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日本株はどうなる?

2011年01月31日

日本株はどうなる?

 先週末の米国株式市場は、一時12000ドル台に乗せたものの、週末にかけて結局反落して終わりました。

 先週の米国では、FOMCでの緩和継続決定、オバマ大統領の一般教書で法人税引き下げの発言、2010年10~12月の実質GDPが3.2%プラスなどの良いニュースと、企業の業績発表が今ひとつであったことや、週末のエジプト騒乱で原油価格の上昇懸念が出た、などの悪いニュースが入り混じったのですが、結局最後のエジプトの騒乱が大きく効いて週末にかけて反落しました。

 さて、それを受けて今週の日本株はどうなる? という予想ではなく、もっと長期的に考えてみます。

 実は、バブル崩壊後の20年間で、日本株が一番きれいに連動しているのが米国長期金利なのです。しかもほとんどタイムラグがありません。

 実際に検証してみましょう。20年は長いので1998年ころから見てみます。

 1998年10月から2000年4月までは、米国長期金利(10年国債の流通利回り)は4.2%から6.8%まで上昇し、日経平均は12787円から20833円まで上昇しました。この間はネットバブルが世界の株価を引き上げました。

 2000年4月から2003年4月までは、米国長期金利は3.0%まで下落し、日経平均は7603円まで下落しました。ネットバブルの崩壊や9.11の同時多発テロがあり、世界的な金融緩和にもかかわらず、景気・株価が低迷しました。

 2003年4月から2006年4月までは、米国長期金利は5.2%まで上昇し、日経平均は17563円まで上昇しました。世界的な金融緩和(日本は量的緩和も)の結果、世界の景気・株価が上昇しました。

 2006年4月から2008年10月までは、米国長期金利は2.1%まで下落し、日経平均は6994円まで下落しました。サブプライム問題からリーマンショックまで、世界の金融市場の大混乱で株価も急落しました。

 2008年10月から2010年3月までは、米国長期金利は4.0%まで上昇し、日経平均は11408円まで上昇しました。世界の金融緩和と財政出動の効果で、一時的に世界の景気・株価が上昇しました。

 2010年3月から2010年11月初旬までは、米国長期金利は2.4%まで下落し、日経平均は9123円まで下落しました。ギリシャなど欧州の財政問題で、再び世界の景気・株価が下落しました。

 2010年11月初旬から現在は、米国長期金利は一時3.5%台、日経平均も一時10620円まで上昇しました。米国の量的緩和(6000億ドルの国債買い入れ)で、世界の株価が回復しています。

 つまり、米国長期金利が上昇している間は、日経平均は上昇しているのです。

 もちろん、その間は米国株式も、日本の長期金利も上昇しているのですが、一番きれい連動しているのが米国長期金利と日経平均なのです。

 よく見てみますと、米国長期金利の動きは米国の金融政策と連動していません。

 例えば米国の金融緩和は、ネットバブルが崩壊した2001年1月に始まり(この時は9.11同時多発テロの前)、2004年6月まで続くのですが、米国長期金利は2003年4月から上昇をはじめ、時を同じくして日経平均も上昇を始めたのでした。

 また、サブプライム問題が始まった2007年9月から現在まで、ずっと米国は金融緩和をしているのですが、その間、米国長期金利は下落と上昇を繰り返しています。その間も、日経平均は米国長期金利に連動しているのです。

 さらによく見てみますと、米国長期金利の変動は、景気循環ではなく、むしろ外部の突発要因(9.11同時多発テロ、サブプライム問題、欧州財政問題など)により方向を変えることが多いことが分かるのですが、それでも日経平均は米国長期金利ときれいに連動しています。つまり米国長期金利の変動の理由に関係なく、連動しているのです。

 つまり、日経平均の予想には、米国長期金利の予想が一番有効のようです。そして、今一番考えられるのが、インフレによる米国長期金利の上昇なのです。

その理由として

1) すでに昨年来、食料品・鉱物資源の価格上昇が続いている。
2) そこへ、今回のエジプト騒乱が中東で拡大し、原油価格の一層の上昇につながる恐れが出てきた。
3) 長期的傾向として、いままで世界の物価安定に寄与していた中国の安い労働賃金が、はっきりと上昇し始めている。

 つまり、米国長期金利はもっと上昇しそうなのです。そうすると経験則では、日経平均も上昇するのです。米国金利上昇の原因が経済回復なのか、インフレなのか、全く別の理由なのかは、あまり気にする必要はなさそうです。

 しかし日本には、政治の停滞、銀行の貸し渋り、地勢的リスク、財政再建への固執など、いやというほどの固有のマイナス材料があります。なかでも財政再建への固執は、長期金利を下落させることになるため、日本株に最もダメージが大きいと思われます。

 結論として日本株の今後は、米国金利と日本固有のマイナス材料(特に財政再建)を天秤にかけて見ていく必要がありそうです。

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■日本 » 日本の株式 | 2011.01.31
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えっ 日本国債格下げ? 

