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日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その1

2012年02月14日

日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その1

 先週たくさん頂いたコメントを出来るだけ反映して、テーマごとに書いていきます。

(その1)「量的緩和は円安に効果があるのか?」について

 確かに短期金利がほぼゼロの中で中央銀行の金融政策には限度があり、実際に「通貨の需給関係」以外に円安になる合理的説明はありません。

 日本銀行が前回に量的緩和を行った2001年3月~2006年3月の間は、当時量的緩和を行っていたのが日本だけだったことや、その間に日本銀行のバランスシートが104兆円(当座預金4兆円)から144兆円(同31兆円)まで膨んだことや、さらに2003年1月から2004年3月までの間に当時の溝口善兵衛財務官(現・島根県知事)主導で合計35兆円もの巨額円売り・ドル買介入を行いその決済資金の大半を市中に放置したなど、はるかに現在の量的緩和より「積極的」なものでした。

 円・ドル為替は2001年3月のスタート時の105円(ユーロは125円)から、2002年初めに135円まで円安が進み、巨額介入後の2005年初めに101円まで円高となったものの、量的緩和終了後の2007年夏には124円(ユーロは170円)まで円安が進み、一応の「円安効果」は認められます。

 この日本の極めて積極的な量的緩和が、世界の株式市場や景気の好調さを大きく資金面から支えたことは間違いありません。その結果の資金流出に伴う円安でもあったはずです。

 日本銀行は現在も確かに量的緩和・第2弾を行っているのですが、2012年1月末現在の日本銀行のバランスシートは136.9兆円(当座預金29.8兆位)で前回のピークを下回っています。為替介入の是非については後で詳しく書きますが、為替介入の金額だけ比べますと民主党政権になってから16兆円(昨年8月以降に限ると13.5兆円)で、これも前回より少ないのです。

 2007年あたりから徐々に深刻になっていった世界の金融危機の中で、まず米国やユーロ圏や新興国・資源国から急激な資金流出が起こり、次いで米国をはじめとしてユーロ圏・英国・スイスなど先進国すべてが「極めて積極的」な量的緩和に転じていることが、2007年以降の円高の根本的理由です。

 それに加えて日本国内の事情として、円高とそれに伴う株安(最近は少し修正されてきてはいますが)による経済の見通しの悪化から、対外投資(株式投資も)などのリスクがなかなか取れないことがあります。

従って日本銀行も「極めて積極的」な量的緩和に踏み切れば、まず海外の円を見る目が変わって円高から円安に転じ、それによって日本からの対外投資が誘発されて一層の円安(と株高)を招いて経済活動が徐々に活発になり、それを見て銀行も「遅ればせながら」ほんの少しくらいは貸出を増やすかもしれないのです。

 さらに量的緩和とは日本銀行が銀行などから主に国債を大量に買い入れることなので、これが需給面から「国債の値下がり(暴落ではありません)」を防ぐことにもなるのです。

 やはり50兆円規模の量的緩和は必要なのです。その直接的効果よりも、特に海外に対するアナウンスメント効果と誘発される経済効果がはるかに重要なのです。

(その2)「それでは円安は日本経済にとってプラスなのか?」について

 確かに円高には原油などの資源の輸入価格を抑える効果があり、製造業の海外生産が進んでいる中で円安がどれほど日本経済に「プラス効果」があるのかは分かりにくくなっています。
 
 しかし、「為替介入は円高が日本経済の実体を反映していないから行う」との発言や、実際に円高が進むと株価が下落することや、中国の経済発展は人民元を人為的に安く維持していたからなどの「俗説」にそれほど違和感を感ずる人は少ないと思われます。やはり円安になると少なくとも心理的なプラス効果があり、それが実際の経済活動を少しずつでも向上させるのです。

 ただ日本の現状をやや長期的にとらえると、今は「円高(外貨安)のうちに、いかに官民とも良質の外貨資産を大量に取得し、(近い)将来の利息収入と外貨の値上がり(円安)による効果を取り込むという段階」に入っていると思います。

 もちろん民間が積極的に対外投資を行えばよいのですが、特に個人金融資産の大半が預金・保険・年金となっており運用者が対外投資に積極的でなく、また銀行の信用創造機能が全く失われているため民間の(対外に限らず)積極的な投資活動を阻害し、そして何よりも現状の「増税」路線が心理面をさらに暗くしているために進まないのです。

 従って、まず官(外為資金特別会計)が利益の還元方法を明確に国民に説明したのちに積極的な外貨取得に踏み切れば、それを受けて民間の(対外投資だけでなく)投資活動を間違いなく誘発して、結果的に日本経済が上向くはずなのです。これについては後でもっと詳しく書きます。

次回以降、以下のテーマについて書いていきます。

(その3)「そうは言っても膨張する国債残高は、いつか国債暴落を招くのでは?」
(その4)「海外の国債保有を拡大すべきという理由は?」
(その5)「官(外為資金特別会計)で外貨取得を行うと言っても具体的には何のためにどうするつもりなのか? 為替介入を批判していたのではないのか?」
(その6)「消費税増税を(当面でも)棚上げして、その財源はどうするつもりなのか?」
(その7)「そもそも日本全体でみると、財政状況は何の問題もないと書いていたではないか? じゃあ何が問題なのか?」

(それから)「オリンパスの処理に官僚の利権が入るというのは、はなはだ時代遅れだ」とのコメントも頂いていますので、これにもお答えします。

 ただし順番は変わるかもしれません。

 本日発売の「週刊朝日」も読んでみて下さい。

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■日本 | 2012.02.14
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