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マニアックな話 その2

2012年08月20日

マニアックな話 その2

 久しぶりにマニアックな話をします。本日はジャスダック上場のソーシャルエコロジープロジェクト(コード・6819)についてです。

 最近のソーシャルエコロジープロジェクト(以下、「ソーシャル」)を巡る動きに関して、(ソーシャルの意向だと思いますが)状況や危機感が正しく市場に伝えられていないようなので、IRなどから分かる範囲で解説します。長くなりそうなので2回に分けます。

 ソーシャルとは、もともとボディーソニックという体感音響機器のメーカーだったのですが、その後オメガ・プロジェクトと社名変更して「リング」などの映画製作が中心事業となり、3年ほど前から現社名となって「伊豆シャボテン公園」など複数のレジャー施設を運営しています。

 そのソーシャルが8月13日に「当社子会社の新設分割に関するお知らせ」というIRを出しました。「伊豆シャボテン公園」など複数のレジャー施設を保有・運営するソーシャルの100%子会社・サボテンパークアンドリゾート(以下、SPR)を分割して、そのSPRの保有するレジャー施設の中から「伊豆四季の花公園」と「伊豆海洋公園ダイビングセンター」の運営事業だけを(資産込みで)新設会社に承継するというものです。

 この新設会社はSPRの100%子会社となり、SPRはソーシャルの100%子会社なので、ソーシャル全体の連結では何も変わりません。それでは何でこんな無意味なことをやるのでしょうか?

 それはソーシャルの5月21日のIRで、SPRが静岡県伊東市に所有する公園等の土地・建物が本年5月9日に静岡地方裁判所沼津支部から競売開始決定を受けたと発表しており、これと関連するのですが「複数の意図」があるはずです。

 その前に、何で所有不動産が競売になったのかを正しく理解するためには、数年前からの状況を知っておく必要があります。

 今回の競売対象の不動産(「伊豆シャボテン公園」など、SPRが所有するレジャー施設の大半と思われます)は、SPRが平成18年3月9日に前所有者のICPから3億円強で購入したのですが、これらの物件はバブル時のものでICPには膨大な負債(100億円以上?)が残っており、これらの物件にも膨大な抵当権(100億円近い?)がつけられていました。

 当時のオメガ・プロジェクト(以下、「オメガ」)の経営陣は、このICPの負債も債権者(当初は銀行でしたが外資系サービサーに移っていました)から大幅ディスカウント(多分数億円?)で購入してしまい、オメガの別の関連会社であるヘラルドトレーダーズが新しい債権者と抵当権者になっていました。

 今回、この債権をヘラルドトレーダーズから購入した「新しい債権者」が競売を申し立てたわけです。そもそも平成18年3月9日にSPRとICPの売買契約の詳細は開示されていないのですが、常識的に考えて3億円強の譲渡価格に数億円以上と推測できる抵当権の価値が含まれていたとは考えられません。

 つまり上場会社のオメガ(当時)としては、年間20億円の売り上げが期待できるこれ等の不動産(レジャー施設)を「たとえ抵当権がつけられたままでも」3億円強で購入して、売り上げと収益を取り込む意義は十分にあったのです。

 さらに当時はオメガも、SPRも、ヘラルドトレーダーズも、(そして多分ICPも)すべてオメガの経営陣が掌握していたので何の問題もありませんでした。しかしその後のオメガは迷走し当時のオメガの経営陣は放逐されて、現在のソーシャルと100%子会社のSPRだけが「新しい経営陣」に取り込まれてしまったのです。

 つまり現在は「ソーシャルとSPR」対「ヘラルドトレーダーズと(多分)ICP」という対立構造となっているのです。そして「ソーシャルとSPR」の「新しい経営陣」は、そもそもこれら不動産(レジャー施設)の取得に「何の貢献も」していないのですが、現在はこれらレジャー施設から上がる売り上げと収益を「独り占め」しているのです。

 平成24年3月期のソーシャルの連結売り上げ21億円の中で、これらレジャー部門の売り上げは19億6500万円を占め、当然そこからのキャッシュフローで本社経費や「新しい経営陣」の人件費すべてを賄っているのです。

 しかもソーシャルは、まだこれら不動産の取得代金3億円強のうちの7500万円ほどが未払いで、ICPから支払い請求の裁判を起こされています。またソーシャルは逆にICPに対して「抵当権を抹消するように」との裁判を起こしていますが、これは経緯から考えても全くの無理筋と言えます。

 つまり「新たしい経営陣」は取得に何の貢献もしていない不動産(レジャー施設)から上がる売り上げと収益(現金)だけでなく、「不動産そのもの」まで「独り占め」しようとしていたのです。

 これが問題の根本的構図なのですが、続きは次回です。
 
 それから6月6日付け「マニアックな話」では、昭和ホールディングス(コード・5103)について詳しく書いてありますので、併せて読んでみて下さい。

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■闇株的見方 » 株式 | 2012.08.20
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