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来年早々から、ドルは強くなる。

2010年12月24日

来年早々から、ドルは強くなる。
「ドル基軸通貨の変遷と今後」 その4

 このシリーズは、今後の世界の通貨体制を考えるにあたって、まず現在のドル基軸通貨体制の変遷を見てきました。今日はその最終回ですが、ちょうど年末でもあるため、来年の為替予想を中心に書きます。

 米国の金融緩和でドルが世界にあふれかえって、世界の株式、特に新興国の株式や、金・石油等の資源価格を押し上げている、ということは誰でも言っていることですが、もう少し具体的な数字を挙げて考えてみましょう。

 米国内で、ドルがどれほど供給されているかを表すのが、マネタリーベースです。これはドルの現金残高に金融機関の準備預金残高を加えたもので、2000年には6000億ドルくらいで、リーマンショックの直前は8000億ドルくらいでした。
 重要なのは、米国内でこのマネタリーベースを使って、どれくらいの信用創造がなされているかなのですが、これをM2で見てみますと、2000年は4.5兆ドルくらいだったのが、リーマンショックの直前は7.5兆ドルもありました。
 この間のマネタリーベースの増加が2000億ドルくらいなのに、3兆ドルものM2が創造されていたのです。実に15倍の乗数です。

 ところが、リーマンショックから2年しかたっていない現在では、マネタリーベースが2兆ドルと、この間に1兆2000億ドルも増えているのに、M2は8.5兆ドルと1兆ドルしか増えていないのです。実にマネタリーベースの増加より少ないのです。

一方、米国から供給されたドルが世界にどれくらいあるのかは、ワールドダラーが使われます。ワールドダラーは、上記の米国のマネタリーベースに世界各国の中央銀行の米国債保有残高を加えたものです。
世界各国の中央銀行の米国債保有残高は、リーマンショック以前が1.4兆ドルだったのが、現在は2.5兆ドルとなっています。

つまり、ワールドダラーで見ても、リーマンショック以前が2.2兆ドルくらいだったのが、現在は4.5兆ドルと、これも2倍以上になっているのです。

リーマンショック以前までは、ドルはワールドダラーときれいに逆相関になっていました。つまりワールドダラーが増えるとドルは弱くなり、ワールドダラーが減るとドルは強くなったのです。
 リーマンショック以降、ワールドダラーが2倍にもなったので、単純に考えるとドルは半分にならなければならないので、これが今も根強いドル暴落説の根拠です。

 ここからは、来年にかけての為替予想です。

まずドルからですが、見てきたように米国には膨大なマネタリーベースがすでに供給されているため、真っ先に米国株の上昇、そしてその資産効果も含めた米国経済のかなりの上昇に必ず結びつくはずです。そうすると、米国内での資金需要に対応する必要が出てくるため、今までほど海外にドルが向かわなくなります。また、今まで海外に流れていた資金がドルに戻ってきます。

また、12月22日の「日米の金利上昇をどう見る」にも書きましたように、米国は「良い金利上昇」が起こり、金利差からもドルは買われるはずです。

つまり、来年のどこかの時点で(多分、思ったより早く)ドルは上昇し始めるはずです。

きっかけは、米国株の上昇(もう始まっています)、良い金利上昇(これも、もう始まっています)、そして、個人消費や設備投資など目に見える形での経済回復(多分、クリスマス商戦を含む現在の経済状況はすでに回復しているはずです)が確認されたときです。

確かに、米国内にも海外にもドルはあふれかえっているのですが、現在のドル暴落説は、その量のみを強調して、それが米国経済に与える好影響を全く無視しているのです。

ユーロについては、今まで、「ドルが海外に出る場合は、まず行先は金融の量的緩和をせず、財政規律を重視しているユーロしかない」と言ってきました。これは変えていないのですが、もし、まず米国株、そして米国経済の上昇が始まったとき、逆に成長を犠牲にしても財政規律遵守のユーロは、どうしても割り負けるはずです。

従って、来年のどこかの時点で(多分、思ったより早く)ドルはユーロに対しても上昇し始めるはずです。

円に対しては、一番経済も政治も閉塞しており、地政学リスクも大きい円が対ドルで史上最高値近くまで行ったことこそおかしいと言えます。また、米国株式や米国経済が本格的に上昇し始めると、ますます円は見向きもされなくなるはずです。

従って、多分すぐにでも、ドルは円に対しても上昇し始めるはずですが、国内にある根強いドル暴落説や、無責任なマーケット解説(多分全部、円は史上最高値を更新と予想するでしょう。年初の新聞の予想を見てみましょう)から、すぐにドルを買う人は少ないと思うので、急激なドル高にはならないかもしれません。

結論としては、来年のかなり早い時点から、米国経済の回復が確認され、その結果ドルは、円を含む全通貨に対して上昇し始めます。その兆候としての米国株式の上昇と「良い」金利上昇は、すでに始まっています。

ドル基軸通貨体制も、まだまだ続きます。

平成22年12月24日

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■世界経済 | 2010.12.24
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