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いったい中国経済の本当の規模と成長率はどれくらいなのか?

2018年04月19日

<お知らせ>

本日(4月20日)付けの記事の更新はお休みさせていただきます。



いったい中国経済の本当の規模と成長率はどれくらいなのか?


 中国国家統計局は4月17日、2018年1~3月期GDPは物価の変動を除いた「実質」で前年同期比6.8%増と発表しました。2017年7~9月期から3期連続で同じ6.8%成長となり、2018年の政府目標である「6.5%前後」を上回っていたことになります。

 いつも書くことですが、あれだけ広大で人口も多く経済活動も複雑な中国で、GDPが「たった半月ほど」で集計できるはずがありません。あらかじめ決められている各地の「目標値」を集計しただけであるはずです。

 ちなみに日本の2018年1~3月期GDPの速報値は5月16日、改正値は6月8日に発表される予定で、確報値に至っては1年以上もたってから「そっと」発表されています。

 つまり中国経済の「本当の規模」あるいは「本当の成長率」は、実は中国共産党にも中国政府にも、もちろん海外にも、全くわからないことになります。最大の恐怖は、その「誰にもわからない中国経済の規模と成長率」を前提に、世界中が設備投資を拡大し、その結果として世界的な過剰生産・過剰設備・過剰資源となってしまっていることです。

 それでも最近は中国もだいぶ「親切」になり、セクター毎の成長率(これも「実質」だけです)の前年との比較が発表されるようになり、個人消費が2017年の5.4%成長から2018年1~3月も同じ5.4%成長、固定資産形成(官民の投資)が同じく7.2%から7.5%、輸出が7.9%から14.1%、工業生産が6.6%から6.8%、不動産販売が7.7%から3.6%と、まちまちの動きとなっています。

 もともと中国経済は、固定資産形成(官民の投資)の占める割合が非常に高く(45%くらい)、常に政府のインフラ投資や民間の不動産投資が中国経済を支えていることになります。しかし今後は主に米国との経済摩擦や貸出金利の上昇による不動産投資の減速で(不動産投資はすでに大きく減速しています)、今後の中国経済の足を引っ張ることになりそうです。

 それでは本論に戻って、中国経済の本当の規模と成長率はどうなっているのかを考えてみましょう。中国GDPは物価変動を除いた「実質」しか発表されていませんが、当然にGDPとは実際の経済活動を実数(名目)でまず集計し、それを物価変動分(正確にはGDPデフレーター)で修正して「実質」を算出しているはずです。

 少なくとも中国に限らず世界の経済規模や需給関係は「名目」で比較する必要がありますが、中国GDPにおいてはこの「名目」が発表されず、したがってどれだけ物価変動で修正されているかもわからず、あらかじめ目標として決められている「実質」だけを見ても中国経済の本当の規模も成長率も問題点も「さっぱり」わからないことになります。

 米国なども「実質」しか発表していませんが、物価統計も充実しているため、米国経済の規模も成長率もわからないということはありません。

 中国経済は長年、中国共産党や中国政府の目標である「経済成長」が達成されていることになっているため、当然に「背伸び」をしているはずです。その辺は物価変動(GDPデフレーター)の方を操作して党や政府の「目標」にあわせているはずで、やはり中国経済の本当の規模も成長率もよくわからないままとなります。

 ところが最近になって、国際機関や研究機関が中国経済の「名目(本当の姿)」を推計するようになり、たまにそんな記事を目にすることがあります。

 例えば中国の2017年通年の実質成長率は6.9%だったはずですが、同年の消費者物価上昇率は前年比1.6%、生産者物価指数が同6.3%増でした。そして2017年通年の名目成長率は年率11.2%増の82兆7122億元となっていたそうで、現在の為替レートの1人民元=17.08円で換算すると1412兆円になります。

 単純計算ですが2017年の実質成長率は6.9%で、名目成長率が11.2%なら、調整に使った物価上昇率は4.3%だったことになり、いったい何の物価上昇率なのかがわかりません。

