衆議院選挙と日本株はスルーするのか?」とのコメントも頂いていますので、本日はこの話題です。

 本日(10月25日)の日経平均は17営業日ぶりに下落(97円安)して21707円となりましたが、昨日まで史上最長となる16連騰となっていました。連騰記録は途絶えましたが株式市場の参加者はかなり強気となっており、まだまだ日本株は出遅れで上昇余地が大きいとのコメントも多いようです。

 本誌は9月29日付け「日本株の中期見通しを数年ぶりに修正する6つの理由」で書いたように、2012年夏の民主党政権時の閉塞感の中で日経平均が8000円前後、円相場が1ドル=77~80円だった時代から「ずっと」強気を続けていましたが、それを約1か月前に修正して警戒レベルを引き上げるよう主張しています。

 実際にはその日(9月29日)から16連騰が始まったので、明らかに「タイミングが早すぎた」ことになりますが、修正に至った背景は全く変わっていません。つまり警戒レベルを「さらに」引き上げるべきと考えています。

 日本経済に限らず世界の経済は、リーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和にもかかわらず本格的に回復しておらず、したがって設備投資など前向きの資金需要が盛り上がらず、結果的に溢れ返った投資資金が主に株式市場に向かい未曽有の上昇相場が続いています。

 この間にも世界の株式市場は、2010年と2012年の二度にわたるギリシャ危機(とくに2012年はイタリアやスペインにまで飛び火)、2013年5月のバーナンキショック(FRBの量的緩和縮小を示唆)、2015年8月と2016年1~2月の二度にわたる中国ショック(人民元の急落がきっかけ)、2016年6月の英国ショック(国民投票でEU離脱を決定)、さらに2016年11月のトランプショックに至るまで、何度か急落場面がありました。

 しかしその度に、世界の株式市場は比較的短期間で上昇相場に戻り、また金融緩和・量的緩和の強化など政策面の後押しもあり、とくに本年に入ってからは(日本にとっては北朝鮮情勢の緊迫化など悪材料もありましたが)急落する場面もほとんど無くなっています。

 現時点の日経平均は21年ぶりの高値水準となっていますが、米国や一部の新興国を含む世界の株式市場はほとんど史上最高値を更新しています。

 つまりリーマンショック以降の世界の株式市場は、何度かあった急落場面では「パニックになって売らない」「じっと耐える」「余裕があれば買い下がる」が正解だったことになります。そのため2017年になると「悪材料でも売らない」から「買いチャンスとなる悪材料すら待望する」となり、世界の株式市場から急落場面も大きな調整場面も消えてしまいました。

 世界の株式市場はすでに各国の経済情勢に反応しなくなっていますが、ここにきて世界の政治情勢の緊迫化にも反応しなくなっています。要するに世界の株式市場から「弱気」が消えていることになります。

 これが本誌の日本株への中期見通しを数年ぶりに修正した最大の理由となります。ここに来てたまたま悪材料そのものも目立たなくなっていたこともあり、その上昇に加速がつきましたが、ますますそう考えるようになっています。日本株ほどではありませんが、世界の株式市場に対しても同じように考えています。

 ここで問題は、世界の(とくに)量的緩和が株式市場を上昇させる効果があったことは間違いありませんが、その効果がすでに十分に出ているのか、まだまだこれからなのかが誰にもわからないことです。

 さらにそう考えているうちに、リーマンショック以降の世界の量的緩和を主導したFRBが保有資産縮小に踏み切ってしまいました。つまり量的緩和の効果が(それに弊害も)よくわからないうちに、その正常化(資産縮小)が始まったことになります。

 さらにECBは、現行の量的緩和の縮小に(買入れ額の縮小に)来年早々にも踏み切るはずですが、日銀は足元で物価が上昇し始めているにもかかわらず現行の量的緩和と長期金利水準のコントロールを続けることになるはずです。

 つまり量的緩和がそれぞれの株式市場に与える効果は、ますます複雑でわかりにくいことになります。

 衆議院選挙は小池新党の自滅もあり、自民・公明の与党で改憲発議ができる3分の2が確保できました。また何よりもアベノミクスが信任されたことになりますが、2019年10月からの消費増税(10%に)が確定的となり、そのショックを和らげるために日銀の金融政策も当面は維持されることになるはずです。

 つまり当面の日本株は、日本を含む世界経済や政治情勢さらに金融政策の方向にまで影響される度合いが少なくなり、ひたすら市場参加者の心理状況に影響されることになりそうです。

