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バチカン銀行の闇  その2

2011年02月02日

バチカン銀行の闇  その2


 昨日の続きです。

 バチカン銀行とマフィアとの関係が、はっきりと見えるようになるのは1960年代後半からです。

 まず、時の教皇パウロ6世(在位1963年6月~1978年8月)に、マフィアの運び屋であったミケーレ・シンドーナがうまく取り入ります。実際いくつかの取引で利益をあげ、すっかり信用されたようです。そしてついにパウロ6世は、シンドーナと、バチカン銀行総裁のポール・マルチンクス大司教に、とんでもない相談を持ちかけます。

 1929年にムッソリーニが与えた合意の中に、バチカンは免税と言うのがあったのですが、これがそのころ取り消しになりました。そこでバチカンがイタリア国内に保有する全ての株式を海外に移そうと言う相談でした。

 ポール・マルチンクス大司教は、シカゴ出身の米国人で、米国在住時からマフィアとのつながりを囁かれていましたが、やはりパウロ6世にうまく取り入ってバチカン銀行総裁の地位を得ました。(在任は1971年~1989年)

 また、そのころシンドーナがマルチンクスに紹介したのが、アンブロシアーノ銀行頭取になったばかりのロベルト・カルヴィでした。

 シンドーナ、カルヴィとも秘密結社P2(Propaganda Due)のメンバーで、マルチンクスもその会長のリーチョ・ジェッリとの関係を取りざたされていました。P2はフリーメーソンのロッジ(支社)の1つで(その後除名)、CIAや各国の極右勢力やアルゼンチンのペロン大統領との関係が深いと言われています。

 シンドーナ、マルチンクス、カルヴィの三人は結託して、バチカンの財産を海外に移すことにして、勝手に売却したり、その資金で新たな株を買い占めて利益を得ようとしたり、マフィアのマネーロンダリングをしたり、ついでに大金をポケットに入れたりしていたようです。

 そのさなか、1978年8月にパウロ6世が亡くなり、3回目のコンクラーベで全くノーマークだったイタリア人のアルビノ・ルチアーニが次期教皇に選ばれます。ヨハネ・パウロ1世です。

 ヨハネ・パウロ1世は、就任直後から積極的に改革を行おうとし、真っ先にマルチンクスを含むバチカン銀行の幹部の更迭を決めました。ところが、その人事異動の発表当日の1978年9月28日未明にベッドの上で死亡しているのが発見されました。就任33日後のことでした。

 こういった事件にはよくあることなのですが、司法解剖もせず、発見から約3時間後にヴィヨ国務長官(この人も更迭リストに入っていたと言われます)から心筋梗塞による病死と発表されました。

 問題の更迭リストはついぞ発見されませんでした。

 首のつながったマルチンクスは、従来通りシンドーナ、カルヴィと不正な「運用」を行っていたのですが、それらの運用は程なく悲惨な結果になりました。

 まずシンドーナが失脚し、バチカンの「運用」を一手に握ることになったアンブロシアーノ銀行も、12億ドルともいわれる不良債権を抱え、ついに1982年5月に破綻します。

 ロベルト・カルヴィは1982年6月17日に、逃亡先のロンドンのブラックフライアー橋に吊るされているのが発見されました、これも自殺とされましたが、後ほど暗殺されたと発表されました。

 これに対しては2005年にカルヴィ暗殺の疑いで4人のマフィアが起訴されています。

 バチカンでは、アンブロシアーノ銀行の破綻に際し、「全く無関係であるが、任意の援助金」として2億5000万ドルをアンブロシアーノ銀行の債権者に支払いました。これでバチカン銀行の闇は、全て蓋をされたのでした。

 ヨハネ・パウロ1世を継いだヨハネ・パウロ2世は、バチカン銀行の改革を全く行いませんでした。そしてマルチンクスを1989年までバチカン銀行総裁の地位に留めました。ポーランド出身のヨハネ・パウロ2世に対して、バチカン銀行が民主化運動の労働組合「連帯」への資金援助を申し入れたからだと言われています。

 マルチンクスも、1983年にイタリア当局から逮捕状が出ましたが、バチカンが主権国家であったことからイタリア当局の逮捕状が無効とされ、バチカン銀行総裁を退任後米国に帰り、2006年に死亡しました。バチカン銀行に関して一切沈黙を守ったようです。何らかの司法取引があったものと思われます。

 こうやって書いていくと、シンドーナもカルヴィも、単なる手先だったようです。バチカン銀行の資金が、どの闇に吸いこまれていったのかは、マルチンクスも死亡している現在では全く分かりません。

 しかし、昨日の冒頭で書きました通り、現在も大がかりなマネーロンダリングが行われているようです。

 「神の銀行」であるバチカン銀行の闇は、果てしなく深いのです。

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■闇株的見方 | 2011.02.02
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