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MBOについて その2 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の新たな挑戦

2011年02月08日

MBOについて  その2
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の新たな挑戦

 2月3日に「TSUTAYA」チェーンを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)の増田社長がMBOを発表しました。
 増田社長自身の保有株式と自己株を除くすべての株式を1株=600円(発表直前の株価461円に対して約30%のプレミアム)で買いつけ、総額700億円弱の資金が必要となります。これに対して、みずほコーポレート銀行と三井住友銀行が上限1000億円のローンを設定したと発表されています。

 先日のMBOについて その1 でも書きましたが、これからこういう銀行主導(語弊があるなら銀行とタイアップした)のMBOがかなり増えてくると思われるため、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 まず、今回のMBO(正確にはMBOの第一段階としてのTOB)に際し、公開買い付け者(増田社長のこと)と会社側(当然増田社長を除く経営陣)が、それぞれの立場をわきまえて、非常にきれいに話し合ったようであり、今後のMBOのモデルケースになると思われます。
 会社側が少数株主の立場に立って、少数株主の利益を損ねないように最大限の努力をしているようであり、最終的にもMBOには賛同するものの、株主には応ずることも、応じないことも勧めない、としています。

 そもそもCCCは、ネットバブルが弾ける直前の2000年4月に上場したのですが、現在も上場時の株価を上回っています。確か初値が4500円くらいで、その後累計12分割しているはずなので、TOB価格の600円と言うのは、市場にお返しをしていることになるのです。また、上場時も含めそれほど巨額のファイナンスをしたこともなく、そういう意味では株式市場に迷惑をかけたイメージが全くない会社なのです。

ほとんど同時期に上場したサイバーエージェント、ライブドア(当時の社名はオンザエッジ)、楽天が、上場時に大量の新株を発行して大量の資金を集めておきながら、その後、長期にわたって株価と業績が低迷し、結局上場時に身分不相応に集まった資金があったのでなんとか生き残った(ライブドアを除き)だけなのに比べ、非常に立派と言えるのです。

 その会社が、株式市場から出て行ってしまうのです。

 CCCのIRを見ますと、今後の厳しい経営に立ち向かうために、株主(少数株主のこと)の資金を危険にさらすことは得策ではない、と取れる部分があります。非常に潔いと思うとともに、こういう企業こそ株式市場が真剣に育てなければならないのに、もはやそういう経営者からは全く頼りにされない株式市場になってしまったと言えます。

CCCは、最近のMBOを発表した企業と比べ、決して財務内容が良いとは言えません。2010年9月現在で、現金残が24億円しかなく、逆に有利子負債が315億円もあります。純資産が483億円で、これは自己株を除く1株当たり258円くらいで、今回のTOB価格の半分以下です。
これに対して、今後の毎年の純利益が95億円程度の予想で、これも1株当たりにすると50円程度と言うことになります。

さて、増田社長はMBO成功後(間違いなく成立すると思います)、株主ではなく銀行と対峙して経営していくことになります。今回700億円を借り入れるのですが、TOBの主体となる会社はCCCと合併するため、これはCCCの借り入れとなり、今ある銀行借り入れと合わせると1000億円の借り入れとなります。

余談ですが、こういったMBO資金の貸し出しは、金利や期限などはどうなっているのか非常に興味があります。誰か知っている人がいたら教えてください。私の個人的な予想だと、手数料とかなんだかを合わせると年4~5%くらい取ると思います。

多分増田社長は、株式市場に上場していることによるコストや各種規制に比べ、メリットがほとんどないと感じ、銀行だと金利さえ支払っておけば文句は言わない、と考えたのだと思います。多分銀行もそういって勧めたのでしょう。

しかし、株式市場では株主は、自分の保有している株式の値動きは自己責任であり、どんなに値下がりしても、増田社長の個人資産まで持っていきません。せいぜいネットに不満を書く程度です。

ところが、銀行は少し業績が下降するだけで、やれ増し担保だとか繰り上げ返済だとか、わんわん言ってくるものなのです。銀行は決して自分に不利になることはやらないのです。
最終的に役員が乗り込んできて、会社をバラバラしてでも回収していくものなのです。

繰り返しですが、今後銀行が主導するMBOが間違いなく増えます。今まで銀行が特定の分野に貸し出しを突然増やし、後で手のひらを返したように回収していった例は数多くあるのです。

 増田社長のご健闘をお祈りいたしますとともに、現在銀行から同じような提案を受けている上場会社の経営者の方々にも、ご注意されるよう申し上げておきます。

平成23年2月8日

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■闇株的見方 » 株式 | 2011.02.08
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