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新たな局面に入りそうな世界の金融政策

2012年07月26日

新たな局面に入りそうな世界の金融政策

 それぞれ金融緩和(特に量的緩和)を続ける日米欧の中央銀行ですが、その効果を疑問視する声がだんだん増えてきています。「手詰まり感」が出ているのです。

 まずECBですが、昨年12月と今年の2月に合計1兆ユーロの資金供給(期間3年)を行い「かなりの効果」がありました。そして今月は政策金利の引き下げ(1.0%から0.75%へ)と同時に中央銀行への預金金利を0.25%から一気にゼロとしました。

 ECBに預けられたままの域内銀行の預金(金利がゼロになる直前は8000億ユーロ台)が貸し出しや、特に債務問題国の国債購入に回ることが期待されたのですが、昨日(7月24日)にはスペイン10年国債の利回りが一時7.6%、イタリア10年国債も6.6%まで上昇しました。

 特にスペインでは状況の悪化もあるのですが、少なくとも今回はECBの緩和策が「債務問題国の不安を和らげる効果」があったとは言えません。

 一方FRBでは、金融危機直後の2009年3月~2010年3月のQE1で1.75兆ドルの主にMBS(住宅担保証券)の購入、次いで2010年11月~2011年6月のQE2で6000億ドルの長期国債の購入による量的緩和で「かなりの効果」を米国経済にもたらしました。

 ところがその後は長期国債の保有比率を高める「ツイストオペ」と「異例の低金利を2014年終盤まで続ける」との発表にとどまり、「FRBが新規に資産を購入するQE3に踏みきっていない」こともあってか「効果が出ているとは言えない」状況が続いています。

 もともと金融緩和(量的緩和)の効果は「資産価格の上昇」「自国通貨安」などによる市場心理の改善(欧州の場合はそれに加えて債務問題国へ対する不安の軽減)に限られるのですが、特に最近は「単なる資金供給だけ」では効果が無くなってきていることも事実なのです。

 特に米国では量的緩和の重要な効果である為替市場で(特にユーロに対して)ドル高が進んでしまっています。

 ドルインデックスは2011年5月の安値(72.70)から直近では84.00へ、逆にユーロインデックスでは2011年5月の高値(149.40)から直近では120.65となっています。

 確かに米国は政治的理由もあって「ドルを対ユーロでは、ある程度高くする」方針に切り替えているのかもしれないのですが、これ以上のドル高は米国経済への悪影響と、何よりも大統領選挙に不利な材料となります。

 そこでFRBは次の緩和策として、FRBが直接銀行に対して(新たに貸出を行うことを条件に)低利で融資して利鞘を稼がせるとか、現在0.25%であるFRBへの預金金利をゼロにするとか、さらには一定金額以上のFRBへの預金に対して「懲罰的金利(マイナス金利)をかけるなど(あるいはその組み合わせ)が予想されるのです。

 今月に「ECBへの預金金利をゼロにした」結果、少なくとも「ユーロ安」には劇的な効果があったことを見ているからです。

 つまり世界の金融緩和は「単純に資金を供給するだけ」では株高にも通貨安にもならず経済効果がほとんどなくなり、「中央銀行の供給する資金が経済に行き渡るための方策」が重要となってくるのです。

 日本銀行は2001年3月~2006年3月に世界で最初に量的緩和に踏み切り、2008年12月に再開しています。世界で最も長く量的緩和を続けていることと、(特に再開後は)いやいやながら小出しにしていることもあり、経済活動にも為替(円安)にも全く効果がありません。

 日本銀行が当座預金への付利(0.1%)に何故か固執しており、「新たな局面に入った世界の金融緩和」にもさらに遅れをとり、ますますの「円高」「株安」「大不況」となってしまうのです。

 少なくとも日銀当座預金金利をゼロにすれば(2~3年の)短期国債の利回りは自然に下がり(欧州主要国の2年以下の国債利回りはマイナスです)、円高は止まります。

 さらに「世界に先駆けて」当座預金に懲罰的金利(要するにマイナス金利)を導入すれば、「劇的な円安」「かなりの株高」になり「実態経済も少しは明るくなる」と「理屈ではなく確信して」いるのです。

 それから本年1~6月の日本の貿易赤字が、半年では過去最大の2兆9158億円となりました。「円安」になるともっと貿易赤字になって日本経済に悪影響となるとの意見が出てくるのですが、本年5月3日付け「そもそも円安は日本経済にとってプラスなのか? その1」と、5月4日付け「同、その2」に解説してあります。

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■闇株的見方 » 経済 | 2012.07.26
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