2011年01月28日

えっ 日本国債格下げ? 


 1月27日に、米国の格付け機関であるStandard and Poor’sが日本国債の格付けをAAからAAマイナスに1段階引き下げました。

 当然、日本の政府債務が増大を続けていることが理由になっているのですが、もともと昨年1月にアウトルック(将来の見通し)がネガティブに引き下げられていましたので、時間の問題だったということが出来ます。今回の引き下げでアウトルックが「安定」になりましたので、追加の引き下げは当面ないことになります。

 今回の格下げは自国通貨建て(つまり円建て)国債だけでなく、外貨建てにも適応されるようです。もちろん外貨建ての日本国債はないのですが、外貨建ての日本政府保証債等にも適応されることになります。

 もうひとつの有力格付け機関であるMoody’sの格付けでは、日本国債は2009年からAa2、アウトルックは「安定」となっています。

 日本国債は、確かに発行額は大きいのですが、その95%以上が日本国内で安定的に消化されており、国債の流通利回りも先進国で一番低く、今回の格下げでも特に国債流通市場に混乱はありません。

 為替相場も発表直後にドルで83円台に乗せたのですが、すぐに82円台後半の取引となっています。

 まあ、これらの格付け機関の格付けは、歴史的に見てもあまり役立つことは少なく、むしろいろんな弊害を引き起こしているのです。その辺の一端をご紹介しましょう。

 世界の格付けを二分するStandard and Poor’sとMoody’sは、ともに米国の会社です。Standard and Poor’s は1860年創業で、大手出版社のマグロウヒルの子会社です。一方のMoody’sは1900年創業で、現在ニューヨーク証券取引所に上場しています。しかし、これらの会社の実態、特に格付けのやり方については、外部からはよくわかりません。

 ただ以前から、何か問題が起こった発行体の格付けの変更が遅れ、さらに急速な格付けの変更(引き下げ)を行い、結果的にさらに問題を大きくしてしまうという批判はありました。

 最近の例では、ギリシャ国債の格付けを昨年、あわてて数段階引き下げて投機的になるBB+と格付けして、問題を余計大きくしてしまいました。

 またサブプライム問題の本当の原因も、この格付け機関にあると言っても良いのです。

 そもそも低所得者向けの住宅ローン(サブプライムローン)というものは昔からあったものなのですが、当然焦げ付きのリスクも大きいため流動化されにくく、おのずから発行できるローン総額に限度が出来、結果的に節度が保たれて問題が起きなかったのです。

 ところが、その焦げ付きリスクの大きいローンも、たくさん束ねて、利払いと償還を優先的に受け取るような仕組みにすると、統計的に言って全体の例えば50%くらいがAAAの格付けが取れることを発見した者がいました。

 つまり、如何に焦げ付きリスクが大きいローンでも、全体でみれば、少なくとも半分位はちゃんと支払うはずなので、利払いと償還を優先的に受け取る部分を50%とすれば、その50%は焦げ付きのリスクがほとんどなく、結果AAAの格付けが得られるということなのです。

 AAAの格付けが取れれば、外国(特にヨーロッパ)の機関投資家が喜んで買います。そうすると流動化がどんどんできるため、ローン会社は資金が回収できるため、また改めてサブプライムローンをどんどん売り込みに行けるようになったのです。そこで今まで保たれていた節度が壊れ、気がつけば全く無収入でホームレスのような移民にまで、立派なプール付きの一軒家が買えるローンがつけられたのでした。

 AAAの債券だと有り難がって買っていた欧州の銀行は、まさかそのAAAの債券の中身が、昨日までホームレスだった移民の住宅ローンだとは夢にも思いませんでした。ただ有力格付け機関の格付けだけを見て買っていたのです。

 だから、米国の国内問題であるはずのサブプライム問題で、欧州の銀行が巨額の損失を出すことになったのです。つまりサブプライム問題をここまで大きくしたのは、米国の格付け機関の責任と言っても良いのです。

 今回の日本国債の格下げに話しを戻しますが、非常に気になるのは、与謝野経済財政政策担当大臣の「今回の決定は、日本の消費税は諸外国に比べて低く、使っていない武器(つまり消費税引き上げを)早くやりなさい、と言ってくれているのだと思う」との発言です。

 本誌1月17日付け「内閣改造について」でも書きましたが、今日本で一番やってはならない政策が増税なのです。まず何をおいても経済を上向かせなければならないのですが、財務官僚は財政再建の大合唱です。そこへ財政再建論者の与謝野氏の経済財政担当大臣への起用は非常に問題であると指摘しました。

 日本国債の格下げそのものは、株式市場は全く無視しても大丈夫ですが、ここで消費税を含む増税が前面に出てきますと、株式市場への重大な懸念材料となります。

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■日本 | 2011.01.28
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