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IMFの内政干渉・財務官僚の思惑

2012年06月13日

IMFの内政干渉・財務官僚の思惑

 本日(6月12日)IMF(国際通貨基金)が、毎年実施している「対日4条協議」による日本経済に対する報告書を公表しました。

 内容は「消費増税を盛り込んだ社会保障・税一体改革の成立は不可欠で、消費税率は最低15%への引き上げが望ましい」「日本銀行へは資産買い入れの増額を含む一段の金融緩和策を求める」などとなっています。

 為替市場については「円の現在の水準は過大評価」として、為替介入についても「秩序を欠いた動きに歯止めをかけることは出来る」と一定の理解を示しました。

 これを受けて本日の為替市場では円がドルとユーロに対して「やや円安」となり、大幅下落していた日経平均も「やや下げ幅を縮小」しました。

 まさに「財務官僚の思惑に沿ったIMFの内政干渉」なのですが、もう少し詳しく見てみましょう。

IMFとは1944年7月のブレトンウッズ協定によって創設され、国際復興開発銀行(世界銀行)とともに国際金融秩序の根幹をなします。実際には、経常収支が著しく悪化した加盟国に融資を実施するなどで、国際貿易の促進・為替の安定に寄与することを目的としています

最近の例では1997年12月に、大手財閥系メーカーや金融機関などが次々に破綻する経済危機に見舞われた韓国へ、厳しい緊縮財政と為替安定のための金利引き上げなどを条件に550億ドル(当時の為替レートで7兆円)の融資をしました。

 しかしこれは韓国経済の成長を犠牲にして、実際に数多くの企業や金融機関が外資に二束三文で買収されたのですが、IMFは無事に2001年頃までに全額回収しました。この融資が本当に韓国国民のために必要だったのかについては否定的な意見が多いようです。

 もちろん日本はIMFから融資を受けているわけでもなく、将来受ける必要もないため、このような内政干渉に等しい「提言」をされる必要は全く無いはずです(注)。

 (注)このような驚くべき内政干渉は今年に始まったことではなく、消費税15%というのは確か2010年の「提言」から入っていました。

 それどころか、日本は米国に次ぐ世界第2位に出資国(出資比率6.4%)なのです。第3位の中国は6.3%と肉薄していますが、最大出資国の米国は拒否権確保のために必要な15%近くまで減少してきています(つまり距離を置いているのです)。

 さらに本年4月に、日本は欧州危機に対して4300億ドルの資金確保が必要となったIMFに対し、真っ先に600億ドルもの資金協力を表明しました。日本の出資比率(6.4%)の倍以上に相当する大盤振る舞いでした(米国は資金協力を拒否しています)。

 同じ時期に同じような目的で世界銀行とIMFが設立されたのですが、世界銀行が歴代の総裁を含めて米国の影響下にあることに比べて、IMFは歴代のトップ(専務理事)がすべて欧州出身であり欧州の影響下にあります。

 つまり米国とIMFの関係は「良好」とは言えません(EUとIMFの関係も結構微妙です)。

 日本が600億ドルの資金協力など異常とも思えるほどIMFに協力しているのは、財務省出身者が副専務理事に就いており(現任は元財務官の篠原尚之氏)、それ以外にも多くの財務官僚が出向しているからです。

 つまり財務官僚の思惑を、国際機関であるIMFに「代弁」させているのです。そのための600億ドルと言えなくもないのです。

 ただ「国策」を考える時にこの異常なまでのIMF寄りの財務官僚の姿勢は、米国との関係、特に今後の国際通貨体制における日本の役割を考えた時に「決して得にならない」はずです。

 日本には、ドル基軸通貨体制のなかで「円に基軸通貨の役割の一部を担わせる」選択肢しかないはずです。5月11日付け「改めて日本政府に対する真摯な提言 その3」に書いてあります。

 実は2008年11月にも、時の麻生政権が金融危機対策としてIMFへ外貨準備から1000億ドルを上限として提供すると表明しました。もちろんIMF寄りの財務官僚の意向を取り入れたものなのですが、これは外貨準備で購入している米国国債などを売却することを意味し、米国政府が「難色」を示しためほとんど実行されなかったはずです。

 さらに言うと、これが時の中川昭一財務相辞任(その前に例の酩酊記者会見)の遠因にもなったはずですが、真相はやぶの中です。

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■日本 » 財政 | 2012.06.13
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