 また中国には31の省、直轄市、自治区がありますが、2017年10~12月期の名目成長率が、上海市、浙江省、重慶市、内モンゴル自治区など9地区でマイナスとなり、広東省、四川省など10地区では前年から10ポイント以上も下がっていたそうです。

 また中国全体の名目成長率は2017年7~9月期の前年同期比13.8%増から、10~12月期には同4.3%に急落していたようですが、中国全体の実質成長率はほぼ横ばいとなっています。

 つまり中国全体と各地区の成長率も、全く辻褄が合っていないことになります。2018年1~3月期も、そのうち名目成長率がどこからか出てくることを期待していますが、やはりいろいろな辻褄が合わないままのような気がします。

 つまり中国経済とは、かくも不思議で辻褄が合わないものでありながら、世界経済はその中国経済の成長を前提にしていることになります。


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■闇株的見方 » 経済 | 2018.04.19

したたかな中国の市場開放政策

2018年04月11日

したたかな中国の市場開放政策


 米中間の通商戦争が激しさを増す中、習近平国家主席は本日(4月10日)、中国内市場を外資にさらに解放する方針を示しました。具体的には中国で証券や保険、自動車製造などを営む場合に、外資の過半出資を認めるようです。

 また自動車などの関税を下げて輸入を拡大する方針も示し、あわせて米国との通商戦争を回避する方針のようです。

 これに加えて、あまり報道されていませんが、中国は人民元の対ドル相場をじりじりと上昇させており、本日の人民元相場は1ドル=6.28元台となっています。これは本年初めの1ドル=6.50元、2016年12月の1ドル=6.96元(これがここ数年の最元安)から明らかに元高政策に転換していることになります。

 ちなみに人民元の歴史的高値とは2014年1月の1ドル=6.03元で、そこから徐々に2016年11月まで人民元安としたため、逆に中国からの資金流出を加速させ(人民元は持っているだけで目減りすることになるから)、たびたびの上海市場の株価暴落と中国経済への不安が増大してしまいました。

 つまりトランプ政権の対中国(だけとは限りませんが)の通商戦争は、中国企業の米国進出についてはCFIUS(対米外国投資委員会)を通じて実質的にストップし、中国からの輸入品に高率関税をかけて輸入量を抑え込み(米国内の同業会社に代替させて米国景気を回復させるつもりのようです)、あわせてドル安として貿易収支を改善させようとしています。

 ここで中国は、今回の米国との通商戦争を「うまく」利用して、明らかに世界の投資資金を中国に集め、関税も引き下げて同時に人民元も高くして、世界中から製品や資源を割安で輸入して中国経済を成長させようとしていることになります。

 要するに米国(トランプ政権)と中国(習近平)の通商戦争対策は、すべてにおいてほぼ正反対であることになります。

 また米国を含む世界経済が平常時であれば、中国も今回のようにいっぺんに「金融市場などで外資に過半出資を認める」や「関税引き下げ」や「人民元の高め誘導」を行えば、中国経済に一時的ショックが走ることになり、なかなか踏み切れなかったはずです。

 しかし今回は、米国(トランプ政権)のほうから勝手に関税引き上げなど輸入制限を行い、さらにドル安政策にまで踏み切ってしまいました。

 さてこの状態で、まず米国と中国以外の国では、どちらの国に直接投資し、どちらの国で(金融などの)ビジネスを新たに始め、どちらの国に証券投資を行うでしょうか?

 さすがに世界中が米国への投資(直接投資も証券投資も)を止めて、中国に投資するようになるとは思いませんが、少なくとも米国への投資が減り、中国への投資が増えることは間違いありません。

 もちろん中国には政治リスクがあるため、直接投資でも証券投資でも「大きな障害」にはなりますが、ここで習近平国家主席が自ら市場開放や関税引き下げに言及し、その目的は対米摩擦の緩和のためであると発表すれば、何をするかわからないトランプよりはるかに「話のわかるトップ」であると思われるようになるかもしれません。

