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Amazon Goは日本のコンビニにとって大きな脅威となる!

2018年01月24日

Amazon Goは日本のコンビニにとって大きな脅威となる!


 アマゾンは本日(米国時間1月22日)、シアトルにある本社ビルの一階にレジ精算不要の実店舗「Amazon Go」を一般向けに開業しました。

 画像認識など先端技術を駆使し、棚から取られた商品は自動認識され、棚に戻された商品も同じように自動認識され、顧客が店から出た瞬間に精算(クレジットカード決済)が完了します。

 つまりレジの精算作業を効率化するのではなく、レジ業務そのものを無くしてしまうことになります。アマゾンのメリットは省力化によるコスト引き下げ(顧客に対しても価格引き下げ)だけではなく、買い物中の顧客の行動をすべて画像で記録して得る膨大なデータを、その後のマーケティング分析や商品開発に活かすことができます。

 アマゾンはこのAmazon Goをどれほどのスピードで全米展開するのか、日本を含む海外展開はどうするのかをまだ一切公表していませんが、表題にあるように(何年かはかかるはずですが)日本の小売業界とくにコンビニ業界にとって間違いなく大きな脅威となります。

 日本のコンビニとは、日本の小売業界において唯一の成長産業であるだけでなく、数少ない日本発のビジネスモデルとして米国(注)やアジア諸国に「輸出」されています。

(注)セブン・イレブンがお手本とした米国セブン・イレブンは経営破綻し、1991年にセブン・イレブン・ジャパンが子会社化して米国で約8600店舗を運営しています。

 ところが日本フランチャイズチェーン協会が発表したばかりの2017年通年のコンビニ全体の既存店売り上げは、前年比0.3%減の9兆4783億円となり、店舗数が3.2%増えている全店売り上げもわずか1.8%増の10兆6975億円と、成長を止めています。

 本誌の考えすぎかもしれませんが、最大手のセブン・イレブンを育てた鈴木敏文CEO(当時)が追放された2016年4月以降、セブン・イレブン(ジャパン)のサービスの質が大幅に低下したように感じます。

 カリスマ経営者が追放されて、サラリーマン経営者が「可もなし不可もなし」の経営に終始すれば、その結果も凡庸なものでしかなくなります。日本におけるコンプライアンス重視の風潮の大きな弊害です。

 コンビニのサービスが多様化していることもありますが、とりわけレジにおけるサービス低下が目立ちます。夜間などはレジに外国人店員が一人だけということも多く、時間に限らずレジで待たされる羽目になります。ファミリーマ―トやローソンも似たり寄ったりです。

 コンビニとは「近くにあり便利で24時間営業なので、値段が少し高くてもつい何度も行ってしまう」ところなので、そのコンビニでレジなどサービスが低下すれば(最近は欠品も目立ちます)、その存在価値が無くなってしまいます。

 現在の日本のコンビニは、まさに「その状態に陥る」ギリギリのタイミングであるはずで、Amazon Goなどは日本のコンビニが真っ先に取り組まなければならないものだったはずです。レジ対応は、どのコンビニでも「研究」はしているようですが、大胆な発想など出てきそうもありません。

 さらに日本のビジネスモデルが「輸出」されたはずの中国のコンビニでも、最近になって上海などで「無人コンビニ」が急激に増え、それなりに成功しているようです。

 話を戻しますが、Amazon Goがすぐに日本に上陸して既存のコンビニと競合することになるとは思っていません。またAmazon Goの高度な画像解析システムの開発や運営は、かなりコストがかかるはずで、少なくとも当初の何年間はコストアップ要因になるかもしれません。

 しかしアマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、もっと先を見据えているはずで、スタートしたものは徹底的に進めるはずです。途中でいくらコストが嵩んでも(かさんでも)、目指す方向の消費スタイルが定着するまで何年かけても突き進む経営者のはずです。

 それに対して喫緊(きっきん)のテーマであるはずのレジ対応にも、何の改善も加えられないのであれば、数少ない日本発の成長産業だったコンビニも、「店舗がやたら多くて夜中も開いている以外に何の特徴もない小売業」になってしまいます。

 表題の「大きな脅威」とは、単にレジがなくなるかどうかではなく、日本と米国の代表的小売事業会社に今後も大きな差がついてしまいそうであるという意味です。


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■闇株的見方 » 社会 | 2018.01.24

金正恩の亡命予定先とされるスヴァールバル諸島とは?

