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消費増税法案可決の本当の怖さ

2012年06月27日

消費増税法案可決の本当の怖さ

 本日(6月26日)午後、消費増税法案が衆議院本会議で可決されました。

 注目された民主党議員の反対は小沢グループを中心として57人となりましたが、それよりも衆議院議員総数478人(議長と欠員1人を除く)のうち75.9%に相当する363人もが賛成したという「国民感覚から大きく遊離した立法府」の不気味さです。

 つまり「立法府である国会が、いつの間にか主権者である国民から全く遊離して制御不能」となっているのです。これは民主主義国家ではありません。

 これは決して自慢するために書くのではないのですが、4月2日付け「たくさんある重大事件それぞれの行方 その2」の中ほどに以下のように書きました。

 結局は「政治家は言い訳だけできるようにしてやれば、最終的には保身を図り反対しない」ことを「官僚組織」に見透かされているのです。(中略)最終的に増税法案は「意味のほとんどない修正(これが政治家の言い訳になります)」だけ加えて国会で可決されてしまうことを意味します。もちろん解散もありません。

 正直に言うとこの時点でも、まさか自民党と公明党まで含む363人もが賛成するとは思っておらず、ましては「意味のない修正」すらなしで可決されてしまうとも思っていませんでした。つまり社会保障改革を棚上げして政治改革・公務員改革も全く伴わず、文字通り「消費税率の引き上げだけ」を可決してしまったのです。

 まさに「最終的に勝(栄二郎)さんの思惑通りに進んだ(週刊現代)」のです。

 昨日その週刊現代の記事を引用したことについて「財務省が抗議する品格の雑誌ではないため、もう少し格上のメディアの記事を引用したらどうか」とのコメントを頂きました。

 「マスコミの品格」とは、「信頼できる情報源から取材しているのか?」あるいは「取材対象(財務省)のなかでほぼ平均的な意見なのか?」だと思うのですが、本誌が理解している「財務省の体質」を見事に表した記事だったので引用させてもらいました。

 つまり本誌の言葉で書いたとしても「似たような内容になっていた」はずです。

 本誌は一貫して「官僚組織が支配する弊害」について実例をあげて書いてきました。そして「官僚組織」の強さとは、701年の大宝律令以来1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操って生き残り、その間に張り巡らせた利権を含む支配構造は、時の政権が「どうこう」出来るレベルではないのです。

 確かに「官僚組織」の中では省庁間の暗闘があるのですが、対国民(政治家を含む)では「OBを含むオール官僚組織」は見事に団結して大変な力を発揮するのです。

 その原型を作ったのが藤原不比等です。昨年5月16日付け「書き換えられた歴史・藤原氏の正体  その1」、5月17日付け「同、その2」、5月18日付け「同、その3」に書いてあります。

 そして、日本の歴史の節目には「傑物官僚」が暗躍した形跡がはっきりと残るのです。詳しくは別の機会に書きますが、明治維新の中心にいたのは岩倉具視です。下級公家の出なのですが「広義には官僚」です。明治維新を推進したのは坂本竜馬でも勝海舟(勝栄二郎とは関係ないようです)でもありません。

 言いたいことは「日本の仕組みを(もちろん官僚組織のために)変えてしまう傑物官僚が歴史上ちょくちょく現れている」ことと、今回の消費増税を(官僚組織にとって)何の犠牲も払わずに強行してしまった勝栄二郎は、ひょっとして藤原不比等や岩倉具視クラスの「傑物官僚」かもしれないことです。

 能力はともかくとして、間違いなくその野心は持っているような気がします。

 あと1年間、財務省だけでなく全官僚組織を率いて、万全のマスコミ対策を行い、向こう100年間(1300年とは言いませんが)持続する官僚支配の仕組みの強化を行ってしまうのではないかと心配しているのです。

 財務省だけでなく官僚組織とは「傑物官僚」がでてくると余計に団結して「大きな目標」に向かうもののようです。「あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ(週刊現代)」なのです。

 これが創刊以来一貫して「官僚組織」について考えてきた本誌が、本日の消費増税の可決をみて感じた「正直な実感」なのです。


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■日本 » 政治 | 2012.06.27
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2人の大物官僚について

