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野村証券の病巣  その3

2011年11月11日

野村証券の病巣  その3

 2日ほどオリンパスについて書いたので間が空いてしまいましたが、このシリーズもきっちり締めようと思います。

 シリーズの最終回として、銀行の証券業務への進出と、特に野村証券が銀行(メガバンク)の傘下に入る可能性について書きます。

 日本で、銀行の証券子会社を通じた証券業務への進出が認められたのは1993年4月の金融制度改革法の施工によってです。当初は出来る業務について制限があったのですが、1999年10月より制限が完全撤廃されました。つまり銀行は(子会社を通じて)すべての証券業務が出来るわけです。

 世界の風潮も、欧州では1980年代に証券会社がどんどん銀行傘下に入り、独立系の証券会社がほとんどなくなりました。

 米国でも2008年の金融危機時に、Goldman Sacks とMorgan Stanleyは自ら銀行持ち株会社になり、Merrill LynchはバンカメのBear SternsはJPモルガンの傘下に入り、Lehman Brothersは破綻し、すべての主要証券会社(投資銀行)は姿を消しています。

 つまり、世界的に証券業務は銀行の傘下、もしくは銀行そのものの業務になっている中で、野村証券は(現在では大和証券もそうなのですが)主要国で唯一残った大手独立系証券会社なのです。

 一方、日本のメガバンクの証券業進出も試行錯誤の繰り返しです。

 三井住友銀行は、何のメリットもなかった大和証券との合弁を2009年末に解消し、経営危機に陥ったシティグループから日興証券を買い取りました。

 みずほ銀行は、そもそも母体である日本興業銀行・第一勧業銀行・富士銀行が出資する証券会社が山ほどあり(すべて天下りの対象でしかなかったのですが)、ほとんどを吸収合併したのですが、2011年4〜9月の最終損益が267億円の大赤字となり人員削減を発表しています。

 そして三菱UFJグループは、1兆円も出資したMorgan Stanleyと2つも合弁会社を設立したのですが、そのうちの三菱UFJモルガンスタンレー証券(旧国際証券)で巨額損失が発覚したこともあり、全く合弁会社としては機能していません。

 そんな中で野村証券は、傘下に入れた場合の効果はやはり大きく、水面下で争奪戦になっていると言われています。

 そもそも金融行政を司る旧大蔵省(現・金融庁)としても、「放っておいたら何をするか分からない野村証券(実際は、もう何も出来ないのですがねえ)

がメガバンクの傘下に入ってくれれば証券業務全般を監督しやすくなることと、世界的に証券会社は銀行の傘下に入っている風潮からも、もろ手を挙げて賛成してバックアップするはずです。

 日本の金融行政は、徹底的に「銀行」に甘く「証券会社」に厳しいのです。本誌ではこういった例を山ほど書いているのですが、とりあえず1月27日付け「ここにもあった銀行のあこぎなやり方」だけでも読んで見てください。

 しかし野村証券の最大の「価値」は、渡部社長がご執心の「海外を中心としたホールセールン部門」ではなく、「国内のリーテイル(個人営業)部門」、特に富裕層に対する営業力なのです。

 1997年から営業出身の社長が出ず、常に「虐げられ続けて」いる「国内リーテイル部門」にどれほどの力が残っているのかは正直わかりませんが、少なくともメガバンクから見れば垂涎の的のはずです。

 それを一番理解しているのが、かつて大和証券の法人部門のみと合弁して失敗し、日興証券ではリーテイルも含めて傘下に入れた三井住友銀行のはずです。大和証券(今度はリーテイルも含めて)をもう一度傘下に入れようとしているようですが、野村証券が手に入りそうだと乗り換えるはずです。

 ただ、野村証券については一番噂が先行しているのが三菱UFJです。Morgan Stanleyとの合弁が機能していないからなのですが、どう考えても「社風」が違い違和感はあります。9月16日付け「三菱銀行の野村証券買収」をご参照ください。

 個人的には、大変残念ながら野村証券が過去の高収益会社に戻ることはないと思っており、従って最終的に野村証券が銀行傘下に入る可能性は50%以上あると思います。

 特に1990年代以降の証券行政をよく見ていると、それが(野村証券を銀行の軍門に下らせることが)証券行政の最終目的のような気がしてならないからです。

 そうなると、三菱UFJグループと三井住友グループの一騎打ちとなるはずなのですが、いずれのケースも旧リーマンは必要ないので切り捨てることになります。

 そうこう言っているうちに野村証券の株価も歴史的安値の240円台になり、Moody’sも格下げを検討しているようです(現在の格付けはBaa2)

どうするつもりなんですかねえ?渡部さん、柴田さん。
 
 私は野村証券には思い入れがあります。このような原稿を書いたのも、何とか野村証券にかつての力を取り戻してもらいたいからなのですが、だんだん絶望的になっています。

 2月4日に「野村証券社長の話  その2」を書いたのですが、7月頃に野村証券の社員と思われる方から貴重なコメントを頂いていたことに気が付きました。

 もし、まだ本誌を読んで頂いているのでしたら現状を是非コメントしてください。また、他にも野村証券の方やOBの方がいらっしゃったら何でも結構ですのでコメントしてください。楽しみに待っています。

平成23年11月11日

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