2017年12月28日

金正恩の亡命予定先とされるスヴァールバル諸島とは?


 本年最後の話題としてはマニアックすぎるかもしれませんが、現時点において日本に最も深刻なリスクは金正恩(北朝鮮問題)であるため、それに関連する話題にしました。

 そもそも金正恩は、原爆(あるいは水爆)を弾頭に搭載した長距離ミサイル(ICBM)を米国本土まで飛ばせるようになるまでは、核・ミサイル開発や実験を「絶対に」やめないはずです。

 イラクのフセインやリビアのカダフィが核・ミサイルを開発できていなかったため、結局は殺害されたとの「恐怖心」が金正恩にはあるからです。

 一方でトランプ大統領が「この時点で」北朝鮮に軍事攻撃を加える可能性もほとんどないと考えます。トランプにとって軍事攻撃は軍需産業を潤わせ国内での支持率を回復させる最後の「切り札」ですが、大型減税を含む税制改革法案を通過させたばかりで、中間選挙も2018年11月であるため「ここで切るべきカード」ではないからです。

 しかし金正恩も「万が一」に備えて亡命先はすでに確保しているようです。この「万が一」には米軍の攻撃だけでなく、北朝鮮におけるクーデターの可能性も排除できません。

 その金正恩の(あるいは金一族の)亡命予定先とされる場所がスヴァールバル諸島です。ほとんどの方が聞いたことがないはずですが、北極海の北緯74~81度に分布している群島で、唯一人が住んでいる(3000人弱ですが)スピッツベルゲン島の名前は聞かれたことがあると思います。

 ワールドカップ・サッカーに初出場するアイスランドが北緯66度なので、それよりはるかに北にあります。それではそんな「最果ての地」をどうして金正恩が亡命予定先としたのでしょう?

 まずスヴァールバル諸島はノルウェー領ですが、第一次世界大戦後のパリ講和条約で1920年に締結されたスヴァールバル条約がノルウェーの法律に優先しています。そのスヴァールバル条約の加盟国は40か国ほどで、日本も当初から加盟しています。日本は第一次世界大戦では戦勝国だからです。

 具体的には、スヴァールバル条約の加盟国の国民は、誰でも(日本人でも)このスヴァールバル諸島に自由にいつまでも居住して経済活動を行うことができ、また一切の軍事活動が禁じられています。

 つまりスヴァールバル条約の加盟国の国民は、いつでもいつまでもスヴァールバル諸島に居住して経済活動することができ、また軍事攻撃されることが一切ないことになります。

 そして何と昨年(2016年)、北朝鮮がこのスヴァールバル条約に加盟しています。つまり加盟国の国民(そう呼ぶかどうかはわかりませんが)である金正恩は、いつでもいつまでもスヴァールバル諸島に居住し、どんな経済活動もできることになり(例えばニセ札の印刷とか)、しかもどの国からも軍事攻撃を受けることがありません。

 さらにスヴァールバル諸島の経済活動で得た利益に対する税金は、ノルウェーは徴収できず、スヴァールバル諸島の中だけで使うことになっています。実質的にはわずかな寄付をすれば、ほとんど無税となるはずです。

 またもちろんスヴァールバル諸島から、世界中に張り巡らせたトンネル会社に指示することもできます。またすでにスヴァールバル諸島では、金正恩が居住するとされる大豪邸が建てられているようです。

 まさに金正恩とすれば、寒いことと辺鄙であることさえ我慢すれば、平和の楽園となります。

 それではこれは金正恩が自分で探し出したのでしょうか?ほぼ間違いなくロシアの入れ知恵です。だいたい「万が一」のときに金正恩を安全にスヴァールバル諸島に運ぶためには、ロシアの協力が絶対に必要となります。

 第二次世界大戦後に、モスクワに匿っていた33歳の若造(金日成)を抗日パルチザンの英雄であることにして傀儡国家(北朝鮮)を建国させたのがソビエト連邦(当時)であることを忘れてはなりません。

 本年はこれが最後の更新となります。本年も闇株新聞を読んで頂き、本当にありがとうございました。来年も宜しくお願い申し上げます。


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■闇株的見方 » 社会 | 2017.12.28

トランプは大丈夫なのか?