2012年06月26日

2人の大物官僚について

 本日(6月25日)の日本経済新聞朝刊は、小沢一郎氏の消費増税関連法案への反対・離党は「理解できない」が53%もあるとの世論調査結果を一面に大きく載せています。

 まあ先週末から本誌に頂いているコメントだけ見ても「理解できない人が53%もいる」とは思えないのですが、本日は直接その話題ではありません。

 最強の官僚組織である財務省と検察庁(法務省)のトップの2人についてです

 まず「影の総理」である財務省事務次官・勝栄二郎氏は、7月から異例の3年目に入るようです。既に完全に「前・10年に1人の大物次官」の斉藤次郎氏(現・日本郵便社長)や「準・10年に1人の大物次官」の武藤敏郎氏(次の日本銀行総裁の有力候補)を上回る存在感となっています。

 本日発売の週刊現代に、財務省キャリアの話としてこう紹介されています。

 「造反議員が何人出ようが、そんなことどうでもよい。最終的には勝(栄二郎)さんの思惑通りに進む」、「政治家が財務省に勝てるはずがない。もともと(財務官僚の方が)頭が良くて、集団で戦うから」、「勝さんのガバナンス(統治)は完璧で、あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ」(紙面の関係で少し省略してあります)。

 まあ財務官僚の傲慢さは今に始まったことではないのですが、特に勝栄二郎氏の財務省での存在感を見事に表しています。

 同じ記事の中で(べつに興味も無いので知らなかったのですが)勝栄二郎氏が東大法学部卒でも早稲田からの学士入学であり、入省の時の成績が下から2番目だったとも書かれています。

 ちょうど大蔵省の過剰接待事件があった時に「汚れ仕事」を引き受けたことや、「腰が低くて誰にでも丁寧に対応する」「マスコミ対策がうまい」など、入省時の経緯からか、よくあるエリート官僚タイプとはかなり違っていたことが成功の理由のようです。

 週刊現代をずいぶん勝手に引用してしまったので、出来るだけ買って読んでみて下さい。

 国民の負託を受けていない官僚が、国家を我が物顔で動かす「弊害」は今に始まったことでありません。何度か書いているのですが、日本の官僚組織は大宝律令の制定された701年から1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操ってきたのです。

 そして現在の「影の総理」である勝栄二郎氏は、藤原不比等級の「大物官僚」なのかもしれません。感心しているのではなく「向こう100年(1300年とは言いませんが)にわたる日本の根本的仕組みに手を加えられるかもしれない」と警戒心を強めているのです。

 次は検察庁の笠間治雄検事総長についてです。

 検察庁は法務省に所属しているのですが、トップは法務事務次官ではなく検事総長です。そして笠間氏は一昨年の年末に、件(くだん)の証拠改竄事件の責任を取って辞任した大林宏検事総長の後任として就任した「現場派としては2人目」の検事総長です。一昨年12月29日付け「官僚組織について  その3」に書いてあります。

 これはあくまでも検察批判がある間の「つなぎ」でしかなく、実際に笠間氏はほとんど表に出ることがありませんでした。そして来月、予定通りに「赤レンガ派」のエースである小津博司・東京高検検事長に禅譲するはずです。

 来月というのは、小津氏が本年7月12日に検事長の定年である63歳になるため(検事総長だけ定年が65歳)、その前までに禅譲しなければならないのです。

 というのは同じように検察批判のあった時期に「つなぎ」で検事総長になった「現場派」の吉永祐介氏が微妙に居座ったため、「赤レンガ派」のエースだった根来安泰周氏が定年になってしまったことがあるのです。

 ただ根来氏は定年後に公正取引委員会委員長や日本プロ野球コミッショナーを歴任し、検事総長だった吉永氏(現弁護士)より明らかに厚遇されています。

 検察庁は1年半の笠間氏の「つなぎ」終了後、何事も無かったように「赤レンガ派」の支配に戻ります。笠間氏の辞任(定年前なので辞任です)でもって、陸山会事件の検察審査会への虚偽報告についても軽微な行政処分(10%減俸を1ヶ月程度)が下されて幕引きとなるはずです。


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■日本 » 政治 | 2012.06.26
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