 為替市場だけを見ても、米国はドル安政策、中国は元高政策となるため、普通の投資家であれば米国への投資を減らして中国への投資を増やそうと考えるはずです。やや違った表現になりますが、中国はこの機会を利用して「人民元の国際化」も一気に進めてしまおうと考えているはずです。

 翻って日本はどうなっているのでしょう?米国の通商拡大法232条による鉄鋼製品に対する25%、アルミニウムに対する10%の関税は、今月初めから日本製品にも適用されていますが、政界にも産業界にも全く緊張感がありません。

 そして黒田総裁の2期目に入った日銀の基本政策も全く変わらず、2%の物価上昇目標を掲げたまま現行の金融緩和・量的緩和を維持し、仮に米国がさらなる「ドル安政策」に踏み切れば、さらに追加金融緩和を行い「さらなる円安政策」を強行してしまいそうです。

 日本政府はトランプ政権と面と向かって通商戦争に対峙できないのであれば、せめて効き目のよくわからなくなった金融緩和・量的緩和など「さっさと」やめてしまい、円高政策に切り変えるべきと考えます。

 そうすると日本の金融市場はさすがに中国の金融市場に比べれば進化しているため、中国ではなく日本に世界から投資資金が集まることになるはずです。資源も国際的政治力も乏しい日本は、少なくとも人民元より早く「円の国際化」を進め、「強い円」を武器に世界における存在感を発揮していかなければなりません。

 そこも中国に先行されるようであれば、どうしようもありません。


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■闇株的見方 » 経済 | 2018.04.11

もう蓋をしてしまうの? コインチェック事件の闇

2018年04月04日

もう蓋をしてしまうの? コインチェック事件の闇


 1月26日に、時価で580億円に相当する(顧客から預かっているはずの)仮想通貨NEMが社外に流出してしまった(要するに誰かに盗まれた)仮想通貨取引所あるいは販売所であるコインチェックを、本日(4月3日)の午後早く、マネックスグループが子会社化すると報じられています。

 マネックスグループ自体はお決まりの「本日の一部報道について」なるIRを出し、現時点で決定した事実はないと強調していますが、すべて金融当局も了解した(というより主導した)出来レースであるはずです。

 なぜマネックスだったのかというと、単にここまで仮想通貨ビジネスへの参入が遅れており、仮想通貨の既存ビジネスとバッティングすることなしに、コインチェックを中心に仮想通貨のビジネス展開ができるからだと思われます。

 マネックスグループのコインチェック買収の報道が飛び込んできた昼過ぎから、マネックスの株価が急上昇し、結局ストップ高(80円高)の424円となりました。少なくとも仮想通貨ビジネスの遅れは取り戻せるからです。

 しかしコインチェックの闇がどこまで解明され、世間に納得される説明がされたのかというと、全くそんなことはありません。

 そもそも2017年4月1日に施行された改正資金決済法により、すべての仮想通貨取引所あるいは販売所は金融庁の認可を受け、顧客資産の分別管理や顧客情報の適正な開示を義務付けられたはずですが、この580億円相当の仮想通貨が流出した時点でコインチェックはまだ金融庁に認可されていない「みなし取引所」でしかありませんでした。

 さすがに金融庁も「これはまずい」と考えたはずで、事件発覚の翌日である1月27日深夜にはコインチェック側に流出した580億円を時価換算した463億円を顧客口座に返金すると発表させ、1月29日には1回目の業務改善命令、2月2日には金融庁が立ち入り検査に着手していました。

 コインチェックは事件後に、すべての仮想通貨の取り引きを止め、現金を含むすべての顧客資産の払い出しを停止していましたが、2月13日には日本円のみの出金を再開し(現金は銀行で分別されていたはずなので何でここまで出金できなかったかは謎)、3月8日には金融庁が2回目の業務改善命令を出し、3月12日にはやっと約束していた仮想通貨NEMの返金を開始していました。

 580億円もの仮想通貨NEMが流出した直後から、多数のホワイトハッカーがその行方を追跡し、流出に関わったと思われる複数の口座を特定していましたが、時間とともに流出した仮想通貨が拡散してしまい、現時点ではほぼ全額が(NEMは値下がりしたものの)現金やビットコインなど流動性のある仮想通貨に交換されてしまっています。