2017年12月14日

トランプは大丈夫なのか?


 本日(12月12日)投票されたアラバマ州の上院補欠選挙は、与党・共和党のムーア候補が民主党のジョーンズ候補に僅差で敗れました。アラバマ州はもともと保守的で共和党が強い州ですが、そこで与党・共和党の候補が敗れたわけです。

 ただ両者の得票率の差が1.5%ほどであるため、ムーア陣営はまだ敗北宣言を出していません。しかしムーア候補の過去のわいせつ行為疑惑(40年前のものもあります)が突然に出てきた影響が大きかったようです。偶然ではなかったはずです。

 また共和党内部もムーア候補で一本化していたわけでもありませんが、この結果はトランプ政権にとって「原爆級」のダメージとなるはずです。

 トランプ大統領は12月6日に「イスラエルの首都はエルサレム」「米国大使館をエルサレムに移す」と突然に発表しましたが、イスラエルとユダヤ人が喜ぶだけでパレスチナや中東全域に新たな混乱を呼ぶことになり、どう考えてもデメリットの方が大きいはずです。

 もともと傍若無人の言動が多いトランプ大統領ですが、今回の言動に至った背景はほとんど理解不能となりますが、現地のコメントの中に「アラバマ州の上院議員補選に勝つため」というものがありました。

 アラバマ州にユダヤ人が多いわけではありませんが、もともとムーア候補はトランプ本人ではなく8月にホワイトハウスを放逐されたスティーブ・バノンが推していた候補で、「イスラエルの首都はエルサレム」「米国大使館をエルサレムに移す」はもともと超保守派のバノンが主張していたものです。

 単なる「こじつけ」かもしれませんが、トランプはそうまでしてでもアラバマ州の上院補欠選挙に勝つ必要があったことも間違いではありません。

 補選前でも上院は、与党・共和党が52名、民主党が48名と接近しており、それでトランプ政権は上院の承認が必要なポストの選任が絶望的に遅れています。とくにトランプ政権発足後はじめての重要法案である大型減税を含む税制改革案を何が何でも通過させるためにも、ここで共和党が1議席を取るか失うかで天国と地獄の違いがあります。

 この税制改革案は上院案と下院案が違ったまま別々に承認させ(それでも上院は1名造反したため51:49でした)、そこから上下両院協議会ですり合わせて1本化し改めて上下院で採決する必要があります。株式市場ではもう承認されるものと楽観視していますが、これで何が何でも年内に成立させる必要が出てきました。当選したジョーンズ上院議員は来年1月3日からスタートするからです。

 ところでこのアラバマ州上院補選は、トランプ政権の司法長官となったため本年2月8日に辞任したジェフ・セッションズ上院議員の「後任」を選ぶものでした。ところがセッションズ上院議員の辞任から現在に至るまで上院の採決結果は、先日の税制改革案の51:49など、すべて合計が100となっています。

 セッションズ司法長官が採決の時だけ上院議員に戻っていたわけではありません。これは「後任」が決まるまでアラバマ州知事が指名する(上院以外の)議員が採決に加わっていたため、合計が100となっていました。

 数日前には民主党でもフランケン上院議員(ミネソタ州選出)が、やはりセクハラ疑惑で辞任に追い込まれていますが、これも同じでミネソタ州知事が指名する議員が採決に加わることになります。

 細かいところですが、アラバマ州知事が共和党でミネソタ州知事が民主党なので問題はなかったはずですが、もしそれが逆だったらどうするのかはわかりません。

 話を戻しますが、上院は来年早々から与党・共和党が51名、民主党が49名となってしまいます。上院は採決が同数となった時だけ憲法上の上院議長であるペンス副大統領が採決に加わりますが、税制改革案、12月22日まで暫定予算である2018会計年度予算、それに延期している債務上限引き上げなど、すべて年内に通過させなければなりません。

 来年早々に民主党のジョーンズ上院議員が加わると、トランプ政権の行政能力がさらに低下してしまうことになり、冗談ではなく「トランプは大丈夫なのか?」となってしまいます。


