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もう一度、危険な議論「日銀による外債購入」

2012年10月12日

もう一度、危険な議論「日銀による外債購入」

 10月5日付けの同題の記事に対し、「過去の日銀審議委員の間でも賛同されていた議論で、最近でも岩田一政・元日銀副総裁が50兆円の外債購入を提唱しており、本誌の主張は陰謀論にすぎない」とのコメントを頂きました。

 ご指摘のポイントも入れて「続き」を書くことにします。

 尚、10月8日発信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」でも「続き」を書いているのですが、少しだけ内容が重なると思いまず。

 日本銀行は2001年3月19日に、金融市場における主たる操作目標を従来の無担保コールレートから当座預金残高に変更し、その目標を5兆円としました。世界に先駆けて量的緩和に踏み切ったのです。

 ところが日銀の当座預金残高はそれまでも最大時に4兆円あったので、この量的緩和は「実質わずか1兆円」でスタートし、同年8月14日の増額も「わずか1兆円(つまり合計6兆円)」でした。日本銀行が独自に決定する金融緩和とはこんなものなのです。

 ところが当座預金残高は2002年10月あたりから増加ペースが速まり、2004年1月に何と30~35兆円まで急増します。この量的緩和は2006年3月に一旦解除されるのですが、その直前の日銀の総資産は最大で155兆円もあり、直近(2012年9月30日現在)の150兆円を上回っています。

 つまり日本銀行は2001年3月に量的緩和を「ささやかに」開始し、2002年10月あたりから「豹変」し、2004年1月に「最も大胆」になり、また最近は「消極的に」戻っているのです。

 この意味を考える前に「外債購入」を巡る議論を見てみましょう。コメントにも頂いた通り2001年8月13~14日と同年10月11日~12日の政策決定会合で「日銀による外債購入」が議論され、財務省関係者を除いておおむね賛同されています。

 ただこの時点では、あくまでも金融緩和方法の多様化のための議論で、その金額も「ほんの少額だけ」が念頭にあったはずです。なぜなら当時の量的緩和は導入時の2001年3月が「実質1兆円」で同年8月も「1兆円追加」しただけだったからです。

 ところがこれまた2004年初めに、主体は日本銀行ではなかったのですが外為資金特別会計が短期間に35兆円ものドル買い介入を「大胆にかつ強引に」行いました。

 つまり日本銀行の2002年10月あたりからの「豹変」と、2004年初めの「巨額ドル買介入」は明らかに米国側の圧力です。なぜなら日本銀行が独自に「豹変」するはずがなく、今も米国政府に気を使っている財務省が独断で35兆円ものドル買い介入をするはずがないからです。

 米国政府の目的は、2000年頃のITバブル崩壊や2001年9月の同時多発テロの影響から米国経済を回復させるためだったのですが、当時は米国自身が量的緩和を行えば多分インフレとなったため日本に「巨額の量的緩和」を行わせて資金を還流させていたのです。2004年になって35兆円のドル買い介入が加わるのは「より直接的に米国市場に日本の資金が流れ込む」からです。

 現在は米国だけでなくほぼ世界中で量的緩和を行っており、インフレ懸念も少ないため、別に日本銀行の量的緩和をあてにする必要も無く、従って日本銀行も従来の消極姿勢に戻っているのです。

 それでは、何でここにきて日本銀行の外債購入の議論が再燃しているのでしょう?

 再燃のきっかけは、岩田一政・元日銀副総裁の「日銀は50兆円の外債購入を」でした。ここでいう外債とは米国債のことです。米国政府の意向であるかどうかはともかくとして、何で従来の外為資金特別会計によるドル買い介入ではなく、わざわざ「日銀による外債購入」と特定されているのでしょう?

 日銀が量的緩和で購入する資産を多様化するためではあるのですが、こうとも考えます。

 それは米国国債にしてもMBSにしても、FRBだけが巨額買入れするのではなく、一応世界有数の中央銀行である日銀が「一緒に」買えば、世界的に米国国債やMBSそれにドルへの信認が大きく改善すると思われるからです。だから米国が日銀に購入してほしい外債の中にMBSが絶対に入っています。

 つまり米国は量的緩和の「量」は自分で供給するので問題が無いため、日本銀行の「信用力」をタダで使おうとしているのです。確かにECBは間違っても米国債を買いませんし、また日銀は中国人民銀行のように「脅し」もかけてこないからです。

 日銀が購入する資産を多様化するとき、その資産とは「日本人が安心できて、かつ日本経済回復のために有効なもの」であるべきで「銀行だけが喜び、米国経済のためになるもの」ではいけないのです。

 いくら日本国債より格付けが上でも、米国債やMBSではいけないのです。

 取り敢えず思いつくのはETFとREITです。資産買入れ等の国債買入れ枠を削ってETFとREITを合計で5兆円も購入すれば、日本経済の大変な起爆剤になるはずです。確かに価格変動リスクはあるのですが、50兆円の米国国債とMBSよりはるかに日本経済のためになると思います。それが重要なのです。

 最後に付け加えておきますが、本誌はかねてより政府による「戦略的外貨取得」を提唱しており、積極的な外貨(外債)の購入には大賛成です。ただ日本の中央銀行であり発券銀行である日銀が外貨(外債)を購入することは、いろんな意味で国策を損ねると思っているのです。

 少し長くなりました。

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■日本 » 財政 | 2012.10.12
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