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日米欧の中央銀行について  その2

2012年03月28日

日米欧の中央銀行について  その2

 それぞれの中央銀行の行動などを、いろいろ比較するシリーズの2回目です。

 昨日は、白川日銀総裁のワシントンでの発言について「配慮」が足りないと書いたのですが、早速「配慮が足りないのではなく、景気回復イコールインフレでインフレを絶対阻止するという信念を世界に広言したものだ」とのコメントを頂きました。

 確かにご指摘の通りなのですが、別に日本銀行は日本国民を絶対にインフレから守るという強い信念があるわけでもなく、明治維新以来続く常に金融を引き締め気味にして世の中に供給する資金を絞ることによって存在感を出してきた「伝統(特権?風習?)」を頑なに守っているだけで、世界の金融・経済の状況に対応するという「協調性」も「柔軟性」も全く持ち合わせていないことになるのです。

 従って日本銀行総裁が交代しても後任が日本銀行から選ばれる限りは状況が変わらず、ましては来年の改選で「本命」の「準・10年に1人の大物大蔵次官」である武藤敏郎氏が復帰すると、それに強烈な財政再建論(もちろん日本銀行の管掌ではないのですが)が加わって「もっと恐ろしいこと」になりそうです。武藤氏については1月5日付け「2012年に起こりそうなこと  その7 どうしようもないほど混乱しそうな消費税引き上げ」に書いてあります。

 さて、本日は米国の連邦準備制度についてです。

 全くの偶然なのですが昨日(3月26日)、バーナンキ議長が「雇用の大幅な拡大には金融緩和策が必要」と現在の緩和政策を正当化した発言を行いました。現在の緩和政策の維持だけでなく新たな追加金融緩和の期待も出て、NY株式が160ドルもの上昇となりました。恩恵を受けて日本の株式も10255円と震災後高値を更新しています。

 本格的な景気回復のためには、まず株式市場の上昇による心理好転と資産効果が重要であることを十分に理解した上で、絶妙のタイミングをとらえた発言でした。これで本当に景気回復の兆しが見えてくると、そもそも追加金融緩和というカードも温存することが出来るのです。

 これこそ中央銀行の責任者のあるべき姿なのです。
 
 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度(Federal Reserve System)とは、NYなど全国の主要都市にある12の連邦準備銀行(Federal Reserve Banks)と、それらを統括する連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、略してFRB)から成ります。

 現在の形になったのは意外に新しく、1913年にモルガン家、ウォーバー家、ロックフェラー家などヨーロッパのユダヤ系資本家が中心になって設立されました。12の連邦準備銀行の株主はこれらのユダヤ系資本と管轄される地域の銀行で、米国政府は株主ではありません。

 余談ですが12ある連邦準備銀行のすべてが発券銀行で、お札にはNY連銀なら2番、SF(サンフランシスコ)連銀なら12番と、必ず発券した連銀の番号が入っています。さらにドル紙幣に「ユダヤの目」が描かれているのも、この辺の歴史的事情を反映しているのかもしれません。

 金融政策の中で最重要である公開市場操作の方針を決める連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee、略してFOMC)は、連邦準備制度理事会(FRB)の理事7名(任期14年で再任不可)と、12の連邦準備銀行総裁からNY連銀総裁を必ず含む5名の総裁(定期的に交代)で構成されています。

 また連邦準備制度理事会(FRB)の議長と副議長は、理事の中から任期4年(再任あり)で選ばれます。現在はもちろんバーナンキ議長ですが、バーナンキ氏はブッシュ前大統領時代の2006年2月に選ばれており、理事としての任期が2020年1月まで、現在2期目の議長の任期が2014年1月までとなっています。

 バーナンキ議長の前任者であるグリーンスパン議長は1987年8月から2006年1月まで16年半も議長だったのですが、どうやって14年の任期を越えていたのかは分かりません。

 しかし、最近は政権が交代すると理事は任期途中でも交代することが多く、現在の理事は2名が空席で5名なのですが、副議長のジャネット・イエレン理事(元SF連銀総裁)を含めて3名の理事がオバマ政権になってから交代しています。ついでに言いますとバーナンキ議長を含む5名の理事のうち3名が女性です。

 そして現在、空席となっている2名の理事候補が上院銀行委員会とオバマ大統領の承認を得ており、今月29日に上院本会議で承認されれば正式に理事となります。ハーバード大学経済学部教授のジェレミー・スタイン氏と、カーライル元幹部のジェローム・パウエル氏ですが、実は両名とも先日の上院銀行委員会の承認公聴会で「長期間にわたる金融緩和に否定的」な意見を述べています。

 昨日のバーナンキ議長の発言は、この辺も意識したものだと思われます。

 さて、ECBとドラギ総裁については2月29日付け「ドラギ総裁のジレンマ」、3月2日付け「ドラギvsバーナンキvs白川」で書いているので繰り返しません。ドラギ総裁は見事に昨年秋のユーロ危機から世界の金融市場を落ち着かせ、市場から圧倒的に信頼されているようです。

 こう見てきますと、日本銀行の硬直的な体質は日本経済にとって「大きなリスク」であることが分かります。

 さて本日は、AIJ投資顧問の浅川社長らの国会参考人招致とか、消費増税関連法案の事前審査の行方とか、北朝鮮のミサイル問題などのニュースがあるのですが、それぞれ別の機会に書くことにします。



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■世界経済 | 2012.03.28
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