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幻冬舎のTOBとセイクレストの割当増資の結果

2010年12月30日

幻冬舎のTOBとセイクレストの割当増資の結果

本年の最終記事です。年末に当たっていろいろ書こうと思ったのですが、少し正月休みにインプットしてからにすることにしました。こうやって毎日書いていると、自分の勉強不足で誤魔化してしまったところが少なからずあるからです。

ちょうど幻冬舎のTOB成立のニュースが出ていました。大方の予想通り、議決権の58.1%が応募したようです。ただし、イザベル側も議決権の35.7%を保有したままなので、当初の予定通りに全株取得のための定款変更ができず、正体不明の大株主を抱えたままで上場を続けることになり、第2幕に移ることになります。
ただ、そうなるとサッポロビールとかアデランス(現社名ユニヘアー)などのような不毛の消耗戦が続くことになるのですが、ここまで来ると幻冬舎の方が打つ手が多く有利で、イザベル側は最終的には撤退を余儀なくされると思います。

ただ本件は、幻冬舎の内容に比べてあまりにも株価が安かったために起こった問題であるものの、ひと騒動があっても株価水準も劇的に訂正されたわけでもなく、結果的に日本の株式市場の閉塞感が改めて確認できたことになります。いろいろあっても最終的には、数少ない優良企業とも言える幻冬舎が株式市場から自ら退場することになると思われます。イザベルの行動も、もしこれが日本以外の株式市場なら100%勝っていたと思います。
一体、日本の株式市場って何なのだろうって思ってしまいます。

もうひとつ、先週末にセイクレスト(ジャスダック上場。コード8900)の株主割当の有償増資の結果も発表になっていました。
これは、本誌12月16日付けの「セイクレストの不思議な増資」で書きました増資の結果です。予定通り全ての株主が割り当て分を払い込めば1700万株くらいの新株が発行されていたところ、700万株くらいの発行に終わりました。

ただ、この増資は、発表直後から全額払い込まれたと仮定した権利落価格で取引されていました。払い込み価格が当時の時価よりかなり安い60円だったからです。しかし予定の41%程しか払い込まれなかったため、多分明日から権利落ちを修正し直して取引が始まります。

計算方法は、本日の引け値が75円なので、これを1株につき2株を60円で割り当てる計算の権利落ちをしていたので、元へ戻すと105円となります。これを新たに60円で1株につき0.82株(2株の41%)を割り当てる権利落ち価格を計算すると大体85円ていどになります。結果的に最近株価が下がっていたので、修正値もそれほど上がらないのですが、それでも今まで取引されていた株価は何だったのだろうと思います。

明日から、新株も売却できるようなので、スタートの気配値が10円ほど高くなるのですが、実際は大量の売りものが出ると思われるので、いずれにしても払い込み価格の60円くらいになると思います。

このような増資も、株主のみに公平に割り当てるから問題が少ない、と取引所等がむしろ推奨しているようでもあるのですが、やはり不思議な増資です。あまりにも株主を公正に扱わなければならないと行動するので、こんなへんてこな増資になってしまうのです。これも株式市場の閉塞感の現れだと思います。


ご挨拶
本年11月から毎日書き始めてから2か月経ちました。
私は長いこと日本と海外の金融市場に関わってきましたが、日本の株式市場を含むすべての金融市場は非常に問題だらけなのです。しかも一般的に知られていない「とんでもない話」も非常に多いのです。それらを出来るだけ分かりやすく解説しようと「闇株新聞」を書き始めました。名前は怪しいのですが、中身は非常にまじめに書いているつもりです。

書いている記事は、株式市場ですぐに儲かる銘柄を探すのには、役立たないように見えるものもあると思いますが、すべて株式市場を含むすべての金融市場で儲けるために、負けないために、頭に入れておいて頂きたいことばかりを書くようにしています。ですから一見相場に関係がなさそうな話題でも是非、目を通して頂きたいと思います。

よいお年をお迎えください。

新春は1月4日から書きます。

平成22年12月30日





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■闇株的見方 » 株式 | 2010.12.30
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官僚組織について  その3

2010年12月29日

官僚組織について  その3

今年も残り少なくなってきました。
年内に何を書こうか考えたのですが、やはり検事総長辞任については是非書いておきたいと思います。これはもちろん郵便料金不正事件での資料改ざんで、現職の主任検事と上司であった元大阪地検特捜部長と副部長が逮捕された事件の責任を取ってのことです。

