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いよいよ、幻冬舎MBOの最終日

2010年12月28日

いよいよ、幻冬舎MBOの最終日

幻冬舎のTOBが、いよいよ本日(12月28日)最終日を迎えます。
12月13日に条件変更があり、最低取得株数を議決権の半分の13,725株にまで下げ、価格を248,300円に引き上げました。しかし幻冬舎の株価は12月27日引け値も269,900円で依然としてTOB価格を上回っています。

12月24日にイザベル側が、保有株が9807株になったという大量保有報告の変更届けを提出しました。これで議決権の35.8%になり、株主総会で定款変更等の特別決議に対する拒否権を得たことになります。全株を市場で取得しているのでTOBの必要もありませんでした。

しかし、依然として信用取引による取得で、このままでは議決権もなくTOBにも応募できません。しかし、どうも現物で300株だけは取得しているようで、これは株主総会の株主提案に必要な株数です。(議決権の1%以上、もしくは300個以上。しかし、半年以上保有している必要があります)
イザベル側の取得コストは、1株当たり231,235円のようです。

これらを材料に展開を占ってみましょう。

まず、イザベル側がTOBに応ずることはないと思われます。物理的にも12月28日までに現引きをしておく必要があるため、技術的には不可能でないかもしれませんが、まず考えられません。

そして、ここのところ株価を上昇させるような買い注文を入れているようです。これはTOBの応募を少なくして、出来れば不成立に持ちこんでしまおうとする意図があると思われます。しかし12月28日までにTOBに応募するためには、当然受け渡しが完了していなければならないのですが、12月24日以降に買い付けたものは間に合いません。従って、最初からTOBに応募するつもりはないのだと思われます。

しかし、よく見ていると、こういった買い注文を入れている割には、思ったほど株価が上に行かないというのが正直な実感です。
あと1日あり、多分12月28日の引け値は300,000円くらいにしてくると思います。これは一般株主が機関投資家であれば、明らかに高く売れる機会を無視し、安値のTOBに応じた、として問題になるからですが、実は、機関投資家が真っ先に最初のTOB価格である220,000円近辺で売ってしまっているようなので、残った個人株主が気にしなければ問題ありません。一旦応募したTOBは、引っ込められるのですが、そこまでして市場で売る人も、最近の動きをみる限りいないようです。

幻冬舎側(正確にはTOBを行う創業者で代表取締役の会社)はどうでしょう。

まず、TOBが不成立になる可能性も少ないけどあります。議決権の半数を最低取得株数としているのに、イザベル側が議決権の35%も持っているため(信用取引でも売り手は売却したことになるため)議決権の15%程度(4000株ほど)が応募しないと不成立になります。しかし、最近の値動きを見る限り、態度未決定の株主がそんなに残っている可能性は低いと思います。

しかし、不成立になると株価は下落します。別に根拠はないのですが、最近の値動きを見ていてそう思います。

多分、過半数を上回る株数が応募して成立するすると思います。しかし、定款変更は当然否決されるため、残りの株を強制的に取得する方法がありません。
従って、イザベルという大株主を抱えたまま、上場を維持することになるのですが、上位10株主の持ち分が80%を超えるため、上場廃止基準に引っかかります。

従って、成立しても株価は下がるような気がします。

この場合、当然イザベル側は買い増しに動くでしょうが、TOB期間中という非常に制約の多い期間が終わった幻冬舎側には、いろんな選択肢が出てきます。まず、最低過半数の議決権は取れているため、いわゆる乗っ取られる危険性はありません。
例えば、8650株ある自己株を売り出して、友好株主を増やすのもよいでしょう。差し止めは半年以上保有の株主しかできないため、イザベル側は差し止めできません。(こうすれば、上場維持のための浮動株基準もクリアーできます)

最大のポイントは、非常に制約の多いTOB期間が終われば、幻冬舎側が自由に動けるため、かなり有利になることです。逆にイザベル側とすれば、幻冬舎側が動けないTOB期間中に、再度の価格引き上げ等を引き出せるほど、攻撃できなかったということです。

基本的には勝負あったと思っています。意図したかどうかはともかく、幻冬舎の粘り勝ちです。イザベル側としては、TOBに応ずる選択肢しかないような気がします。(当日に現引きしてTOBに応募する事が可能なのかどうか分かりませんが)

