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株式市場での「本当の悪事」を巡る裁判

2012年11月05日

株式市場での「本当の悪事」を巡る裁判

 2007年1月に粉飾決算でジャスダック市場を上場廃止となったTTGへの増資を巡り、増資に応じたユニオン・ホールディングス(以下、ユニオンHD)が、TTGのメインバンクの三井住友銀行と増資アドバイザーの大和証券SMBC(当時)を相手取り、44.9億円の損害賠償を求めていた裁判の判決が年末に下されます。

 もう世間から完全に忘れ去られている事件で、当時の三井住友銀行や大和証券SMBCの行動は大問題だったのですが、判決では100%「問題は無かった」となるはずです。

 判決が出ても殆ど報道されないと思いますので、あらかじめ「何が大問題なのか」を詳しく説明しておきます。それが判決で「見事に無視される」のを見て頂きたいのです。

 念のために書き加えますが、本誌はこの事件の経緯を100%正確に、かつ公正に理解しています。単なる伝聞ではありません。

 TTG(旧社名・都築通信技術)は、大株主が都築電機(東証2部上場)と富士通の電気通信工事業者でした。NTTからの仕事が大半で、社長も歴代NTTの天下りでした。

 2005年4月ころにTTGは株式市場での資金調達を計画し、メインバンクの三井住友銀行傘下の大和証券SMBC(当時)をアドバイザーとしました。そこで興味を示したユニオンHD(当時東証2部上場・後述)が、同年7月に9.9億円の第三者割当増資に応じて大株主となりました。

 こう書くと格好良いのですが、実際は明らかに貸付金の回収を急ぎたかった三井住友銀行が、そのためにTTGの増資を大和証券SMBCに指示したのですが、同社は全く何の役にも立たず、結局はブローカーの紹介でユニオンHDに行き着いたのでした。

 大和証券SMBCは増資のIR資料作成を手伝っただけで8000万円も「アドバイザー報酬」を受け取ったのですが、肝心の発行企業(TTG)の財務内容のチェックなど「アドバイザーとしての役目」を何もしていなかったことが後で問題になります。

 その増資の直後から、TTGと三井住友銀行はユニオンHDに対して猛烈に「追加の増資」を求めます。当時のTTGの銀行借り入れは三井住友銀行をはじめ総額で44億円もあり、それにリストラ資金も必要で全然足りなかったからです。

 結局ユニオンHDは直後の2005年9月に35億円の第三者割当増資(うち20億円は同じ経営主体のオメガ・プロジェクト)、さらに翌2006年4月に20億円の転換社債を引き受け、何と合計で64.9億円(うちユニオンHDとしては44.9億円)もの資金を払い込みました。

 それがそっくりと三井住友銀行などへの返済(44億円)とリストラ資金に消えてしまい、設備投資などに回せる資金が全く無くなってしまったのですが、三井住友銀行はユニオンHDに「返済が完了すれば、いつでも新規のシンジケートローンに応じる」と言っていましたが、もちろん言っていただけです。

 ここまででも大いに問題があるのですが、本当の問題はここからです。

 TTGは最初の第三者割当増資直前の2005年3月期決算で18億6000万円もの赤字を出していたのですが、債務超過ではないと発表していました。

 ところが間もなく証券取引等監視員会が、TTGは以前から粉飾決算を続けており2005年.3月期には18億5100万円もの債務超過であったことを見つけ出し、債務超過が解消できなかったため2007年1月に上場廃止としました。さらに1億3000万円ほどの課徴金処分としました。

 つまり2005年7月から2006年4月までに総額44.9億円(オメガ分を合わせると総額64.9億円)もの巨額増資に応じたユニオンHDは、全く知らされていなかった「それ以前の」粉飾決算でTTGが上場廃止となり、結果としてすべての資金が毀損してしまいました。

 最大のポイントは三井住友銀行が粉飾決算を知っていたのかですが、裁判では当然に「全く知らなかった」で押し通しています。しかしどう客観的に考えても「必死に何が何でも全額回収して行った」態度から「知らなかったはずはない」と確信しています。

 アドバイザーとして8000万円受け取っただけで「全く何もしなかった」大和証券SMBCも、能力が無かっただけでなく立場上非常に問題があったと言えます。

 ユニオンHDは、2009年11月に経営陣が偽計取引と株価操作で逮捕されました。裁判では三井住友銀行も大和証券SMBC(2010年1月に三井住友銀行傘下から離れ、現在は大和証券)も、「逮捕されるような経営者がいたユニオンHDの主張は正当性に欠ける」と開き直り、何と裁判所もそれを支持しています。

 明らかに「事実のすり替え」です。実態は「三井住友銀行は粉飾事実を隠して(単に見落としていただけにしても重大問題です)株式市場から調達した巨額資金で(多くの株主の犠牲のもとに)貸付金を強引に回収した」のです。

 しかし裁判所の判断は間違いなく「三井住友銀行と傘下の大和証券SMBCの行動には問題が認められない」と出ます。メガバンクの「犯罪」を認めるわけにはいかないからです。

 年末近くに判決が出ますので、少しは注目して見ておいてください。

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■闇株的見方 » 株式 | 2012.11.05
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