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為替市場の新たな波乱・米国の本国投資法

2011年07月05日

為替市場の新たな波乱・米国の本国投資法

 最近、米国で急激に増えているのがHomeland Investment Act(本国投資法・略してHIA)に関する議論です。

 これは、米企業が海外子会社の利益を米国に送金した場合、本来かかる法人税率35%を5.25%に引き下げると言うものです。ただ米国に送金しただけではだめで、米国内で投資に使った時のみの軽減税率です。

 米企業が海外に積み上げている利益は約1兆ドルあるそうで、この法案によって直接の法人税収は落ちても、米国内の投資が増え雇用が拡大すれば、結果的に景気回復になり税収も増えると言うものです。
 
 8月2日までに政府の債務上限引き上げ法案を通さなければならないオバマ政権としては、大企業に支持者の多い共和党の協力を取り付けるためにも、実現させる可能性が高いと言われています。

 この法案のもう一つの効果は、資金が米国に還流するとき、少なからずドル買い需要が発生し、ドル高要因となることです。米企業が海外子会社にため込んでいる利益のうち、ドル以外の形で保有しているのは2割くらいだと言われています。つまり、還流資金の最低2割程度のドル買い要因となる可能性があるのです。

 実は、この法案はブッシュ前大統領時代の2005年に1年限定で実施されています。その時は総額3120億ドルが還流しました。

 その還流した資金のうち、9割以上が自社株買いや配当支払いを通じて株主に支払われ、新たな投資や雇用などの期待された経済効果はなかったようです。その間の米国株式も10000ドルをちょっと上回ったところで推移し、あまり上昇したとは言えませんでした。

 しかし、為替市場への影響は少なからずありました。

 まず2005年を通じて見てみますと、ドルはユーロに対して1ユーロ=1.36ドル台から1.16ドル台へ上昇しました・
 対円でも101円台から120円台まで上昇しました。このうち、この法案による影響がどれくらいだったのかは分かりませんが、少なからずドル高要因であったことは確かです。

 この法案がもう一度、日の目を見そうなのです。

 2回の金融量的緩和がQE1,QE2と言われているため、これはHIA2だと早くも名付けられています。
 QEにしろ、IEA(国際エネルギー機関)の備蓄放出にしろ、このHIAにしろ、最初の1回目は明らかに効果があるのですが、2回目以降となるといろいろ弊害も出てくるものなのです。

 HIAについては、何回も乱発されれば、結局海外にある利益を5%程度の税率で本国に持ち帰れることが出来るわけで、かえって国内で投資するより海外で投資しようとなってしまうからです。

 前回は、還流した資金の大半が自社株買いと配当支払いに使われたため、今回はこの2つを軽減税率の対象からはずすと思われます。つまり本当に米国内で景気回復や雇用の増大に使われる場合のみの適応となりそうですが、正直、景気に対する影響は分かりません。

 もっと分からないのが、為替市場への影響です。

 前回の2005年の時も、当初期待された景気回復や株式の上昇はほとんどなく、逆にほとんど効果が無いと思われた為替市場で、意外なほどのドル高をもたらしたのです。

 現在、中長期的にドル高を予想する人はほとんどいないため、意外に波乱要因になるかもしれません。
また、為替に限らず相場と言うものは、(こういう法案などで)人為的に需給を変えようとすると、あとに「ひずみ」が残るものなのです。

 また、為替市場で波乱要因が増えるのです。

平成23年7月5日


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■為替・金融 | 2011.07.05
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