 つまり流出当時580億円あった仮想通貨NEMは完全に消えてしまい、誰がどのように盗んでどう換金して逃げてしまったのか、あるいはコインチェックの社内外に協力者がいたのかまで含めて、(多少は解明されているはずですが)一切説明されることなく蓋がされてしまうことになります。

 つまり「真相解明」にも「再発防止」にも何の役にもたっていないことになります。

 また事件後のコインチェックは、手持ちのない仮想通貨を顧客に販売していたとか、一部の顧客にマネ-ロンダリングの疑いが強いとか、犯罪性資金決済に使われる闇ウェブ用の仮想通貨の取り扱いが多いなど、たくさんの新たな問題が出ていたはずですが、これらもすべて蓋がされてしまうことになります。

 つまりマネックスは、コインチェックのこういうたくさんの問題がすべて解決したとして(あるいは580億円の仮想通貨が消滅した以外には何の問題もなかったとして)、完全にクリーンになったとみなされるコインチェックを数十億円で買収することになります。

 またコインチェックの和田社長と大塚取締役は、さすがに新会社の経営陣からは外れるようですが大株主として新会社に参画するようで、一足早く創業者利得を得ることにもなります。またこう発表されている以上、この2人の刑事責任が追及されることはなく、本人たちが「真相」を仮に知っていたとしても、それらが明らかになることはありません。

 つまりコインチェック事件は、現段階で何一つ明らかになっていないにもかかわらず、ここですべてに蓋がされることになります。そして金融庁の責任が問われることも全くありません。


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■闇株的見方 » 経済 | 2018.04.04

トランプの強硬通商政策には「円高」で対抗すべき

2018年03月27日

トランプの強硬通商政策には「円高」で対抗すべき


 トランプ政権は3月22日、中国が米国の知的財産権を侵害しているとして、通商法第301条に基づき中国製品に対し500~600億ドルの巨額関税をかける制裁措置を発動し、翌23日には安全保障を理由に鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の高額関税を課す輸入制限も発動しました。

 米国は中国だけを狙い撃ちにしているように見えますが、鉄鋼やアルミニウムに対する高額関税を課す対象国には日本も含まれており、中国だけでなく全世界を相手に貿易・通商戦争を仕掛けていることになります。

 中国は当然のように報復措置を検討しており、差し当たっては米国最大の輸出品であり、その6割を中国が輸入している米国産大豆の輸入停止や、2017年12月末時点で1兆1800億ドル保有している米国債の売却なども示唆しています。

 日米間に限れば本格的な通商問題は、クリントン政権1期目の1993~4年以来ですが、その中で1995年4月19日には1ドル=79.75円と当時の最円高を記録しています。

 またムニューシン財務長官も貿易収支改善のためには「ドル安」も辞さないという「大変に危険な発言」をしており、もっとドル安・円高となる恐れがあります。

 さてこういう状態で日本はどうするべきなのでしょう?

 巷間では今後のドル安・円高に備えるため、追加金融緩和を行い「もっと円安」にすべきとの声もありますが、昨年11月あたりから「金融政策が緩和的である国の通貨が弱い」との常識が崩れており、量的緩和を継続しているはずの日本では円高となり、利上げが行われている米国ではドル安となっています。

 確かにまだ円高は日本株安材料ではありますが、従来よりも大きく反応しなくなっており、実際に1ドル=104円台に入った本日(3月26日)の日経平均は最終的に148円高となっています。

 しかしわざわざ「円高」にする必要もないだろう?あるいは実際に「円高」にするといってもどうするのか?などの疑問が出てくると思います。

 米国の通商政策における最大の敵である中国の人民元は、2014年1月に1ドル=6.03元の史上最高値を付けたあと下落に転じ2017年1月には1ドル=6.96元の安値となりました。その途中で2度ほど人民元ショックで世界の株価を下落させましたが、本日(3月26日)夕方には1ドル=6.28元まで上昇しています。

