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りそなの公募価格決定を受けて

2011年01月25日

りそなの公募価格決定を受けて

 本日は、昨日の続きで「ソブリン・ウエルス・ファンドについて その2」を書くつもりだったのですが、夕刻りそなホールディングスの公募価格が決定されましたので、予定を変更してこれについて書きます。

 りそなホールディングス(以下、りそな)は、昨年の11月5日に6000億円の発行登録をしており、本年1月7日に最大13億株の公募増資等が発表されていました。国内分が55%、海外分が45%でした。
 1月24日に発表された結果は、発行価格440円、払込価格421.32円で、発行価格の440円は当日の引け値の467円からみて5.78%のディスカウントでした。しかし、当日は午後2時半ころに最安値の440円を付けていたのが、最後に急騰したため、当日の取引加重平均価格(VWAP)から見たディスカウントは2.95%に過ぎない、とわざわざ付け加えていました。

 しかし、りそなの昨年の発行登録の直前の株価は612円でしたので、実際の手取りになる払い込み価格は200円近く値下がりしたことになります。

 発行価格と払込価格の差額が、証券会社の手数料相当額で、全体で何と243億円にもなります。りそなと以前から付き合いの深い野村証券とメリルリンチはともかく、ちゃっかりと国内主幹事に入った大和証券グループと、海外でのヘッジファンドの取引実績を認められてか、海外主幹事に入ったGoldman Sachsは、美味しい思いをしたはずです。
(平成22年11月8日と平成23年1月11日の、りそなの公募増資についての記事を御参照下さい。)

 さて今回のりそなの増資は、昨年12月24日に金融分野における「新成長戦略」の最終案として「公募増資に関連した不公正な取引を防ぐために、増資発表後に空売りした投資家の新株引受の禁止」が金融庁によって盛り込まれた後の、最初の大型増資でした。
 
 これを受けてか、1月7日以降、日本証券金融が新規の貸株(空売り)を禁止したようです。まさか、大型株の「りそな」の貸株調達が困難になり、日証金が貸株申し込み(新規のカラ売り)に対応出来なくなったということは絶対にないと思うので、一体なぜ日本証券金融が、このような決定をしたのか、また出来たのかが分かりません。
これは金融庁から指導が入ったとしか考えられないのですが、そもそも金融庁の言う「公募増資に関連した不公正な取引を防ぐため」であるなら、そもそも増資発表前の1月6日に500万株もの新規貸株申し込み(新規のカラ売り)が、あったことこそインサイダーの疑いがあるのに、これは不問にして翌日から全ての新規空売りを禁止したのです。
 さらに、これに関して金融庁が考えるべきは、「資発表後に値決めまでの間に空売りした投資家の新株引受の禁止」であるはずで、全ての空売りを禁止するものではないはずです。

 そもそも、公募増資に関する最大の問題点は、海外の投資家(おもにヘッジファンド)は、海外で貸株を調達して売却し(これは日本で言う空売りには当たりません)、下がったところで値決めされた新株を引き受けて、貸株を返済して儲けて終わり、という取引が横行していることで、ヘッジファンドはそれ以前も、その後も、その会社の株主でも何でもなく、単に瞬間的に儲けただけ、ということなのです。
 特にメガバンクのファイナンスは、発行額の半分が海外向け(要するにヘッジファンド向け)であり、今回のりそなも45%が結局海外向けだったのです。
 今回の金融庁の最終案も、日本証券金融の措置も、海外投資家が貸株を使って儲けるのをなんら止めることはできません。つまり問題は何も解決していないのです。

 そこへ、国内投資家だけが、全く空売りを禁止されたのです。株式市場は自由な取引が集まるところであるはずで、手持ちの「りそな株」の値下がりをヘッジしたい投資家もいれば、全くの相場観で空売りをしたい投資家もいるはずです。そういった取引が自由に集まるから、市場に厚みが出来て、取引所としても信頼が上がるはずなのです。

 金融庁は、増資発表前のインサイダーと、値決め前に空売りした投資家の新株引受だけを禁止すればよかったのです。
しかし、今回の金融庁の最終案と、日本証券金融の措置は、増資に関しては日本の投資家のみを不利にし、結果国内での募集を困難にし、あとは株式市場の自由な取引を阻害するだけで、海外投資家の貸株を使った値ざや稼ぎはそのまま放置され、結局良いことは何もなかったことになります。
 
1月7日の増資発表後の出来高累計は3億2000万株程度(発表前の1月6日の出来高8200万株も入れて)しかなく、今回の金融庁の最終案と日本証券金融の措置の影響が出ていると思われ、13億株の新株分の吸収があまりできていないことになり、明日からも株価は弱含むと思われます。

注目して見てみましょう。

明日は、ソブリン・ウエルス・ファンド その2を書きます。

平成23年1月25日

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■闇株的見方 » 株式 | 2011.01.25
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