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■闇株的見方 » 社会 | 2017.12.14

最高裁判所がNHKの受信料制度を合憲と認めたことで感じる「恐怖」

2017年12月08日

最高裁判所がNHKの受信料制度を合憲と認めたことで感じる「恐怖」


 年に1回くらいしか見ない最高裁判所の大法廷は昨日(12月6日)、NHKの受信料支払いは「法律上の義務」であり、例えばテレビを設置した瞬間から支払い義務が発生するなどの合憲判断を下しました。

 まあ最初から公共放送とされるNHKにとって不利な判決など出るはずがありませんでしたが、退官間際の寺田逸郎長官をはじめ日本の法曹界を代表する(はずの)15名の最高裁判事による「良識」が、そう判断したわけです。

 こういう時でなければ見ることもありませんがNHKの平成28年度決算は、7016億円の事業収入のうち6758億円がその受信料収入となっています。しかし事業支出には589億円の契約収納費が計上されています。

 NHKの事業収入の大半が受信料収入なので、この契約収納費とは受信料の徴取に係るコストであるはずです。つまりNHKは受信料を支払わない視聴者を朝から晩までサラ金の取り立て並みに追い回すために589億円ものコストを支払っていることになります。

 また事業支出には3210億円の国内放送費と248億円の国際放送費が計上されており、その内訳が不明ですが「世界一潤沢な番組制作費」をかけて「国民のためになる公共番組」を制作していることになっています。

 さらに事業支出には、1174億円の給与や617億円の退職手当・厚生費が含まれており、一般会社の営業利益に相当する事業収支差金は80億円しかありません。

 ここでNHKに限らず放送各社は、本来は国の(正確には国民の)財産である電波を独占的に使用するため「電波使用料」を支払っていますが、その金額は2015年でNHKが21億円、民放各社が4~5億円でしかありません。

 わかりやすく言えばNHKは、本来は国民のものである電波をわずか21億円で借り入れ、その国民から6758億円の受信料を589億円のコストをかけて徴取し、合計1791億円を人件費・退職手当・厚生費に使っていることになります。

 まあいまさらどうこう言っても無駄ですが、そんなNHKの受信料を法曹界の良識であるはずの最高裁判所が合憲判断したことになります。

 電波使用料はもちろん携帯電話各社も支払っていますが、2015年はドコモが201億円、KDDIが131億円、ソフトバンクが165億円しか支払っていません。それに対して携帯電話各社の2016年度の営業利益を単純に抜き出せば、ドコモが9447億円、KDDIが9129億円、ソフトバンクが1兆259億円となっています。

 つまり国民のものであるはずの電波で大儲けしている度合いは、携帯電話大手会社の方がはるかに「えげつない」ことになります。

 実は本日はここまでが前置きで、ここからが本題です。

 米国携帯電話における電波は基本的に8年をこえない期間の入札で売り出されており、2015年1月入札分は総額5兆円をこえていました。また米国ではケーブル・テレビ会社の存在が大きく、すでに米国では携帯を含む通信インフラ会社と放送・映画などを含むメディア企業の再編が進んでいます。

 ここで11月28日付け「ネットの中立性とは?」で書いたように、トランプ政権では通信インフラ会社が、ネットフリックスやフェイスブックやグーグルなど「通信インフラにタダ乗りして大儲けしている企業」へのサービス提供を「制限する」ことが認められるはずです。

 そうなるとケーブル・テレビや携帯電話などの通信インフラ企業と、放送や映画などのコンテンツ企業を巻き込んだメディアの「大型再編」がさらに進むことになるはずです。

 また直近ではグーグルがアマゾン製品に対してユーチューブ閲覧を遮断するとも伝えられており、「大型再編」の輪がさらに拡大しそうな気がします。

 そんな中でNHKの受信料を最高裁判所が合憲判断している日本は、すでに数周遅れである現状から、さらにはてしなく引き離される「恐怖」を感じてしまいます。

 NHKに限らず規制に守られている日本の通信・メディア企業では、健全な競争による成長など期待できるはずがないからです。


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■闇株的見方 » 社会 | 2017.12.08

トランプがイスラエル大使館をエルサレムに移す「理由」とは?

2017年12月07日

トランプがイスラエル大使館をエルサレムに移す「理由」とは?