 そして株式市場から「弱気」が消えてしまった時に上昇が止まり、やがて下落に転じることは、過去に何度も経験しているはずです。ただその場合も株式市場全体が同じように反応することはなく、EVやAIや仮想通貨関連やIPO直後の銘柄など「明らかに買われすぎているところから」変化することになるはずです。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 株式 | 2017.10.26

昭和HD・ウェッジHD・Jトラスト

2017年10月25日

昭和HD・ウェッジHD・Jトラスト


 また連想ゲームですが、表題を見てピンときた読者の方も多いはずです。すべてタイを本拠にあきれるような悪事を繰り返している日本の投資家グループが関わっています。

 本誌はいつも「経済事件は悪質な順番に刑事事件化するわけではない」と書きますが、実際にあきれるほどの悪事が繰り返されても全く刑事事件化しないケースや、逆に何でこんなところを大騒ぎして刑事事件化するのかと不思議に思うケースもあります。

 東芝の不正経理のように国策上の背景があるとか、裁判で万が一でも無罪になり輝かしい連勝(有罪)記録が途絶えてしまう恐れがあるとか、背後に戦いたくない巨大勢力が潜んでいるなどの理由で刑事事件化が見送られることがあります。それはそれで(決して容認はできませんが)全く理解できないわけでもありません。

 ところがこれから書く昭和HDの架空増資事件は、少なくとも上記理由がどれも当てはまらないながら刑事事件化が見送られた(本誌が選ぶ)奇怪なケースのチャンピオンです。

 もう時効になってしまいましたが、2008年6月27日に払い込まれた昭和HDの約12億円の第三者割当増資において、引き受けた投資家グループが直後にその払込金だけでなく昭和HDにあった資金も合わせて27億円も還流させた「レバレッジ型の架空増資」となりました。

 さすがに証券取引等監視委員会が2010年6月8日に強制捜査に踏み切りましたが、典型的な架空増資であり無罪になるはずがなく、関係者を国策上の理由で守る理由もなく、背後に巨大組織が潜んでいるとも思えない(ごく小さい勢力しか出てきません)にもかかわらず、刑事事件化(刑事告発)が見送られてしまいました。

 その増資払い込み直後に昭和HDの取締役会も支配していた投資家グループおよびその関係者は、まんまと逃げきってしまいました。さらに「不法な捜査令状によるいわれなき強制捜査によって被った損害の賠償を求める」として1億1000万円の国家賠償請求裁判まで起こしていました。

 徹底的にコケにされた証券取引等監視委員会は2013年11月になって、この投資家グループを率いる此下益司氏に対し、同じく支配しているウェッジHDの株式に係る偽計について40億円余の課徴金納付を発するよう金融庁長官に勧告しています。

 しかしもともとタイを本拠にする此下氏は、課徴金が40億円でも400億円でも1円も支払うつもりがなく、意味がない行政処分であり、実際に悠然と逃げ切ったままです。

 そもそもウェッジHDの株式に係る偽計なら、完全にコケにされた証券取引等監視委員会や東京地検特捜部が「最も得意とする金融商品取引法違反」であるはずで、そこで改めて刑事事件化(刑事告発)すればよかったはずですが、なぜか耐え忍んだままでした。

 その後もこの投資家グループはタイなど東南アジアにある関係会社、昭和HD、ウェッジHD(2011年に昭和HDの子会社となっていますが上場は維持したままです)などを舞台に「怪しげな錬金術」を繰り返していたはずで、2015年頃からJトラストとの関係を深めていったようです。

 本誌は、Jトラストについては2013年夏頃の巨額ライツイシューを集中的に取り上げましたが、その後はほとんど見ていませんでした。また昭和HDとウェッジHDを巡るこの投資家グループについても「憤るだけ無駄」と考えて無視したままでした。

 そこでやっと最近の話題となりますが、そのJトラストが10月17日に「当社株価下落の要因について」なるニュースリリースを公表しています。

 確かにJトラストの株価は10月16日に急落しており、その前日の1037円が867円となっていました。本日(10月24日)も838円と続落しています。要はその理由がこの投資家グループを率いる此下益司氏が、タイの証券取引委員会から偽計および不正取引の疑いで捜査対象となっており、Jトラストが出資しているタイの合弁会社の株式がタイ証券取引所において取引停止となったからと書かれています。

 そこではJトラストの予想損失は一部しか公表されていませんが、2015年の取引開始時点で3000万ドル(34億円)のグループ会社転換社債を引き受けたはずで、現時点ではもっと膨らんでいる可能性があります。

