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世界の取引所  その3 アジアの取引所

2011年04月12日

世界の取引所  その3
アジアの取引所

 まず、4月10日(日曜日!)にNYSEユーロネクストが、ナスダックOMXとインターコンチネンタル取引所(ICE)の共同買収提案を拒否し、今年2月に合意していたドイツ取引所との合併案を推進すると発表しました。

 このことについては、予想も含めて4月5日付け「世界の取引所 その2」に書いてありますのでお読みください。
 そこでは私見として、NYSEユーロネクストとドイツ取引所が統合すれば、規模も地域性もデリバティブなどを含む商品の多様性の全てで理想的な統合であり、ナスダックOMXは、まずロンドン取引所と統合ののちChicago Mercantile Exchange(CME)の傘下に入った場合のみ対抗できると書きました。

 だとすると、欧米は2大取引所グループにほぼ集約されてしまうことになります。

 それを受けて、アジアの取引所はどうすべきなのかを考えてみます。

 時間は前後するのですが、4月8日に、昨年10月に合意していたシンガポール取引所とオーストラリア取引所の経営統合が頓挫しました。
 統合自体はシンガポール取引所がオーストラリア取引所の全株式を約7500億円で取得することになっていたのですが、オーストラリア政府が「国益にそぐわない」と承認しないことに決めたようです。

 それぞれの取引所に上場する会社の時価総額の合計は、オーストラリア取引所が1兆4660億ドルでシンガポール取引所の6200億ドルより大きく、またオーストラリア取引所にはBHPビリトンやリオ・ティントなどメジャーを含む多くの資源会社が上場しているため、実質シンガポール取引所の傘下に入る必要はないと考えたのでしょう。

 確かに、いくら規制緩和が進んでいると言っても、国土や人口や経済規模で劣るシンガポール取引所の方は、統合で規模や利便性を拡大する必要はあっても、旧英連邦で国土が広大でメジャーを含む多くの資源会社が上場するオーストラリア取引所にとっては、統合するメリットは少ないように思えます。

 これは、アジアの取引所の今後の統合を考えるのにヒントとなります。

 つまりシンガポール取引所のように自国の経済規模で劣り、規模や利便性を追求して海外からの取引の増加を図らなければならない取引所と、オーストラリア取引所のように統合しなくても、自国の経済規模がある程度大きくて発展性があり、かつ今のままでも海外からの参加が見込まれる特色がある(資源会社が多く上場しているなど)取引所に分かれるようです。

 ここで最近急成長している中国の取引所は、上海・深センは明らかにオーストリア取引所型(つまり統合の必要が当面ない)で、香港取引所はシンガポール取引所型(つまり統合した方が良い)なのです。
 とくに、香港取引所は取引所自体の時価総額が世界最大で約2兆円あり、これを武器に統合のイニシアティブをとれるはずです。

 統合といっても、アジアに中だけで統合する必要はないのですが、見てきたように欧米は、多分2大取引所グループに統合されると思わるため、傘下に入るしか方法がないのです。

 さて、日本の取引所はどうするべきなのでしょうか。

 東京証券取引所は、上場している会社の時価総額の合計こそ世界で3~4番目ですが、非上場です。しかし上場しても時価総額がせいぜい2000億円程度と試算されています。一方、大阪証券取引所はデリバティブとジャスダックを併合して新興市場に活路を見出しており、自身の時価総額が1150億円程です。

 先日、東京証券取引所と大阪証券取引所の経営統合の話が出ていましたが、両者の思惑に大きな隔たりがあるようで、このまま消えてしまいそうです。
 しかし、仮に東京証券取引所が上場し、仮に大阪証券取引所と経営統合した場合でも、統合後の時価総額が3000億円程度で、先程のシンガポール証券取引所やオーストラリア証券取引所それぞれの半分程度しかありません。香港証券取引所に対しては何と6分の1以下でしかありません。

 当然、東京証券取引所と大阪証券取引所も、両者が統合するかどうかはともかくとして、海外の取引所と統合するつもりは毛頭ないはずです。主要な海外の取引所と統合するということは、すなわち海外の取引所の傘下に入るということで、考えられないことなのでしょう。
  
 それに、日本の取引所株式には外資制限は無いようですが、一投資家による20%以上の株式の取得は原則禁止されています。これは本来50%以上が禁止で、20%以上が事前申請のはずなのですが、かつて村上ファンドが20%以上の取得を申請して却下されており、今後も却下すると思われるため、実質的には外国の取引所の傘下に入ることはできません。
 
 結局、日本の取引所は、規模の比較的大きなローカル取引所となり、世界の潮流から取り残されていくのでしょう。そうなると、一番デメリットを受けるのは日本の投資家なのです。

平成23年4月12日

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■日本 » 日本の株式 | 2011.04.12
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