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たくさんある「重大事件」それぞれの行方  その1

2012年03月30日

たくさんある「重大事件」それぞれの行方  その1

 「消費税関連法案」「AIJ投資顧問事件」「北朝鮮ミサイル」「起訴後のオリンパス事件」など、それぞれの行方について書いていきますが、まず本日は次の2つです。

その1「犯人隠避罪に問われた大阪地検特捜部元部長・元副部長への判決」

 明日(3月30日、本原稿は29日に執筆)、郵便不正事件の証拠改ざん事件に関連して犯人隠避罪に問われた両名に対する判決が大阪地方裁判所で言い渡されます。事件については繰り返しませんが、実行犯である元主任検事(服役中)が「故意に改竄したことを認識していたか」の1点のみが争われています。

 これを前もって記事にするのは、求刑通りの実刑判決(1年6ヶ月)が100%出ると思うからです。

 「最強の官僚組織」である検察庁の組織を守るための裁判で、検察庁は万事遺漏のない証拠を裁判所に提出しているはずだからです。特にこういう物証の少ない事件では「被告の性格や仕事ぶり」や「こういう会話をした」など、物証があるはずがないポイントについての供述(調書)に重きが置かれ、複数の関係者が「似たような供述(全く同じでもダメなのです)」をすれば「真実」とされてしまうのです。

 裁判所は、これらの「万事遺漏なく揃えられた」証拠を基に淡々と「判断する」だけなので、無罪判決が出るはずがないのです。

 本件はあくまでも「検察庁」という世間から遊離した特権階級の中での争いで、結果がどうであれ検察庁の体質が改善されることはなく、基本的に「どうでもよい」のですが「やっぱりそういうものか」ということを確認する意味で注目しています。

 同時に、各報道機関がどのように報道するのかも興味があります。

 そもそも郵便不正事件の証拠改ざんが「大事件」となったのに、同質であるはずの陸山会事件の検察審査会への提出書類の虚偽記載は「全く問題にもならない」理由については、3月21日付け「旧・内務省の亡霊が支配する日本  その1」に書いてあります。

 また、そこで「そもそものターゲットは村木さんではなく、民主党の石井一議員だったはず」とのコメントを頂いているのですが、検察庁としては(自民党よりはるかに扱いやすい)民主党議員より「旧内務省の高級官僚」を逮捕することの方がはるかに「意味があり」優先度が高かったはずです。

その2「東京電力の資本注入申請」 

 東京電力は本日(3月29日)の取締役会で、政府の原子力損害賠償支援機構に1兆円の資本注入と、同時に福島第1原子力発電所事故の賠償資金として8459億円の追加援助を求めることを決定し、実際に本日申請しました。

 資本注入の条件である総合特別事業計画も提出しておらず、また議決権の問題やリストラ案や経営責任などすべてほったらかしにして、値上げまで高圧的に強行しようとしている中で当然のような顔をしての申請です。これで総額3兆5000億円の公的資金が投入されることになります。

 さて、東京電力の厚顔無恥は今に始まったことではないのですが、それ以上に「えっ」と思ったことがあります。

 公的資金申請の理由として、賠償資金等を2012年3月期決算に計上を迫られるので債務超過にならないためと報道されています。確かに資本注入は自己資本となるので債務超過の回避にはなります。

 明らかにおかしいのは、仮に3月末の決算期末までに資本注入(つまり増資)を申請したところで、出資する側(国)の了解も、具体的な発行条件も、増資の発行決議もIRも、もちろん払い込みもされていない状況で「自己資本」に組み入れようとしていることです。

 つまり上場会社が(東京電力も上場会社なのですが)、決算期末までに投資家に「増資をやりたいと思うのですが、よろしく」と言っただけで、投資家の了解も得ておらず、発行条件も決まっておらず、当然に増資の発行決議もIRもしておらず、(細かく言うと取引所と財務局への事前説明が必要なのですが、当然やっておらず)、もっと当然に払い込みもされていない状態で自己資本に算入して決算を行えば、明らかに「有価証券報告書」の虚偽記載となります。

 参考のために書いておきますと、金融商品取引法では有価証券報告書の虚偽記載の首謀者には10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその併課となり、会社(つまり東京電力)はすべての株主の損失に対して責任が出てきます。ちょうど起訴されたばかりのオリンパス事件と同じです。
 
 また東京電力自身が「公的資金を申請したので2012年3月期は債務超過にはなりません」という意味のIRを出したらその瞬間に「虚偽開示」となり、もし株価の維持・上昇を図るためと認定されたら「偽計」となります。「偽計」の罰則は有価証券報告書の虚偽記載と同じです。

 まあ、東京電力だけに特別認められる法律があるのかもしれませんが、そうでなければ堂々と金融商品取引法違反が起ころうとしているのです。

 残りの「重大事件」については次回です。


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■日本 » 政治 | 2012.03.30
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