この事件のことは、いろいろ報道されているので、詳しくは書きません。その代わり、今まで2回書いてきた「官僚組織について」シリーズの3回目として、同じような観点から書いてみようと思います。尚、過去の「官僚組織について」は10月23日と12月2日に書いていますので、読み返してみてください。

平成22年12月24日に、大林宏検事総長の辞任を受けて、検察庁幹部の異動が閣議決定され、12月27日付けで発令されました。後任の検事総長には東京高検検事長の笠間治雄が就任しました。初めての私学出身(中央大学)の検事総長です。また全く法務省勤務のない2人目の検事総長でもあります。

異例なのは、笠間氏自身が来年1月2日(つまり数日後)に定年退職だったのですが、検事総長のみ定年が2年長いため、追加のご奉公となったわけです。
笠間氏は「現場派」のエースとして現場の人気が高く、今回の難局での指名となったようです。過去の現場派の検事総長は吉永祐介氏(岡山大学卒)ただ一人で、普通、検事総長は法務省勤務の長い「赤レンガ派」から選ばれるものです。

何事もなければ、1年半後くらいに後に大林検事総長の後任であったであろう「赤レンガ派」のエースの小津博司札幌高検検事長がナンバーツーの次長検事に就任しました。小津氏は現場経験が数年しかなく、大半が法務省勤務で早くから検事総長候補と言われており、笠間氏と全く対照的な経歴の持ち主です。

小津氏の誕生日は1949年7月12日ですので、約1年半後の小津氏の定年前に検事総長の禅譲があるかどうかが今から興味があります。というのは過去の唯一の「現場派」の検事総長だった吉永祐介氏が、2年たっても微妙に居座った結果、当時の「赤レンガ派」のエースの根来泰周氏が定年になってしまい、どちらからというと「現場派」とも言える土肥孝治氏が検事総長についたことがあるからです。
土肥氏については、本誌12月21の「検事総長の威光?」に出てきます。また根来氏は、その後プロ野球コミッショナーになっています.

まあ、こういうときでないと「現場派」から検事総長が出るはずがないのです。吉永祐介氏の就任のときも、現職検事の取調べ中の暴行事件が続いたり、金丸元副総裁の巨額裏金事件を摘発しても、わずか20万円の罰金で終わったなど、検察への信認が低下していた時でした。

検察庁というのは、誰が見ても「最強の官僚組織」です。個々の検事が捜査、逮捕、拘留、起訴等の検察権を持ち、「検察官同一体の原則」という検事総長を頂点とする見事に統制のとれた中央集権的な組織なのです。そして、その強大な権限に比べて、外部から指揮を受けることがほとんどありません。唯一、法務大臣が個別の事案についてのみ検事総長を指揮できるとなっていますが(指揮権)、これは過去1回きりの発動(造船疑獄で当時の佐藤栄作幹事長の逮捕を見送らせた)で、もう2度と発動されないだろうと思われます。

ところで、検察庁に限らず「官僚組織」の価値観というものは、国民の利益より「官僚組織」の利益が重要であり、「官僚組織」の中では自分の属する省庁の利益が重要であり、自分の属する省庁の中では派閥の利益が重要なのです。

今回の検察庁の人事も見事にこの通りになっています。身内を逮捕してまで個人の犯罪にし、最大派閥の「赤レンガ派」は一旦後ろに下がって批判が通り過ぎるまで息をひそめ、検事総長の首を自ら差しだすことによって検察庁という組織を守ったのです。

この資料改ざん事件というのは、先程書いた「検察官同一体の原則」からして、個人の犯罪であることは絶対にありません。特に特捜部が担当する事件は、最初から検事総長の決済が必要なのです。「最強の官僚組織」にいる個々の検察官が、自らリスクを取って「改ざん」する必要はありません。もしあるなら、昔から日常茶飯事的に組織ぐるみで同じようなことが行われていたことになります。

最近の報道で、元特捜部長が元主任検事に向かって「局長までやるのが君のミッションだ」と言ったとか、他の取調べが進まない検事に向かって「特捜部から出ていけ」などと言ったということが書かれています。この2つだけ見ても分かるのですが、物証があるはずがない会話で、複数の人間(検事)が「元特捜部長が、そう言ってた」と証言すれば証拠能力を持つものです。つまり元特捜部長がこういう性格で、元主任検事の報告を握りつぶした、という「見立て」を補強する状況証拠となるのですが、まさに「無」から証拠が生み出される、検察が最も得意とする「捜査方法」なのです。

平成22年12月29日

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■日本 » 政治 | 2010.12.29
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