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円高に対する国家戦略とは  その2

2011年11月02日

円高に対する国家戦略とは  その2


 昨日(10月31日)のNY株式市場は、予想外に276ドルもの急落となりました。その要因のうち、日本の為替介入でドル高になった結果であるという違和感と、MFグローバルの破綻に関する記事を、本日昼ごろにメルマガに配信してあります。

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 さて、昨日(11月1日付け「円高に対する国家戦略とは その1」)の続きです。

 昨日は、この円高に対し「断固として介入」するだけではなく、介入も含めた「国家戦略」を考える時期であるとして、まず「円建て国債」の発行について考えました。

 これは、わざわざ海外向けに「円建て国債」を新規に発行しなくても、日銀が保有する国債を直接海外投資家に売却してもよく、また外為資金特別会計で発行する政府短期証券(短期国債です)を借り換え時に海外向けにオファーしてもよいのです。

 大前提として、これだけ円高になると言うことは、世界の資金が円に向かっていることであり、また世界的に資金が国債に向かっていることと考え合わせると「円建て国債」への需要はとてつもなく大きいはずであり、この際、海外向けの「円建て国債」の発行により「円の国際化」と「国家の財源の確保」の両方を解決してしまおうと言うことなのです。

 ただ、この唯一の問題は、海外投資家が新規に「円建て国債」を取得するとき、ある程度の新規の「円買い需要」が発生することです。円が国際化していないため、海外投資家が余剰資金を円で保有していることは少ないからです。

 この新規の「円買い需要」を、為替介入で吸収します。「何だ、結局為替介入か」と言われると思うのですが、実は目的が全然違います。

 現状の為替介入は、外為資金特別会計が外貨を取得し、その資金を政府短期証券(短期国債)の発行で賄っているのですが、昨日のように「円高になったから断固介入する」とか「納得いくまで介入する」と言って結局7~8兆円も使ってしまっているのです。

 つまり「何をもって高いとか安いとか判断しているのか」とか「何をもって介入額やタイミングを決めているのか」などの合理的説明が全くされておらず、単に財務官僚(財務大臣かもしれませんが)の相場観というより省益と都合で決められているのです。

 もちろん、為替介入の原資は国債発行のため、立派な「国民負担」であり、その損失は国民に付け回され、かといって仮に「利益」が出ても国民のために使われる可能性はほとんどないのです。

 これでは、単に国民の財産を使って官僚が「ばくち」をしているのと変わりません。「国家戦略」でも何でもないのです。事実、膨大な累積損失が出ています。

 こう考えます。

 政府が為替介入をするとき(外為資金特別会計をそのまま残しても改組しても良いのですが)、外貨資産の保有高を海外投資家の保有する国債残高の、例えば50%にすると決めてしまいます。つまり、海外投資家の国債保有が増えれば(別に日々で集計する必要はありません)自動的に為替市場で外貨を取得するのです。だから為替介入とも言いません。

 なぜ保有する外貨資産の量を、海外投資家が保有する国債の50%を自動的に決めるかと言いますと、海外投資家が保有する国債の償還時に円安になっていればその利益で国債の償還負担が軽くなり、結果的に「国民負担」が軽くなるからです。

 現在の海外投資家による日本の国債の保有高は、最近急増して86兆円です。それに対して外為資金特別会計の保有する外貨資産は1.1兆ドル(偶然ですが86兆円)のため、外貨資産がまだ多すぎるのです。

 もし、万一償還時にさらに円高になっていれば単純に借り換えれば良く(その時は、円の需要がさらに増大している訳ですから借り換えは簡単のはずです)、さらに大量に海外投資家が保有してくれるはずです。その際も、やはり50%というのは自動的に維持します。

 個人的には、将来にわたって円高が続くことは考えていません。日本の人口構成や生産性の低さや税率の高さなど、どれをとってみても現在の円高が長期にわたって続くとは考えられません。

 したがって、円高のうちに(つまり世界中が円を選好しているうちに)海外投資家に日本の国債を大いに保有してもらい、財務省の省益による窮乏生活を強いられるのではなく、少しは「贅沢」をして経済回復を図り、さらに近い将来の円安で償還負担を軽くしてしまおうと言うことなのです。

 もうひとつ、為替介入(というより政府による外貨資産の取得)による外貨資産も、国民のために有効利用しなければなりません。中国のように外貨を「外交カード」に使うのは当然のことながら、SWF(Sovereign Wealth Fund)のような「国家の戦略のための投資ファンド」も考えるべきです。

 1月24日付け「ソブリン・ウエルス・ファンドについて その1」
 1月26日つけ「ソブリン・ウエルス・ファンドについて その2」をご参照ください。

 もちろん、これらが官僚の新たな利権や天下りの対象になることは、厳に避けなければなりません。

 突拍子もない考えと思われるかもしれませんが、結構真面目に考えているのですよ。


 お知らせ

 11月3日は休日のため、いつもの午前零時にはアップしません。ただ、米国FOMCなど重要なイベントがあるため、適宜メルマガを配信します。

 11月4日の午前零時には、いつものようにアップします。

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■為替・金融 » 国債 | 2011.11.02
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