 まあどう見てもJトラストが此下益司氏の「うまそうな話」に引っかかっただけですが、もし此下氏およびそのグループがタイにおいて刑事事件となるなら(もっと正確に言うともみ消すだけの政治力と資金力が此下氏に残っているかですが)、Jトラストだけでなく昭和HDとウェッジHDとの資金関係も洗われることになるはずです。

 普通ならタイ当局から日本の証券取引等監視委員会あるいは検察庁に協力要請がくるはずですが、そこでも腰が引けた対応でタイだけの刑事事件で終わってしまわないことを期待しています。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 株式 | 2017.10.25

ブラックマンデーから30年

2017年10月18日

ブラックマンデーから30年


 明日はブラックマンデー(1987年10月19日)からちょうど30年目となります。NYダウがたった1日で508ドル(22.6%)も急落し、たちまち世界の株式市場も急落となりました。

 本誌を書き始めて約7年となりますが、まだブラックマンデーについて1度も書いたことがなかったため、ブラックマンデーに至った当時の背景を検証してみます。

 NYダウが1987年10月19日に急落したため、翌20日の日経平均も急落しました。前日の25746円(終値、以下同じ)から21910円まで3836円(14.9%)もの急落となりました。下落率、下落幅とも現在まで破られていません。

 昨日(2017年10月17日)の日経平均は11連騰中で21336円となりましたが、まだブラックマンデーで急落した水準より少し安いことになります。

 日経平均は1984年に10000円を突破したあとも上昇を続け、ブラックマンデーの少し前には26646円と、当時の史上最高値を記録していました。

 それでは当時のNYダウの水準はどうだったのでしょう?

 ブラックマンデーの前営業日の10月16日が2247ドルで、それが当日に508ドル(22.6%)下落して1739ドルとなりました。

 ケタを間違えているわけではありません。当時のNYダウは現在の10分の1以下でした。NYダウは30銘柄で構成されていますが、常に成長力のある銘柄に頻繁に入れ替えているため、米国株式市場全体より大きく上昇しているはずです。

 現在もNYダウを構成する30銘柄のうち、何と18銘柄がブラックマンデー後に構成銘柄となっています。さらに2銘柄がブラックマンデーのあった1987年に構成銘柄となっています。本年1月27日付け「祝2万ドル! NYダウ」にも書いてあります。

 そうは言ってもブラックマンデーからNYダウは10倍になり、日経平均はやっと当時の水準に追い着こうとしています。

 それではブラックマンデーに至った背景とは、何だったのでしょう? 

 1985年2月に1ドル=260円をこえた「行き過ぎたドル高」を、協調介入で強引に押し下げようとした同年9月22日のプラザ合意は劇的な効果がありました。問題はそこからドル安が止まらなくなってしまいました。
 
 そこで1987年2月のルーブル合意で「行き過ぎたドル安」を止めようとしましたが全く効果がなく、同年末には1ドル=120円になってしまいました。当時の米国は(現在もそうですが)大幅な貿易赤字と財政赤字を抱えていたのでドル安が止まらず、そこに猛烈なインフレと長期金利上昇が加わってしまいました。

 そうなると米国からの資本引き上げも加速し、ブラックマンデーまでの半年間で10年国債利回りが7%から10%まで上昇していました。まさに当時の米国は最悪の経済状況だったことになります。

 そうなると処方箋は、まず利上げでドル安とインフレを止めなければなりませんが、これ以上の景気後退も避けたい米国は、何と日本と西独(当時)に利下げを要請します。

 日本はそれに従って公定歩合を史上最低(当時)の2.5%まで引き下げましたが、西独は聞き入れません。それどころかインフレ回避のため1987年9月に利上げしてしまいました。つまりドル安を止めるためには米国も利上げしなければならなくなり、そこですでに下落に転じていた米国株が一気に崩れてしまいました。

 一方で日本株は急落翌日に2037円高となり、半年後の1988年4月には急落前の水準を回復していました。さらに日銀が1989年5月まで利上げを躊躇していたため(まだ米国の利下げ要請を守っていたため)猛烈なバブルとなり、日経平均も1989年の大納会に38915円の史上最高値となりました。

 この辺が振り返って考えるブラックマンデーの背景です。少なくとも現在の世界を取り巻く経済・金融情勢とは全く違うため、ブラックマンデー型の株価急落は考えられません。

 本誌は数週間前に日本株の中期見通しを数年ぶりに修正し、警戒レベルを引き上げるべきと考えていますが、その背景は「気になる材料が揃ってきたこと」と、「市場から弱気がほとんどいなくなったこと」と考えます。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 株式 | 2017.10.18
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2018年06月 | 07月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム