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オリンパスの株価はどうなる?  その2

2011年11月15日

オリンパスの株価はどうなる?  その2

 昨日の続きですが、本日(11月14日)のオリンパスはストップ高(80円高)の540円となり478万株ほど買い物を残しています。やはり週末の報道で「上場が維持できる」との期待が高まったからのようです。

 本誌も、昨日の結論に「上場は維持できる」と書いたのですが、これについてもう少し詳しく書いてみます。

 まず、東京証券取引所の上場規定によれば、オリンパスが上場廃止となるケースは、「粉飾決算が会社ぐるみで悪質であること」と「決算発表が1か月以上の遅延となる」の2つです。

 それでは、「粉飾決算」がどれほど「悪質」であれば上場廃止となるのかを、過去の例で見てみましょう。

 まず、2006年1月のライブドア事件は(偽計・風説の流布と、粉飾にあたる有価証券虚偽記載で2回の事件なのですが)、当時の堀江社長以下取締役5名が逮捕され(うち2人が実刑)、ライブドア株式は東京証券取引所の「稀に見る悪質な犯行」というコメントと共に即刻上場廃止となりました。

 粉飾とされた金額は53億円で、これも「ない」ものを「ある」としたわけでもない「本当に粉飾なのか?」と思えるものなのですが、法人としてのライブドアも株主から700億円もの損害賠償を求められて支払い(うち310億円はフジテレビがせしめた!)、そのため堀江元社長はライブドアに208億円を支払うという和解をしています。

 ライブドア事件については、6月23日付け「ライブドア事件の闇  その3」に、かなり詳しく書いてありますので、ぜひ読み返して考えて見てください。

 あと、それより以前の2005年9月に事件化したカネボウも上場廃止になっているのですが、これは明らかに架空の利益を計上したりする「悪質」なもので、金額も2000億円を超えており上場廃止は当然だったと思われます。

ただ、当時の社長・副社長・監査を担当した公認会計士の3人が逮捕されたのですが、全員有罪判決でしたが執行猶予つきでした。

 ライブドアと対比されるのが、2006年12月に表面化した日興コーディアル証券です。子会社化したベルシステム24を使い、はるかに高度なテクニックで「粉飾」した金額が187億円と巨額だったのですが、なぜか全く事件化せず(誰も逮捕されず)、東京証券取引所も「会社ぐるみでなく、悪質性がない」との奇怪なコメントと共に早々と上場維持を決め、証券取引等監視委員会も5億円の課徴金のみで済ませてしまいました。

 5億円というのは大きいように思えるのですが、その「粉飾した」決算数字を使って500億円もの資金調達をしているので、これでも大甘の処分だったのです。

 日興コーディアル証券は当時の社長が取引を主導し、しかも社長以下がこの「粉飾した」収益で巨額の成果連動報酬を得ていたのですが「会社ぐるみでなく、悪質性がなかった」そうなのです。

 昨年11月17日付け「あの事件はどうなった? その2」に詳しく書いてあります。

 長々と書いたのですが要するに言いたいことは、東京証券取引所は粉飾した上場企業の上場を維持するかどうかの決定については独自に判断することなく、すべて「当局の方針」に従っていることです。

 だから、「当局の方針」を読まなければならないのです。逆に言えば、東京証券取引所が「当局の方針」に反して「独自に上場廃止にする」こともないのです。

 今のところ、その「当局の方針」としては、前面に出る「証券取引等監視委員会」が課徴金賦課を目的とする「開示検査課」が担当するようで、そこへ刑事告発を目的とする「特別調査課」が相乗りすることは組織上ありえないため、少なくとも「法人としてのオリンパスは事件化しない」ということで間違いなく、東京証券取引所も「上場維持」とするのでしょう。

 もう1つの「1か月以内の決算発表」もクリアーさせる方向のようです。

 しかし、仮に上場が維持できたとして、オリンパスの「適正株価」はどれくらいなのでしょうか?

 オリンパスの財務内容は、基本的には2009年3月期の巨額損失(1148億円)で「飛ばし」ている損失はなくなっているはずです。

 しかし、1600億円台の「純資産」から、ジャイラスの優先株とか、その他の多くの「連結対象会社」の問題資産を償却していくと、かなり目減りします。

 本日(11月14日)のストップ高で、「純資産」を1600億円のままと計算してもPBR(株価純資産倍率)が0.88倍となります。

 PBRは、日本を代表する製造業のトヨタ自動車が0.78倍、パナソニックが0.63倍、ソニーが0.58倍なのです。

 いくら、オリンパスが「内視鏡」という成長分野を持っていたとしても、適正PBRは最大1.0倍だと思われ、純資産の目減りを仮に1000億円までで止めたとして、時価総額で1000億円と考えます(株価は単純計算で369円)。

 「適正株価」は300円台なのでしょう。

 少し冷静になる必要がありそうです。

 それから全くの余談ですが、「証券取引等監視委員会」というのは字のごとく「委員会」で、委員長(現在は佐渡・元福岡高検検事長)と他2名の委員で構成されています。

 その委員の1人に野村証券OBの熊野氏がいたのですが、昨年12月に交代していました。

 別に、熊野氏の「見識」が委員にふさわしいということもないのですが、そこにも野村証券の政治力が働いていたのです。ここにも現在の渡部・柴田体制の力不足があります。野村証券が「委員会」から「配慮」されることも、これでなくなりました。

 平成23年11月15日

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■闇株的見方 | 2011.11.15
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