Archive

闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

株式市場の「中国問題」に切り込めるか? セラーテムテクノロジーの社長ら逮捕

2012年03月07日

株式市場の「中国問題」に切り込めるか? セラーテムテクノロジーの社長ら逮捕

 東京地検特捜部は本日(3月6日)、ジャスダック上場のセラーテムテクノロジーの社長ら3名を「虚偽の中国企業買収を公表した」疑いが強まったとして、金融商品取引法違反(偽計)の容疑で逮捕しました。

 同社が、平成21年11月13日に発表していた「英領バージン諸島籍の中国系ファンドを割当先とした15億円の第三者割当増資」が、同年12月16日に「払い込まれた」と発表したことが虚偽とされているはずですが、同じ11月13日に発表していた中国IT企業「北京誠信能環科技有限公司の子会社化」が虚偽とされているとも取れる報道もあります。

 あくまでも推測ですが、セラーテムの15億円の増資は半分が現金の払い込みで残りの半分がファンドからの貸付金の現物出資であり、その15億円で上記の中国IT企業を買収しているため、まずファンドが半分の7億5000万円をセラーテムに貸付けてすぐに現物出資で株式化し、セラーテムがその7億5000万円で中国のIT企業の買収資金の半分を支払い、中国側が受け取った7億5000万円でもう1回セラーテムの増資に払い込み(これで15億円の払い込み完了)、セラーテムがそれで買収資金の残りを支払った可能性があります。

 つまり、ファンドは7億5000万円の「見せ金」で15億円のセラーテム株式を取得して(議決権の過半数に相当)セラーテムの経営権を取得したのです。セラーテムの取得した中国のIT企業に本当に価値があったかどうかも疑わしいのですが、仮に価値があったとしてもその親会社となったセラーテムの株式の過半数を「タダで」手に入れて経営権を取得しているため、ファンド(実際はファンドの支配者)にとっては何の問題もないのです。

 さらに、その「タダで」手に入れた15億円のセラーテム株は急騰しているのです。

 発表前に5000円前後だった株価が、なぜか一連の発表前に3倍になり(第三者割当増資の払い込み価格は13,420円)、中国のIT企業の子会社化で業績が一変する(事実その後の同社連結決算では利益が計上されていますが)との予想で翌年には15万円近くまで急騰していました。その後1株を5株に分割しており、今年になっての株価は1万円前後でした(現在は3000円台に急落)。

 逮捕された3名はセラーテムの社長、取締役、元取締役なのですが、この3名は株価が上昇を始める前の平成21年7月に第三者割当増資と新株予約権の行使で3億円ほどのセラーテム株を5290円で取得しているので、ピークでは30倍近くになっていたのですが、最大の経済的メリットを得たファンドの「支配者」とは違います。

 また逮捕された元取締役は日本に帰化した中国人で、セラーテムと「ファンドの支配者」を繋いだ人物なのですが、これも「支配者」ではありません。

 さて、証券取引等監視委員会(これは特別調査課です)は、昨年6月にセラーテムを強制捜査していたのですが、当時はお決まりのマスコミへの「リーク」がありませんでした。まあ「慎重に秘密裏に調査する」必要があったのでしょうが、じゃあ「誰に気を使っていた」のでしょうか?

 昨年8月22日付け「株式市場の中国問題  その1」、同月24日付け「株式市場の中国問題  その2」で、日本の株式市場を舞台にした「あきれるほど単純で大胆な」中国人の行動と、これまた「あきれるほど中国人に配慮している取引所(主に東京証券取引所)」の実態を、チャイナメディア、新華ファイナンス、チャイナボーチーなどの例を挙げて書いてありますので、ぜひ読み返してみて下さい(セラーテムについては月刊誌FACTAが切り込んでいます)。

 そしてセラーテムの「ファンドの支配者」とは、チャイナボーチーの黒幕・程里全(チャン・リーチェン)に連なる何人かの名前が取りざたされていますが、実態は良く分かりません。

 今後の最大のポイントは、証券取引等監視委員会や東京地検特捜部がこの「ファンドの支配者」に切り込めるかどうかなのです。確かにセラーテムは上場会社であるため「架空増資」でも「虚偽の中国企業買収」でもIRは発表されているので「偽計の実行行為」があるとして、逮捕した3名を立件・起訴することは非常に簡単なのです。

 その簡単な「偽計」だけで3名を起訴して「終了」してしまい、「ファンドの支配者」だけでなく、チャイナメディア、新華ファイナンス、チャイナボーチー(程里全)、パシフィックホールディング(倒産)などの「株式市場の中国問題」には全く切り込まない恐れが強いのです。

 おりしも東京地検特捜部は、オリンパス事件で容疑者を再逮捕(何と、違う年度の有価証券の虚偽記載容疑です)しており、AIJ投資顧問もやらないわけにいかず、特捜部検事(当時)の報告書虚偽記載問題もあり、微妙な「株式市場の中国問題」は素通りしてしまいそうなのです。

そうでなくても、株式市場だけでなくすべての「中国問題」には、官邸をはじめとした「妙な遠慮」が働くようなのです。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:4 | TrackBack:0
■世界経済 » アジア | 2012.03.07
無料メルマガ配信(不定期)
↓↓↓
メルマガ購読・解除
 
関連記事
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

02月 | 2012年03月 | 04月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム