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大詰めの米国債務上限引き上げ

2011年07月31日

大詰めの米国債務上限引き上げ

NY時間・7月29日の夕刻(日本時間・7月30日午前中)に、下院が2段階にわけて債務上限を引き上げる法案を僅差で可決しました。下院で多数を占める共和党内部でも、特に財政規律を求める保守層(Tea Party)との折衝が難航していたのですが、なんとか合意にこぎつけたようです。

 民主党が多数を占める上院では、下院から送付された法案を審議せずに即刻否決し、独自案を審議すると発表しています。

 それでは、この条件下で、8月2日までに上限引き上げが可能なのかを、米国の議会制度を基にして考えてみましょう。

 まず、米国では行政権が大統領、立法権が議会と完全に分離しています。つまり法案を提出できるのは議員だけで、大統領は出来ません。逆に、議会は大統領及び各省の長官等を罷免することはできません(ただし上院には大統領弾劾裁判権があります)。
 つまり債務上限引き上げは100%議会が決定するもので、大統領は「お願い」以外に何も出来ないのです。

 米国議会は上院と下院があるのですが、日本と違いどちらかの決定が優先されると言うこともありません。ただし、条約の批准承認や大統領の指名人事の承認は上院だけの権限で、逆に予算に係る審議は下院が先に審議をする権利があります。

 従って債務上限引き上げも予算に係る審議ですから、まず下院を通過する必要があったのですが、本日通過しました。これは非常に大きな前進です。
 そもそも上院は民主党が多数を占めるため、最初から共和党が多数を占める下院案をそのまま可決することは考えられず、独自案を審議する事も予想通りです。

 問題は8月2日までに上院が独自案を採決できるかなのですが、ここで注意しなければならないのがFilibuster(議事進行妨害)です。米国では、演説に時間制限がないため反対派の議員が延々と演説して議事進行を妨害することが出来ます。
 これを防ぐには60人(上院の議員は100人)の賛成があればよいのですが、上院民主党議員に民主党案に近い議員を入れても微妙に足らないようです。

 しかし、ここは良識が働くと思われるため、早ければ31日にも上院独自案は可決されると思われます。

 その後は、上院下院で可決された法案が微妙に違うことになるため、両院協議会で差異を調整することになります。両院協議会は非公開で人目を気にする事もないため時間がかからないと思われ、この両院協議会報告書を上院下院それぞれで可決して成立となります。

 最後に大統領には、法案の署名を拒否する権利があるのですが、これは考えられず結論的には8月2日までに債務上限引き上げは可決されるはずです。

 米国格付け機関も本日になって、仮に8月2日までに債務上限が引き上げられなくても利払いをしている限りは格下げをしないと、とたんに弱気のトーンになっています。
 まあ、最近弱り目の米国格付け機関としても、精一杯のブラフを掛けていたのですが、本当に8月2日までに間に合わない可能性も出てきたので、あわてて修正したのです。最初から米国政府を敵に回す度胸などなかったのです。

 しかし、気がついてみれば、ドルは対円で76円台に入り、対スイスフランでも0.785台まで下落しています。NY株式も週間で500ドル以上値下がりし、米国10年国債の利回りも2.80%まで低下しています。

 本誌で何度も言っているように、米国10年国債の利回りは米国経済の見通しを一番強く反映しており、やはり米国にとっての最大の問題は、債務上限でもなく、米国国債の格下げでもなく、景気が再び低迷していることなのです。

 ドル安も全く同じで、結局は景気低迷を反映しているのです。

 ちょうど昨日発表された、米国4~6月GDPが1.3%の低成長で、1~3月も0.4%に大幅下方修正されています。

 世界中が大騒ぎした米国の債務上限引き上げの次は、やはり米国景気減速が主要テーマになるはずです。

平成23年7月31日

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■世界経済 | 2011.07.31
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カジノ解禁について

2011年07月29日

カジノ解禁について

 突然ですが、カジノについてのお話です。

 「いま国策に合う政策とは?」について幾つか書いてきましたが、その一環として日本でのカジノの解禁は是非検討すべきものだと思うからです。

 その理由は単純で、世界では現在約120カ国で何らかの形でカジノが解禁されており、国内の投資と雇用の促進、観光客の誘致による外貨獲得、そして税収の増加などが見込めるからです。

 たしかに2002年ころから、当時与党の自民党を中心にカジノ議員連盟があり、民主党政権になってからも「国際観光産業振興議員連盟」が昨年発足しています。ただ、この議連は超党派で135人もの国会議員が名を連ねており、現在の政局混乱もあり、とても法案としてまとめられないような気がします。
 それに、パチンコ業界やその他の公営ギャンブル、それに警察などとの調整も必要なため、実現にこぎつけるまでにかなりの時間を浪費するような気がします。

 ただ、カジノを解禁しなければならない一番の理由は、解禁していないから非合法のカジノが出てきて反社会勢力の資金源になることや、何より日本人が海外のカジノに流れて必ず資金を失っていることです。

 賭けごとだから勝つこともあるように思われるのですが、これは海外のカジノと組んだ日本人の「営業部隊」が暗躍して、必ず負けるように仕組まれているケースがほとんどなのです。
 裁判中の陸山会の政治資金問題で、資金を提供したと言っているM建設の元幹部なんかも毎週韓国のカジノに行って負けていたようですよ。

 だから堂々と解禁すれば、反社会勢力の違法カジノや海外カジノで資金を失わなくてもいいわけで、さらに外人観光客の落とす資金(別にカジノの賭け金だけでなく)も期待できるのです。

 それでは、実際はどうすればよいのでしょうか?

 イメージとしては、やや人口集中地から離れたところに、ホテル、エンターテインメント、ショッピングモールなどにカジノを併設する形だと思われます。新たにつくってもよいし、既存のリゾート施設などに併設してもよいのです。

 ただ、最重要はカジノ運営会社です。こればかりは実績と歴史のある海外の運営会社を招聘するしかありません。
 海外の有名運営会社とはMGM、Wynn、サンズなどで、マカオのスタンレー・ホーの経営するSTDM(マカオ旅行娯楽会社)もあります。

 そこで、日本につくられるカジノ施設での営業権利を入札で売却します。これはマカオが返還されたときに中国政府がとった方法で、売り出しを3つに絞ったことで相当高値となったはずです。

 日本も3つ程度に絞って営業権利を売り出します。もちろん日本の会社が応札してもよく、また海外の運営会社と合弁で応札してもよいのです。多分入札価格は1件で1000億円以上になると思います。健全な競争原理に任せればよいのです。

 そうする一番の理由は、政府主導で解禁すると必ず利権が発生するからです。良く言われることですが宝くじ(これはギャンブルとは言いませんが)の配当率は45%です。あと40%は地方公共団体が色々な名目で使い、15%が事務手数料なのです。15%と言っても膨大な金額になるのです。

 一方、競馬や競輪、競艇(これは公営ではなく民間企業なのですが)の配当率も75%程度のようです。サッカーのロトは分かりません(知っている方がいらっしゃれば教えてください)。
 これに対して海外のカジノは、ゲームの種類が多岐にわたって一概に言えないのですが、平均して95%程度を還元しているようです。

 さらに、海外の有力カジノ運営会社が主導すれば、海外からの資金調達も可能であり、彼らのネットワークを使った集客も期待できるのです。
 
 日本政府は、大胴元として海外運営会社に働いてもらい、結果的に日本で投資や雇用が促進され、税収が増えるように睨みをきかせているだけでよく、間違っても規制だらけにしてはなりません。規制を多く作るから利権が入り込むスキが出てくるのです。


平成23年7月29日


 それから、本日の相場も荒れ模様ですので、金曜日のNY市場までの状況をまとめて、土曜日の昼ころにメルマガに配信します。

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■その他 | 2011.07.29
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