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金の復権・ドルの衰退

2011年05月30日

金の復権・ドルの衰退

 先週末に2日続けて低位株相場やサハダイヤモンドについて書いたので、本日はもう少しアカデミックなことを書きます。
 しかし、サハダイヤモンドに限らず低位株相場については、まだまだ書きたいことがたくさんありますので、これからも書いていきます。

 さて、世界の流動性は第二次世界大戦前までは、金あるいは銀を裏づけに供給されていました。つまり地下から掘り出される金・銀の供給量に世界の経済活動が制限されていたのです。

 16世紀中ごろにボリビアのポトシや日本の石見で大規模な銀山が発見され、19世紀中ごろにカリフォルニアで金鉱が発見され(ゴールドラッシュ)、それぞれ世界の流動性の増加、ひいては経済規模の拡大に寄与したのですが、やはり不確定な金・銀の産出量に世界経済の発展が制限される状況が続きました。

 1930年代の大恐慌も、各国が金本位制に踏み切ったため、たちまち流動性の不足に陥ったので引き起こされたのです。

 そこで第二次世界大戦直後、米国が主導して金・ドル本位制というべきブレトンウッズ体制がスタートしたのです。

 ブレトンウッズ体制とは、ドルのみを金と1オンス=35ドルで固定し、ほかの国の通貨をすべてドルと一定のレートで固定し、米国はいつでも各国の保有しているドルを金に交換するというものでした。
 つまり、世界の流動性を金と並んでドルが支えるという体制になったのです。

 米国は、冷戦対策や経済援助、それに世界各国から気前良く物資を輸入して世界中にドルをばら撒きました。それが世界経済の発展に寄与したことは間違いないのですが、米国から金が大量に流出して、たちまちドルとの交換に応じられなくなってしまいました。

 そこで1971年8月15日に、当時のニクソン大統領が金・ドルの交換性を停止し、スミソニアン会議で一度は固定相場に復帰したのですが、1976年に完全に変動相場制に移行して現在に至っています。
ここで、同時に世界の流動性を支える役目は、完全に金からドルに移ったのです。

 ドルは、多少衰えたとはいえ圧倒的な経済力と軍事力を持つ米国の信用力を裏づけとしており、つい最近まで誰もドル本位制に何の疑問も抱かなかったのです。

 さらに、保有していると金利や値上がり益を生み出すドル資産に比べて、金は利息を生まないため、金価格は1990年代から2003年ころまで250ドル~400ドルあたりで低迷しており、各国中央銀行はむしろ金を市場に売却していました。

 ところが、金価格は2006年はじめに1オンス=500ドルを越え、2008年3月に1000ドルを越えます。リーマンショックで一時700ドルまで下落したのですが2009年に再び1000ドルを回復すると、一気に1500ドルまで上昇したのです。

 一方、ドルは金融危機後の経済停滞を打破するために、強烈な流動性供給を行い、米国内のマネタリーベース、世界のワールドダラー、世界の外貨準備高がすべて短期間で2倍以上に膨らんだのです。

 つまり最近の金価格の高騰は、1976年以降、世界の流動性の役割を一手に担ってきたドルが衰退し、再び金が世界の流動性の裏づけとなる可能性が出てきたことを反映しているのです。
 単に、コモディティーのひとつとして上昇しているだけではないのです。各国の中央銀行も昨年あたりから金準備高を増やし始めています。

 歴史的に見て、世界の流動性の裏づけは、ずっと金(あるいは銀)が担ってきていました。ドルが担ったのは1976年以降のたかだか30年ちょっとに過ぎないのです。

 先月、米国のユタ州で金貨・銀貨を法定通貨とする法案が通過しました。

 といっても、金貨の額面は1オンス=50ドルくらいなので、すぐに金貨で買い物をする人は出るはずがないのですが、同様の法案が全米各州で検討されているようです。

 まあ、金が1オンス=1500ドル程度の「時価」で貨幣として流通するわけではないのですが、まずます金に対する信認が向上することは間違いありません。

 イベントドリブン型ヘッジファンドの雄、ジョン・ポールソンは2~3年のうちに、1オンス=4000ドルくらいになるとして、巨額の金ポジションを維持しています。

 まさにドルの退場・金の復権というイベント(出来事)を予想しているのでしょう。

以下の関連記事もあわせてお読みください。

平成23年5月12日付け「金の復権」
平成23年5月11日付け「銀価格について」
平成22年12月13日付け「ドル基軸通貨体制の変遷と今後」 その1
平成22年12月17日付け「ドル基軸通貨体制の変遷と今後」 その2
平成22年12月7日付け「あふれるドルの行方」

本誌ページ左側の「最新記事」の下の「全ての記事を表示する」をクリックしますと、過去の記事の一覧が出てきます。

平成23年5月30日

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■為替・金融 | 2011.05.30
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