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日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その3

2012年02月20日

日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その3

 いま日本全体で取り組むべき政策のパッケージを考えるシリーズを続けます。

 先週末(2月17日)に、(その3)「そうは言っても膨張する国債残高は、いつか国債暴落を招くのでは?」を書いたのですが、そこで日本の国債について「現状を正しく見る限りは余裕がありそうで、近い将来の国債暴落はあり得ない」と書いたところ、「この国の借入金は大丈夫と言われてもなあ」とのコメントを頂きました。

 それを受けて本日は、これについてです。

(その4)「日本の財政はそこまで逼迫しているのか?」

 現在の消費増税の根拠は、増税しなければ年金や医療などの社会保障経費が賄えないということで、「社会保障と税の一体化」も結局は同じことを言っています。しかし、我が国の予算編成や国債整理基金などの特別会計を見れば見るほど「余裕がある」ように見えるのです。

 まず一般会計ですが、ここ5年ほどで予算額そのものが15兆円ほど増加しています。社会保障経費以外に「知らないうちに増えている予算(いわゆるバラまき)」があるのです。しかもこの間の「国債費」は低金利で借り換えが出来ていたためほとんど増えていません。

 また「国債整理基金特別会計」を初めとする特別会計にも、見れば見るほど「無駄」と剰余金(埋蔵金)が隠れているようです。それに公務員の人件費を1兆1000億円削減するという民主党のマニフェストもどうなったのかも良く分かりません。

 つまり、(社会経費以外の)一般会計と特別会計と公務員人件費を「もっとよく見れば」必ず消費税増税分以上のものが「削れる」はずなのです。まあこれらは広義の「官僚の利権」なので、放っておくと絶対に「うやむやに」なって「しわよせ」が国民にばかり向かってしまうのです。

 「国債暴落があるか?」の1点だけについて考えれば、「いつの間にか膨らんでいる一般会計(要するにバラまき)」と「特別会計の無駄と埋蔵金」と「聖域の公務員人件費」を放置しつつ、なおかつ社会保障経費を消費増税で賄おうとしているのですから、実際の日本の財政には「かなりの余裕」があることになり、ギリシャのような財政破綻による国債暴落は「ない」と言い切れるのです。

 だからその間に「いま日本全体で取り組むべき政策のパッケージ」を真剣に考えるべきなのです。

 その特別会計の1つの「国債整理基金特別会計」ですが、一般会計から組み込まれる「国債費」は平成24年度当初予算では21.9兆円計上されており、「償還財源(注)」と「利払い費」の合計です。

 (注)国債発行残高の1.6%を毎年繰り入れます。1.6%の理由はすべての国債は(建設国債も赤字国債も2年債も40年債も)60年で償還することになっているからです。

 平成24年度の「国債整理基金に資金繰り状況等についての仮定計算」をみると、「償還財源」は11.7兆円で、これは逆算すると国債発行残高が732兆円となるのですが、すでに平成23年12月時点で普通国債と財投債の合計が773兆もあったため、いったい何の数字を使っているのか分かりません。

 また「利払い費」は10兆円となっているのですが、これも平成23年度の利払いが約8兆円との試算もあり、「実感」よりかなり多い数字です。

 さらに平成23年度予算(補正後)で16.9兆円あった「剰余金」は、平成24年度当初予算で12兆円に「減額」となっているのですが、何処へ行ったのか良く分かりません。

 以上、特別会計のなかでも比較的分かり易いはずで、時期的に最も注目されなければならない「国債整理基金特別会計」ですら、これだけ良く分からないことがあるのです。

 特別会計の主だったものは、財務省管轄に「国債整理基金勅別会計」のほかに「外為資金特別会計」や「財政投融資勅別会計」、厚生労働省管轄に「年金特別会計」、国土交通省管轄には「社会資本整備特別会計(旧・道路整備特別会計など)」、農林水産省管轄には「食料安定供給特別会計」などがあり、その詳細を正確に知ることは非常に難しいのです。

 その中の「外為資金特別会計」については、本シリーズで詳しく取り上げます。
 
 次回は「円高のうちにやっておくべきこと」が2つあるのですが、まず「海外の国債保有を拡大すべきと思う理由は?」についてです。

平成24年2月20日


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■日本 | 2012.02.20
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