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円は買われるべき

2011年06月30日

円は買われるべき

 本日(6月29日)、ギリシャ議会で緊縮財政法案が可決されました。

 この緊縮財政法案が可決されなければ、ギリシャは「つなぎ融資」を受けられず、早晩デフォルトしてしまう恐れがありました。

 国家のデフォルトの例は1998年8月のロシアと2001年のアルゼンチンがあります。両国とも今でもちゃんと存続していますので、別に国家がなくなるようなことはないのです。

 ただ、アルゼンチンのデフォルトについては、参考にしておきたいことがあります。

 1990年代のアルゼンチンは、貿易の自由化、国営企業の民営化、各種規制緩和などで経済発展を遂げていました。
 なかでも海外からの資本流入を促進するために、通貨ペソを米ドルと固定していました。つまり海外、特に米国の投資家が為替リスクを気にしないでアルゼンチンに投資することができ、これによりアルゼンチン経済は成長しました。

 ところが1998年のアジア通貨危機、ロシア通貨危機などがブラジルに飛び火し、ブラジルの通貨レアルが大幅に切り下げられたのですが、アルゼンチンのペソは米ドルと固定されていたため輸出が激減し、たちまち不況になってしまいました。

 その後も、アルゼンチンはペソの価値を維持するために金利を引き上げたため、ますます不況になり、さらに通貨切り下げを予想した資本の流出に見舞われ、とうとう2001年にデフォルトしてしまったのです。

 これは、現在のユーロとギリシャの姿にダブります。

 無理にユーロにとどめようと、ユーロ諸国全体が融資等で援助しても、アイルランドやポルトガルも控えているため、結局後から問題が大きくなるだけのような気がするのです。

 ユーロの将来は非常に不安定と言えます。

 もちろん米ドルも問題を多く抱えているのですが、ここでリーマンショック前の2008年末と2010年末の世界の外貨準備の通貨別比率の変化を見ておきます。この間、世界の外貨準備は7兆ドルから9兆ドルへ増えています。

 米ドルは64.1%から61.3%へ減少し(絶対額では増えています)、ユーロは26.4%から26.9%へ微増となっています。ユーロは2009年末に27.5%と最大となっていました。
ユーロの発足直後の1999年末にこの比率は17.9%でしたので、その後10%近く増えた分は単一通貨ユーロへの信頼が向上したためのプレミアムのようなものなのです。

 一方、円は3.1%から3.6%へ増えています。あとポンドが4.0%で変わりません。

 つまり、直感的に感じることは、ドルもユーロも問題を抱えているため、急増している世界の外貨準備の受け皿として「円」がもっと買われるような気がする、というより買われなければいけなのです。
 これは、日本のファンダメンタルズがどうのこうのという以前の、世界の切実な問題なのです。

 ここで、日本は不毛の政治混乱を起こしている時ではなく、「円」もしくは「日本国債」の大キャンペーンを張るべきなのです。
 まあ、世界的にその分の外貨売り・円買いが起こり、円高になるかもしれませんが大局で判断すべきです。間違ってもこの分を円売り介入で打ち消してはいけないし、そもそも「円建て国債」でなければならないのですが、その理由はまた詳しく書きます。

 6月29日付け「フジマキに聞け その2」に書きましたように、復興資金や景気刺激資金を確保するために、ユーロ円建ての日本国債を20兆円くらい発行してはどうか? と書いたのは決して思いつきではないのです。

 世界の外貨準備9兆ドルの3%が2700億ドルで22兆円なのです。

 外貨準備9兆ドルだけでなく、世界の債券残高が66兆ドルあります。(株式は60兆ドル)。66兆ドルの1%は6600億ドルで53兆円なのです。

 真剣に考えてみてください。

平成23年6月30日

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■為替・金融 | 2011.06.30
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フジマキに聞け  その2

2011年06月29日

フジマキに聞け  その2

 表題の「フジマキに聞け」は、正確には「案ずるよりフジマキに聞け」なのですが、現在の日本の政治・経済・金融は、今さら「案じて」みてもどうしようもない状態なので「案ずるより」を取りました。

