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ドル基軸通貨体制の変遷と今後  その1

2010年12月13日

 12月7日の「あふれるドルの行方」の続編です。
 ドルを基軸通貨とした第二次世界大戦後の世界の通貨体制は、終わりを告げようとしているのかも知れません。しかし、これについて考えるとき、もう一度ドルの基軸通貨体制の歴史を振り返ってみる必要があります。その重要なポイントについて、歴史の裏側も含めて解説してみたいと思います。

1) ブレトンウッズ体制
第二次世界大戦が終わりに近づいた1944年7月、米国ニューハンプシャー州のブレトンウッズに連合国45カ国が集まり、枠組みが決められた世界通貨体制のことを言います。
基本は、世界の通貨を一定の比率でドルに固定し、唯一ドルだけが1オンス=35ドルで金に交換性を持つ、つまり世界の通貨体制は金とドルに裏付けされた「金とドル本位制」と言うべきものでした。同時に、この体制を守るためにIMF(国際通貨基金)と、IBRD(国際復興開発銀行=世界銀行)の設立も決められました。

第二次世界大戦までの世界の基軸通貨は英国のポンドでした。しかし英国は二度の世界大戦ですっかり疲弊していました。それに対して米国は、世界の富をほとんど独占する強大国でした。金についても当時、世界の80%を保有していたようです。世界の金の80%を保有するということは、当時の世界では世界の富の80%を保有していることと、ほぼ同じ意味でした。

ブレトンウッズには英国代表としてケインズも来ていましたが、実際の決定は米国、それも財務官僚のハリー・デクスター・ホワイト主導によってなされました。

このハリー・デクスター・ホワイトについては説明が必要です。

 ハリー・ホワイトはリトアニア系ユダヤ人の子供で米国生まれです。第二次世界大戦中はフランクリン・ルーズベルト政権のヘンリー・モーゲンソー財務長官の下で財務次官補として働いていました。ルーズベルト政権のもう一人の実力者がコーデル・ハル国務長官です。
 日本が、1941年に日米開戦に踏み切る直接の原因となったのが、米国から突き付けられた最後通牒ともいえる「ハル・ノート」でした。日本がその時に確保していた東アジアの全ての権益の放棄を求めるなど、とても呑めるものではありませんでした。
 この「ハル・ノート」を書いたのがハリー・ホワイトだと言われています。ハル国務長官名で出された「ハル・ノート」を、モーゲンソー財務長官の下で働いていたホワイトが書いたというのも不思議なのですが、これは事実です。つまり、ホワイトは実質的に日本を戦争に追いやった人物なのです。

 ブレトンウッズでも、それまでの基軸通貨国である英国代表のケインズ案を一蹴して、前述の基軸通貨体制を実質的に作ったのも、このホワイトなのです。それだけ優秀だったということなのですが、その後とんでもないことが分かります。

 1948年に、米国下院で、ソ連の米国内における秘密活動についての証言中に、ハリー・ホワイトの名前が出てきたのです。もちろん当人は否定しましたが、その直後に自殺しました(発表は事故死ですが)。つまり米国政府の中枢に、あろうことかソ連のスパイがいて、しかも世界の方向を決める重要な決定に参画させていたのです。このことについては、いまだに米国政府からの正式コメントはありません。

 あえて言うと、ソ連のスパイに主導された国際基軸通貨体制ですが、最初から問題を含んでいました。そもそも金の量は限られているために、世界の貿易や経済活動が拡大するにはドルが世界中にばらまかれなければなりません。そのために、米国は自由主義経済圏を守り共産主義に対峙するという名目で、世界中に援助をばらまき(マーシャルプラン)、世界中に軍事施設を作りました。また世界中から気前よくたくさんの製品を輸入しました。

 こうして、たちまち米国の経常収支は大幅赤字となり、ドルが世界にばらまかれて世界経済の拡大には貢献したのですが、1960年代に入ると冷戦の深刻化、ベトナム戦争の泥沼化などもあり、1970年ころには、米国はドルの裏付けとなる金を、ドルの発行額の22%しか保有していない状態になりました。ブレトンウッズ体制は、早くも破綻したのです。

 そこで1971年8月15日に、ニクソン大統領が金とドルの交換停止を発表するのです。

この後は
2) ニクソンショックとスミソニアン体制
3) 変動相場制とプラザ合意
4) なりふり構わない米国の金融緩和と、その後の世界の通貨体制

などと、続きます。
しかし、明日は、ハリー・ホワイトもそうだったのですが、ユダヤ人について書いてみます。

平成22年12月13日

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■為替・金融 | 2010.12.13
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