噂によると、イザベル側から幻冬舎側にアプローチがあったようです。もし本当だとしたら、身元や手の内をさらしてしまった、最大の墓穴だったと思います。見えない敵が一番怖いのです。

まあ、あと1日なので見物しましょう。

平成22年12月28日

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■闇株的見方 » 株式 | 2010.12.28
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空売りしたら新株取得の禁止

2010年12月27日

空売りしたら新株取得の禁止

 平成22年12月24日に、金融庁は、金融分野の「新成長戦略」の最終案を発表し、公募増資に関連した不公正な取引を防ぐため、増資発表後に空売りをした投資家による新株取得の禁止などを盛り込んだようです。

 これは本誌11月29日の「東京証券取所の奇妙な発表」で取り上げた内容と同じものですが、そもそもこの「新成長戦略」というものは、民主党政権の「元気な日本」復活のために平成22年6月18日に閣議決定された「エネルギー戦略」や「アジア経済戦略」など7つの重要戦略から成り立っているものです。そのうちの1つである「金融戦略」の具体案として発表されたものです。

 つまり、民主党政権の掲げる「元気な日本」復活のための7つの重要戦略の1つの「金融戦略」として、さぞかし有意義な戦略が示されると思いきや、どう読んでみてもこの「増資発表後に空売りをした投資家による新株取得の禁止」と「証券・金融・商品を一体的に取り扱う総合取引所構想」の二つしか書かれていません。

 金融分野では、この二つが「元気な日本」復活のために最重要ということのようです。まあ、私でなくても奇妙に感じられる読者は多いと思いますが、一応コメントしておきましょう。

 「総合取引所」のほうですが、先進国を見てみても証券取引所、商品取引所、デリバティブ取引所などは別個に存在していることが多く、それぞれが特色を生かして競争を行い、活発な取引を行っています。別にわざわざ統合しなくても、それぞれが魅力ある取引機会を提供するように努力すればよいだけのことです。たぶん、商品取引所の管轄が農水省と経済産業省なので、金融庁が一元管理したいと言うだけのことだと思います。
 それよりも、税制の統一とか、証拠金の一元管理とか、24時間取引とか、投資家の利便を図ることの方がはるかに大事だと思います。

 もうひとつの、「増資発表後に空売りした投資案による新株取得の禁止」ですが、本誌11月29日に問題点を色々書いておきましたが、もう一度重要な点を繰り返しておきます。

まず、根本的には「増資は株価を下げるので好ましくない」だから「株価が下がらない増資をしなさい」と言うふうに聞こえます。増資をするかどうかや、その結果株価がどうなるかは、上場している企業の問題で、金融庁や取引所が口をはさむものではありません。

現在の公募増資で一番の問題は、日本の投資家が海外の投資家(一般的にヘッジファンド)に比べて著しく不利に置かれている点です。海外の投資家のみに「事前需要調査」が認められています。さらに海外の投資家は、借株をして売却するので、これは「空売り」に当たりません。つまり、今回のルールによっても海外の投資家は一切規制されません。つまり、株価が下がる根本の理由である海外投資家(要するにヘッジファンド)の行動は一切影響を受けません。

もっと大事なことは、「以前から増資をする会社の株主で、増資後も株主である」投資家と、「以前から増資をする会社の株主でも何でもなく、増資後も株主でもなく、ただ一瞬の値ザヤ稼ぎだけする」の投資家の区別が全くされていません。

例えば、国内の株主で、さらに増資を引き受けたいが手持ちの株の値下がりは回避したい投資家は、今回「空売り」ができなくなるため、みすみす評価損を被ってしまうことになります。
これは、今まで株主でも何でもないヘッジファンドが、借株を売却して(「空売り」ではありません)値下がりした価格で増資を引き受けて借株を返却して値ザヤだけ稼いでいるのと比べて、明らかに不公平です。(ヘッジファンドは、その後も株主でも何でもありません)

確かに今回のルールは、海外にもあるので、これ自体をおかしいというつもりはありません。しかし、増資に関してもっと改善すべきところを全く無視しており、全く片手落ちと言え、これで問題が解決するとはとても思えません。

もう一度繰り返しますが、これが民主党の「新成長戦略」の1つの「金融戦略」だということは、どう考えても違和感が残ります。

平成22年12月27日

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