 しかし、私が信頼する数少ない日本人の一人である藤巻氏の近著「マネー避難」は買って読みました(立ち読みしたわけではありません!)。「フジマキさんに聞いてみた」わけです。

 正直、いくつか讃同出来ないところがありました。

 まず、昨日も少し書いたのですが、藤巻氏の言う「国債暴落」はないと思う理由をもう少し詳しく書きます。

 リーマンショック以降,世界の流動性は倍以上になっています。もっと正確に言うと、米国の流動性であるベースマネー(現金通貨プラス中央銀行預け金)が、リーマンショック前の約8000億ドルから、現在は約2兆4000億ドルと3倍になっています。
 2000年頃が約6000億ドルだったので、いかに未曾有の金融緩和をしているかがわかります。

 それをうけて世界の流動性であるワールドダラー(米国のベースマネー・プラス世界の中央銀行の米国国債保有額)もリーマンショック以降倍以上になり、現在約4兆5000億ドルとなっています。
 もちろんドルだけが世界の流動性を支えているわけではなく、日本もユーロ圏も程度の差こそあれ金融緩和をして流動性を供給しているのです。

 そして、これらの流動性はこれ以上増えないかもしれませんが、収縮すると言うことはもっとありません。そうすると世界経済が落ち込んでしまうからです。

 最大の問題は、これらの流動性が先進国の経済成長に結びついていないことです。つまり、資金が株式市場・貸し出し・不動産などのリスク資産に向かわず、結局、安全資産である国債に向かっているのです。
 
 つまり、特に先進国で経済成長が止まるので、リスク資産にますます資金が流れなくなり、結果的に安全資産である国債に資金が流れ、利回りが低下するのです。
 その過程で財政赤字が増え国債発行が増えるので、国債市場が暴落するとの予想が出てくるのですが、結果的に国債利回りは低下し続けるのです。
 
 つまり日本で、ここ10年以上起こっていることが、米国でもユーロ圏でも起こり始めたところで、世界的にまだまだ続くのです。

 藤巻氏も債券(国債)利回りは「将来の期待インフレ率」と「その国の信用度」の2つの要因で決まると書いています。つまり「将来の期待インフレ率」が上昇すると債券利回りが高く(価格は下落)なり、「その国の信用度」が高い国ほど債券(国債)利回りは低い(価格は高い)のです。

 ここで、「将来の期待インフレ率」は、経済が停滞する中、先進国では上昇するはずがありません。資源価格が上昇するといっても世界経済が停滞する中で資源価格だけが上昇を続けられるはずがありません。

 一方、「その国の信用度」ですが、これはあくまでも相対的なもので、米国・ドイツ(フランスも)・日本などを外したら、世界中から安全資産がなくなってしまいます。さらに、これらの国の国債市場が十分に大きく、流動性が保証されていることも重要な要素です。だからこれらの国の国債利回りは、もっともっと低下します。

 もちろん国債利回りの低下は、その国の期待収益の低下を意味し、結果的に経済成長が損なわれて財政赤字が膨らむのですが、そこで国債暴落が起きるかと言うと起こらないのです。

 日本国債の場合は、これらの状況に加え、通貨分散の見地からも世界の資金が流入します。別に日本経済のファンダメンタルズが良好だとは誰も思っていないのですが、他に行くところがないのです。

 昨年末の世界の中央銀行の円資産が35兆円と、4年前に比べて2倍以上になっていました。また中国が昨年1年で7兆円も日本国債を買っていました。同じことがもっと起こるのです。

 ためしにユーロ円建ての日本国債を20兆円ほど売り出して、復興資金と景気刺激にあててみたらどうでしょうか? 多分、中央銀行を中心に爆発的に売れると思いますよ。この際、主幹事は外資系証券に任せてもいいと思います。

 結局、「国債暴落はない」のところで紙面を使いきってしまいました。

 あと「円暴落もない」「国債の日銀引き受けは暴挙」「円高すぎるのは事実だが、いま円安になってもメリットはなく、まず円高メリットを享受する方法を考えるべき」なども書こうと思ったのですが、またの機会にします。

平成23年6月29日

 

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■その他 | 2011.06.29
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