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幻冬舎MBOに異変

2010年12月09日

幻冬舎MBOに異変

 平成22年10月29日に幻冬舎が、創業者で現在の代表取締役の所有する会社が全株を目標としてTOBを行い、非上場化すると発表しました。TOB価格は1株=22万円で、当時の株価に対しては50%程のプレミアムでした。
 
 本誌でも11月12日にこれを取り上げ、幻冬舎の財務内容(現金同等物41億円。借金ゼロ)や、収益状況(今期の経常利益予想14億円)等から考えて、仮に全株取得しても必要な資金は60億円で、非常にお得な買い物であるものの、幻冬舎は上場後一度もエクイティファイナンスをしておらず、また現在の財務内容や収益状況は、創業者で現在の代表取締役のリーダーシップによるものが多く、批判されるものは何もないと書きました。

 ところが、粛々と進むと思われたTOB(経営陣のTOBですので、MBOと言います)に突然異変が起こりました。
 12月7日に財務局に提出された大量保有報告書で、ケイマン島のイザベル・リミテッドなる会社が12月6日現在で8397株(自己株を除いた議決権ベースで30.6%)を保有していることが分かりました。

 今回のTOBの手続きは、11月1日~12月14日の間に、指定された証券会社(みずほインベスターズ証券)にTOBに応募する旨を届け、12月21日に1株=22万円で決済されます。また、一度応募の届出をしても、期間内であれば取り消しができます。
 また、今回のTOBで全株取得ができなかった場合は、残った株主の株を臨時株主総会の承認を経て種類を変更し、全株取得ができるようにします。

 ここで、イザベル・リミテッドなる会社(本年11月12日に設立されたばかりのペーパーカンパニーで、実態は全くわかりません)の目的は分りませんが、予想される動きに対してどうすればよいのかを考えてみたいと思います。

 私は、今回の幻冬舎のMBOについては好意的に見ており、突然現れた株主(外人かどうかも分らないのですが)に、いいとこ取りをされることは是非避けてもらいたいと思っています。もうひとつ、ここでは不必要にあわてて「ブルドックソース」のようなことも起こらないようしてほしいと思っています。(本誌11月11日の「乗っ取りやの影におびえたブルドックソースの対応は正しかったのか」を読み返してください。)

1) イザベル・リミテッドは、間もなく議決権ベースの3分の1(9117株)を確保すると思います。時価もTOB価格の1株=22万円を上回っているため、TOBが成立しない可能性が出てきます。(最低18000株が集まらないと不成立と決めています。)
2) 仮に成立したとしても、全株取得に必要な種類株発行のための臨時株主総会では、定款変更のため特別決議が必要のため、3分の1を持ったイザベルが当然反対に回り、否決されてしまいます。(特別決議は出席者の3分の2以上の賛成が必要)
3) それでは、イザベルが高い価格で対抗TOBを仕掛けることは法律的には可能です。しかし、すでに3分の1近い株数を、市場内だけで取得しているため、仮にこれ以上取得する場合でも、市場内で取得し続ける限りTOBは不要で、今後も柔軟に動けます。(これはどういうことかというと、TOBルールは非常に厳格化され、数多くの厳しい罰則規定が設けられているため、TOBを宣言すると、とたんに柔軟な動きができなくなります。)
4) 同じ理由で逆に、幻冬舎側はTOBを既に発表してしまっているため、市場での買い増  
しなどの柔軟な対応がとれず、圧倒的に不利です。

 しかし、イザベル側にしても、過半数を上回る取得とか、経営権の取得は考えていないはずで、結局は高値での売却を考えているはずです。
 大量保有報告書によると、イザベル側の保有コストは12月6日現在でTOB価格を上回る22万7500円位です。ただし信用取引による取得となっており、短期決戦のはずです。

 落とし所としては、TOB価格を1株=25~26万円に引き上げ、イザベルの賛同を取り付け、さっさと儲けてご退場を願うことしかないと思います。時間が勝負ですが、TOBの価格変更とか、申込期限の変更(延長)は取締役決議でできるはずです。
 ただし、イザベル側の取得は現在のところ信用取引なので、このままでは議決権もありませんし、TOBにも応募できません。現引きする資金があるのかどうかの「読み」が大切です。

 幻冬舎についているアドバイザーとか、証券会社とか、法律事務所とかが、この辺の交渉をちゃんとできるかがポイントです。1株=26万円としても十分割安のはずですので、イザベル側の足元を見て、しっかりと交渉する必要があります。
 間違っても、パニックになったり、この際もっと手数料を取ってやろうなどと考えたりして、結果「ブルドックソース」などのような愚策を取らないことを願います。
 まずは、注目してみてみましょう。


平成22年12月9日

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■闇株的見方 » 株式 | 2010.12.09
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