 中国政府もこのタイミングで米国から通商戦争を仕掛けられるとは思っていなかったはずですが、それでも2017年からの元高政策は変更していないことになります。

 日本の金融・為替政策も、円安にして一部の輸出企業を潤わせて株式市場だけを好調にするか、円高にして海外から見た日本の資産価値を上昇させて世界から投資資金を集めた方がいいのかは、ちょっと慎重に考えてみるべき時期に来ています。

 というより2017年の1年間で、海外投資家が日本の中長期国債を差し引き11兆円も買い越していました。10年国債でも利回りがほとんどゼロである日本国債を、海外投資家が高利回りや値上がり期待で購入したとも思えず、将来の円高狙いであったはずです。

 それでは日銀の金融政策はどうするべきなのでしょう?

 僭越ながら本誌の考えをご紹介しますと、まず政策金利(短期金利)のマイナス0.1%は撤廃し、ゼロに戻すべきです。もともと直近で368兆円もある日銀当座預金のうち20兆円ほどへの金利を象徴的にマイナス0.1%にしているだけで、残る200兆円以上にはいまだに0.1%の金利を支払っているため、そもそも「見せかけの」マイナス金利だからです。

 しかしこの見せかけのマイナス金利で日本中の資金需要が大きく落ち、貸出金利も平均で1.0%を大きく下回らせたことは事実で、銀行の収益も含めてプラスは何もなかったはずです。その代わりにまだ200兆円もの当座預金に支払っている0.1%の金利もゼロにすべきです。

 そうなると368兆円ある日銀の当座預金残高が不安定になり、保有国債のファイナンスも不安定になってしまうかもしれません。旧大蔵官僚は決して口に出しませんが、「異次元」量的緩和の本当の目的は国債を大量に買うことよりも、その原資を今のうちに銀行預金から吸い上げて(利息を支払って)将来にわたって固定しておくことだったはずなので、そういう意味では「簡単に賛成できない」かもしれません。

 さらにゼロ近辺に「釘付け」されている10年国債の利回りはどうするべきなのでしょう?ここはその目標利回りをわざわざ変動させて国債市場を混乱させる必要もありませんが、2月の全国消費者物価が生鮮食品を除いて前年同月比1.0%も上昇している中で、10年国債利回りがゼロというのも辻褄が合いません。それより物価上昇以上に(2019年10月には消費増税もあるため、それも加えた以上に)賃金を上げなければ消費が維持できませんが、それもなかなか難しいはずです。

 それだったら円高にして輸入物価を下げ、実質的な消費活動を維持させた方が「簡単」です。

 最後に金融政策の目標は5年間も「2%の物価上昇」としていますが、そもそも日本だけでなく世界的に潜在成長率もインフレ率も低下している中で、2%に据え置いても現実的ではありません。1%くらいでいいと思いますが、どうせなら国民に負担を押し付けるだけの物価上昇目標ではなく「円高目標」に代えてしまうべきです。

 少なくとも日本の金融資産に対する評価が急上昇し、世界中から資金流入が続き、日本はスイス並みの金融立国を目指すべきです。
 
 これらは決して「ふざけて」書いているわけではなく、本誌を書き始めて2度目の「真剣な提言」です。前回は2012年5月28、29、31日に「もっと日本の戦略的通貨戦略について考える」「同その2」「同その3」で、当時70円台だったドルを(国債を増発して)100億ドル買うべきと提言して以来となります。

 つい長くなってしまいました。


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■闇株的見方 » 経済 | 2018.03.27

FRBの利上げペースは速すぎないか?

2018年03月23日

FRBの利上げペースは速すぎないか?


