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AIJ投資顧問事件を巡る「官僚組織」の思惑

2012年03月09日

AIJ投資顧問事件を巡る「官僚組織」の思惑

 AIJ投資顧問については、発覚直後こそ各報道機関の報道が勢いよく出ていたのですが、厚生労働省OBの関与が出てきたあたりから途端にスローダウンしています。

 最近の報道は、AIJに委託していた厚生年金基金は中小企業の集まる「総合型」が多く、既に積み立て不足になっているところへAIJへの委託分も「消滅」していると、(最終的に負担を求められる)親会社が連鎖倒産する可能性が強いとの内容が多くなってきています。

 それに厚生年金基金(3階部分)は、公的年金である厚生年金(2階部分)の運用代行もしているケースが多いため、この部分の積立不足まで親会社の負担になるとも付け加えられていますが、これはAIJが発覚する前からの構造的な問題のはずです。

 何となく感じられるのは、年金を管轄する厚生労働省と運用側(投資顧問会社など)を監督する金融庁との「責任の押し付け合い」であり、特に厚生労働省としては天下りを含む今までの「利権構造」を出来るだけ維持して、最終的な損失を国家(つまり税金)か加入者に押し付けてしまおうという「意向」がありありと感じられます。

 厚生労働省OBが、AIJ投資顧問との関係(つまり一方的にAIJに騙されて利用されていただけ)をあっちこっちで喋るのを放置しているのも、「厚生労働省としては責任がない」との宣伝になるからのようです。

 AIJ投資顧問を監督する金融庁の対応がどうなっているかですが、現在はあくまでも傘下の証券取引等監視委員会(開示調査課)による「定例検査」(例の1年に15社程度と言われているもの)が行われており、最終的には免許廃止などの処分を金融庁に勧告することになります(それだけです)。

 金融庁は、その証券取引等監視委員会の勧告を待たずに「1ヶ月の営業停止命令(3月23日まで)」を出しており、さらに2月29日から(金融庁の)監督局証券課が263社ある投資顧問会社に「聞き取り調査」を始めたばかりで、その中で「疑わしい」業者が出てきて初めて傘下の証券取引等監視委員会(多分これも開示調査課)が「立ち入り検査」に入るという「非常に悠長」なものなのです。

 つまり「捜査権限」のあるところがどこも出てきていないのです。

 金融庁と「捜査機関」の関係は、こと金融商品取引法に関する「事件」については、まず証券取引等監視委員会で犯則事案を扱う「特別調査課」が強制捜査をかけ、犯則の容疑が固まれば担当する地検(東京なら東京地検特捜部、地方なら各地検の特別刑事部)へ告発し、逮捕・起訴となります(実際は、オリンパス事件でもそうなのですが逮捕が先で、告発は起訴の直前です)。

 これも報道では、今月下旬ころから強制捜査に踏み切るとも書かれています。これは3月23日までの営業停止期間中に「開示調査課」の検査を終わらせ、そこで初めて「特別調査課」が出てくるという意味のようです。
 
 ただこの場合の「容疑」はあくまでも金融商品取引法違反だけで、考えられるのは財務局へ提出している「事業報告書の虚偽記載」か、顧客向けの営業資料の「運用実績などの虚偽説明」くらいです。顧客である厚生年金基金などの資産を「騙し取った」というのは、この段階では容疑になりません。

 しかし、強制捜査をするという報道が「かなり前もって」出てきたのを見たことがありません。通常は強制捜査の当日朝か、強制捜査後に「リーク」されて報道となります。

 最近は、証券取引等監視委員会(特別調査課)が警視庁2課とか組織対策本部と組むこともあります。昨年の井上工業事件(金融商品取引法違反・偽計)とか、現在のオリンパス事件では指南役のうち横尾氏ら3人は警視庁が逮捕(最初は金融商品取引法違反、再逮捕は詐欺容疑)していますが、見ている限りは本来の告発先の東京地検特捜部との線引きが良く分かりません(多分政治的なものです)。

 つまり「捜査機関」が出てくるまでに、まだまだ時間がかかるのです。

 もちろん警視庁2課などが金融商品取引法違以外の、例えば詐欺容疑などで独自に捜査を開始することも可能なのですが、あまり現実的ではないようです。

 長々と書きましたが、これが現在のAIJ投資顧問事件に対する「厚生労働省」VS「金融庁」の構図なのです。「捜査機関」はAIJに関しては「金融庁」が主導しなければ動けず、どうも現状は「厚生労働省」が優勢のような気がします。

 本誌では、官僚組織について「旧・大蔵省」と「検察庁」と「外務省」についてはたびたび取り上げているのですが、実は旧内務省の主流である厚生省(現在は厚生労働省)もなかなか最強の官僚組織なのです。

 旧内務省は第二次世界大戦直後にGHQによって廃止されましたが、それまでは内政全般に関して絶対的な権限を有していました。具体的には地方行政・警察・土木・衛生などを管轄し、あの特別高等警察(特高)も管轄下でした。

 官僚組織をもっと理解するためには、この内務省の歴史をぜひ見ておく必要があります。それによってAIJを含む現在進行形の「事件」の構造が驚くほど見えてくるような気がするのです。近々書こうと思います。

 それから昨日「野村証券の社長交代」を書いたのですが、早速(新社長の)永井氏はインベストバンク部門の人間で営業部門にとっては「朗報」でも何でもないとのコメントを頂きました。確かに、最初なので国内営業と海外部門の対立構造をまず強調したため、国内部門にもあるリーテイルとホールセール(インベストメントバンクを含む)の対立にはあまり触れていませんでした。

 この辺も続編に書いていきますので、コメントをどんどん送って頂きたいと思います。


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