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日本銀行(中央銀行)の役割とは

2011年11月30日

日本銀行(中央銀行)の役割とは

 先日、日本銀行の今年度上半期(4~9月)の最終損益が1362億円の赤字と発表されていました。上半期決算に限れば3年連続の赤字です。

 「資産買入等の基金」で買い入れたETFやREITの評価損が442億円発生していることが強調されていますが、赤字の大半が4.3兆円ほど保有する外貨資産の評価損(3904億円)で、下半期に為替水準が大きく円高にならない限り、保有している国債などの利息収入で通期決算は黒字になるはずです。

 上半期が赤字であったこととか、保有するETFやREITで評価損が出ていることなどを問題にするつもりは毛頭ないのですが、貸借対照表を眺めても「もっと景気回復のための努力をしてほしい」と思ってしまうのです。

 まず、平成23年9月末現在の日本銀行の資産総額は137.6兆円で、主なものは国債が84.3兆円(うち長期国債が61.9兆円)、貸付金が42.9兆円です。この貸付金の大部分は、昨年10月に導入された「資産買入等の基金」の中の「共通担保資金供給オペ」による貸付の31.2兆円です。

 一方、負債総額は135.1兆円で(従って日本銀行の資本勘定は2.5兆円ということになります)、主なものは日銀券が78.9兆円、当座預金が34.6兆円です。

 この日銀券と当座預金に貨幣残高を加えたものがマネタリーベースで、為替水準の決定に重要な意味を持ちます。10月27日付け「やっと追加緩和しそうな日本銀行」をご残照下さい。

 この当座預金とは、本来は市中銀行が預金の一定割合を準備預金として日本銀行に無利子で預けるためのもので、かつてはこの準備率の操作が重要な金融調節方法だったのですが、現在はすっかり形骸化しています(現在の準備率は0.01%です)。

現在では、日本銀行の当座預金残高そのものが金融緩和度合を図る目安になっています。

 わかりやすく言えば日本銀行が金融を緩和するときに、日銀券だけ大量に刷っても需要に限度があるため、貸し付けなどの信用創造をする市中銀行に対して、国債や外貨(介入の時です)などを買い取って資金を大量に供給し、とりあえず使わない分を日本銀行の当座預金で預かるというものです。
ところが、この当座預金には年0.1%の金利がついています。

 日本銀行が、市中銀行に「供給した」資金を「預かり」それに「金利」をつけているわけで、即刻廃止すべきです。当座預金残高が30兆円として、年間300億円を銀行にタダであげているだけでなく、ますます銀行が当座預金から資金を貸付けなどに振り向けない理由になっているからです。

 当座預金残高を膨らませるということは、市中銀行が貸付けなどに資金を十分に回せるようにという「配慮」なのですが、そもそも全国銀行の平成23年10月末現在の預金総額577兆円に対して貸付総額が416兆円しかないのです(その代わりに国債保有が158兆円ほどあります)。

 2000年頃には、預金総額と貸付総額はほぼ同じで475兆円くらいでした。

 こういう中で、もし日本銀行が日本経済を回復させようと思っているのなら(思っていないのかもしれませんが)、どうすべきなのでしょう?

 結論から先に書きますと、もっと「思い切った」「正攻法」の量的緩和をすることです。

 日本銀行は、2001年3月から2006年3月までも量的緩和をしていたのですが、その最後の2006年3月末の日本銀行の総資産は144.8兆円もあり、現在はその時よりも緩和度合いが少ないのです。

 確かに市中銀行には資金が余っており、貸し付けに回らないのは資金の問題ではないのですが、ここは日本銀行(中央銀行)として金融を量的に緩和して日本経済を回復させるという「強いメッセージ」を、国内のみならず海外にも発信することなのです。

 それが、国内の銀行の融資姿勢を少しでも緩和させるかも知れないのです。

 銀行の融資姿勢が改善すれば、まず対外投資や株式投資に回る資金が増え、株式市場は自然に上昇し、自然に円安になるのです。そこから市場心理が好転して景気が回復するという順番なのです。

 日本銀行の出来る株式市場対策とは、たかだか1.5兆円位のETFやREITを買って、少ない資金で安直な市況対策をしようとして評価損を出すことではないのです。

 円高対策にしても、無節操な為替介入ではなく日本銀行が「思い切った」量的緩和をして総資産をせめて150兆円位にすれば、海外からの「円」を見る目が変わり、必ず円安になるはずなのです。

 日本銀行が総資産を増やすということは、それだけ資産を購入しなければならないのですが、その対象は「国債」に限らなければなりません。それが日本銀行(中央銀行)の権威を守り、金融政策に「重み」を与えるのです。

 具体的には、現在月額1兆8000億円の日本銀行の国債市中買い入れ額を、期限付きでもいいので倍額の3兆6000億円にすることです。

 これだけでいいのです。

 これは、国民負担が「ゼロ」なのです。ここで消費税を10%に引き上げて日本経済を大不況に陥れるのではなく、「思い切った」「正攻法」の金融緩和で対処すべきなのです。

 10月11日付け「財務省と日本銀行の暗闘」もご参照ください。

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■日本 | 2011.11.30
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日本のプロ野球とMLB(Major League Baseball)  その2

2011年11月29日

日本のプロ野球とMLB(Major League Baseball)  その2

 日米とも野球シーズンが終わったのですが、日本と米国の野球界では関心事が全く違うようです。

米国MLBでは12月初旬のFA(フリーエージェント)選手との交渉解禁に向けて水面下で駆け引きが始まっています。

 MLBでは、契約期間が終わった選手はFAとして、ワールドシリーズ終了の翌日から一定期間は旧所属球団が独占交渉権を持つのですが、それ以降(今年は12月2日以降)は全球団との交渉が解禁されます。

一定以上の評価とされるFA選手を失った球団は、移籍先からドラフト1巡目の指名権を譲渡されるなど、非常にガラス張りの公平なルールの下で「自由競争」が行われるのです。

 また、同じく12月上旬に全球団のGM会議があり、すでに来シーズンに向けての戦力構築が始まっているのです。

 しかしどの球団もやみくもにFA選手を獲得するのではなく、各球団とも補強するポイントを絞って有力FA選手から順々に交渉していくので、「その他大勢」のFA選手との交渉はずっと後回しとなります。

 先回も書いたのですが、今年の全FA選手のランキングというのがあります。分かり易く言えば獲得に必要とされる資金総額の予想ランキングなのですが、予想の最高額はワールドシリーズを制したカージナルスのアルバート・プーホルズ一塁手の2億2000万ドル(9年契約で172億円。この選手は入団した時はドラフト27巡目だったと思います)で、2位がブリュワーズのプリンス・フィルダー一塁手の1億9000万ドル(8年契約で148億円。かつて阪神に在籍したセシル・フィルダーの息子です)となっています。

 5番目に1億ドルで日本のダルビッシュ投手がいます。もちろんポスティング移籍金を含んだ金額なのですが、これだけ高順位ということは各球団の交渉優先順位も高いため、早くMLB入りの意思表示をすることが「礼儀」となります。他のFA投手との交渉を待たせてしまうことになるからです。

 残念ながらアスレティックスの松井選手の順位は70位くらいで、DHという選手が余っているポジションなので、来シーズンのキャンプ開始直前まで所属先が決まらないと思います。いずれにしても買い叩かれると思います。

 一方、日本のプロ野球の最大関心事が、解雇された巨人軍の某球団代表と一応社会的影響力の大きい読売新聞との「子供の喧嘩」のようでは、今後も日本のプロ野球が面白くなる気配は全くありません。

 MLBの現在の活動に比べて悲しくなるほどの「程度の低さ」です。

 さらにDeNAの横浜球団買収まで雲行きが怪しくなっています。楽天だけでなく(楽天が泣きついた)巨人も反対に回り、株式のインサイダー取引の噂を立ててまで阻止しようとしています。

 DeNAは断固として撤退すべきです。ドブに金を捨てることはやめるべきです。株価も上昇しますよ。

 もう一つ日本のプロ野球で不思議に思うのは、その横浜球団の監督候補として新聞辞令が出ているK投手とか(もう一人元巨人軍のK投手もいたのですが)、そもそも今回の巨人軍騒動のきっかけとなったE投手など、コーチ経験もなく、ましては監督としての能力など全く未知数な人物の名前が出てくることです。

 監督の能力というのは、選手との能力とは基本的に別のものなのです。

MLBでは、ワールドシリーズを制したカージナルスのラルーサ監督(シリーズ後に勇退を発表しました)のように、選手としての能力に早々と見切りをつけて監督としての修業を積んできた監督が多数います。

 最後に、近年のMLBではセイバーメトリクス(選手のデータを統計学的に分析し、客観的評価に生かす手法)が急速に取り入れられてきています。

 紙面がなくなってきたので詳しい説明は省きますが、2001年にMLB入りしたイチロー選手がその年に首位打者をとってMVPに選ばれたのに、2004年にシーズン安打記録を更新した時は意外に評価されなかったのも、その間にセイバーメトリクスの考えが浸透したからです。

 サイバーメトリクスが最も重視するのがOPS(On-Base plus Slugging 出塁率プラス長打率のこと)で、イチロー選手は意外に低いのです。

 同様にイチロー選手が本年、MLB入りして初めて守備のゴールドグラブ賞を逃したのも、セイバーメトリクスで守備での貢献度を数字で表すようになったことと無関係ではありません。

 そういえば、「マネーボール」という映画が来ていますが、モデルのアスレティックスのビリー・ビーンGMは、セイバーメトリクスを考案したわけでもなく、最初に実践したわけでもなく、あくまでも「フィクション」として見ることをお勧めしします。

 原作者のマイケル・ルイスは元ソロモン・ブラザースの債券セールスマンで「ライアーズ・ポーカー」という本を書いていますが、あることないこと自分の自慢話ばかりで、非常に「後味の悪い」本です。

 私は「マネーボール」は見ません。

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■その他 | 2011.11.29
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