 トランプ政権とケンブリッジ・アナリティカとフェイスブックの行方も大変に気になります。フェイスブックのザッカーバーグCEOも昨日(3月21日)になってようやく「過ちを認めた」ようですが明らかに「初動」を間違っており、このままで済むとは思えません。

 日々混乱が持ち上がるトランプ政権において、定員が7名あるFRB理事のうち4名も空席であるFRBが(グッドフレンド理事は指名されているものの、まだ上院で承認されていないため空席に入れてあります)、最もサプライズが少なく安心して見ていられるように思えます。

 そのFRBが3月21日にパウエル体制となって初めてのFOMCを開催し、投票権のある8名のメンバー(FRBの3名の理事とNYを含む5つの連銀総裁)が全員一致で0.25%の利上げを決めました。

 これで政策金利であるFF翌日物誘導金利が1.50~1.75%となります。それでもリーマンショック前の2007年8月までは上限が5.25%もあったため、まだ当時に比べれば低金利であるように思えます。

 ちなみにこの2007年8月といえば、欧州で世界最初のモーゲージ危機が持ち上がった時期で(BNPパリバ証券が傘下のモーゲージファンドの解約を凍結)、FRBは即座に利下げに踏み切りリーマンショックのあった2008年9月には上限を2.0%にまで引き下げていました。この「早すぎた利下げ」が世界金融危機をさらに膨らませたことになり、必ずしも迅速で正しい金融政策の変更が最善の結果をもたらすとは限りません。

 さらにFOMC後に最初の記者会見に臨んだパウエル議長は、景気見通しを緩やかに上方修正し2018年10~12月の経済成長を2.7%、2019年通年を2.4%に引き上げましたが、利上げペースは従来の年3回を維持しました。また2018年10~12月の消費者物価上昇率も1.9%と、長期目標の年2.0%に届かないと予想しています。

 つまりパウエル議長の最初の記者会見は「思ったほどタカ派的ではなかった」ことになり、米国10年国債利回りは2.83%と、前日の2.88%から下落しています。2月には大型減税、歳出上限引き上げ、時間当たり賃金の上昇などが重なり10年国債利回りが2.95%まで上昇し、米国株もかなり下落していましたが早くも「気にしなくなっている」ようです。

 当日のNYダウは前日比44ドル安の24682ドルとなり、史上最高値となった1月26日の26616ドルからの「スピード調整」が進んでいるようです。

 またパウエル議長が「思ったほどタカ派的ではなかった」ため、本日の東京市場では夜間に入って1ドル=105.26円まで円高となっています。

 まさにトランプ政権の中で「最もサプライズが少ないFRB(FOMC)」となったわけですが、仮に本年は年3回(つまりあと2回)の利上げがあるなら、本年(2018年)末の政策金利は2.0~2.25%となります。さらにFRBの今回の予想では経済成長率は2.7%、消費者物価上昇率は1.9%となっています。

 これくらいならまだ問題がなさそうですが、仮に2019年も予想通り年3回の利上げとなれば年末には政策金利が2.75~3.0%となり、2019年の経済成長率予想の2.4%を上回ってしまいます。また2019年通年の消費者物価上昇率の予想がありませんが、仮に2018年と同じ1.9%だとすれば、これも物価上昇率より政策金利の方が高くなってしまいます。

 トランプ政権が財政赤字拡大、保護貿易、ドル安政策を続けて「悪い金利上昇」となり、利上げ回数を増やして対応しなければならない可能性は確かにあります。

 さらに市場では2018年、2019年の利上げ回数が年3回からさらに増加し、利上げペースがさらに加速する可能性もあります。これは前述の「悪い金利上昇」を想定しているわけではなく、あくまでも米国経済の一層の加速を予想している結果です。

 つまりFRBの金融政策は、どう考えても「必要以上の利上げ」を想定しているように思えます。トランプ政権による財政赤字拡大やドル安政策による「悪い物価上昇」や「悪い金利上昇」も懸念しなければなりませんが、その前に米国経済の利上げペースが速すぎて「失速」してしまうと、もっと困ったことになってしまいます。

 現在の米国経済は(世界経済はすべて同じですが)リーマンショック前の2007年当時から潜在成長率が大きく落ち込んでおり、その当時の政策金利や長期金利が5%台だったことと比較することは、全く意味がないと考えておくべきです。


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■闇株的見方 » 経済 | 2018.03.23
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