 昨日(12月6日)付けで書くつもりだった話題ですが、直前情報では延期するとの予想が多かったため、結局は見送って(代替の話題もなかったため)お休みしてしまいました。

 ところが一夜明けると、トランプはエルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館もエルサレムに移転させると表明していました。現地時間6日にも実行を命じる大統領令に署名するようです。

 そして世界中が「中東和平に暗雲」と報じています。最近はどんな悪材料があっても上昇していた日経平均も急落し、445円安の22177円で終わりました。意外ですが本年最大の下げ幅となります。

 そこで米国がエルサレムをイスラエルの首都と認め、米国大使館をエルサレムに移転すると、どれくらい「中東和平に暗雲」となるのでしょう?

 イスラエルは1948年5月14日に独立宣言したユダヤ人国家ですが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があるエルサレムだけは、国際統治にすると取り決められていました。

 ところが1948~49年の第1次中東戦争で、イスラエルはさらにパレスチナ人居住地を領土に加えたため大量のパレスチナ難民が発生し、エルサレムの西半分も実効支配していました。さらに1967年の第三次中東戦争でエルサレムの東半分まで実効支配し、現在に至ります。

 厳密にいえばパレスチナ人=アラブ人とは言い切れませんが、ほとんどがイスラム教徒であるため、そうでなくても不安定なイスラエルと中東諸国の関係に「わざわざ」火をつけたようなものです。

 イスラエルは(東西統一した)エルサレムを「不可分の永遠の首都」と主張し、パレスチナ自治政府も東エルサレムを「将来の独立国家の首都」と位置付けており、国際社会は長くこの問題への関与を避けてきました。

 したがって(東西統一した)エルサレムをイスラエルの首都と正式に認める国はなく、各国大使館もエルサレムではなくテルアビブに置いたまま現在に至ります。

 確かにトランプは大統領選中から「イスラエル大使館をエルサレムに移転する」と公約に掲げていましたが、これはユダヤ人に対する選挙期間中だけのリップ・サービスと考えられており、大統領就任後はほとんど忘れられていました。

 米国議会は1995年にイスラエル大使館の移転を求める法律を制定していましたが、そこからクリントン(夫)、ブッシュ(息子)、オバマの各大統領は、その実施を半年毎の大統領令で延期してきました。

 その時期は毎年6月、12月上旬で、トランプ大統領も本年6月には延期しています。そして今回(つまり12月上旬)も、直前まで延期されると考えられていました。

 それが文字通り「突然に」大きく方向転換したことになります。1995年に議会が承認しているため、大統領権限だけで「実施」できることになります。

 大統領就任後のトランプは、5月のサウジアラビアなどへの最初の外遊ではイスラエルも訪問し、ユダヤ教の聖地である「嘆きの壁」に現職米大統領として初めて訪問し、キッパ(黒い小さな丸帽子)を被って祈りをささげていました。
 
 娘婿のクシュナー上級顧問は正統派ユダヤ教徒で、妻のイバンカ(トランプの娘)もユダヤ教徒に改宗していますが、もともとトランプはユダヤ人に「近い」大統領となります。

 当然のようにエルサレムをイスラエルの首都と公式に認めることも、大使館をエルサレムに移転させることも、中東諸国(イスラム諸国)が容認できるはずがありません。また中東からの難民に悩まされている欧州諸国にとっても無関心ではいられません。

 大統領選におけるトランプへの最大献金者は、超保守派のロバート・マーサー、世界最大級の非上場企業を率いるコーク兄弟、カジノのシェルドン・アデルソンですが、マーサーがトランプ政権に送り込んだスティーブ・バノン(8月に解任)も「米国大使館をエルサレムに移す」と主張しており、アデルソンは(ユダヤ人をイスラエルに再集結させようと考える)シオニストの中心人物です。

 つまりトランプ大統領は中東和平より、最大献金者との「約束」を重視したことになります。つまりトランプとは、その傍若無人の言動とは裏腹に、「その意向を重視しなければならない相手」がかなりいることになります。

 歴代大統領も多かれ少なかれ同じでしたが、トランプはもっとそれが極端であると考えなければなりません。大規模減税ももちろんそこから来ており、中東和平だけでなく本来はトランプ支持者だった中間層以下の白人も切り捨てられていくことになりそうです。



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■闇株的見方 » 社会 | 2017.12.07
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