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貿易収支の赤字で考えなければならないこと

2013年02月22日

貿易収支の赤字で考えなければならないこと

 財務省が2月20日に発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)では、貿易収支が7か月連続・単月で過去最大の1兆6294億円の赤字となりました。

 1月は正月休みで生産が落ちるからですが、過去最大の単月赤字だった2012年1月の1兆4815億円も上回りました。

 その2012年1月と比べると、輸入数量は1.0%減少したのですが、円安による価格上昇で輸入金額が7.3%増加しました。輸入に占める外貨建て比率は8割弱です。

 一方輸出数量は6.0%の減少で、同じく円安で輸出金額は6.4%増加したのですが、輸入金額の増加が上回りました。輸出に占める外貨建て比率は6割です。

 つまり円安による輸出数量の増加は、海外景気の状況にも影響されますが、普通は半年から1年かかると言われています。当面は貿易赤字が拡大することになりそうです。

 それよりも問題はもっと奥深いところにあります。

 2012年通年の所得の海外流出(交易損失)が18.9兆円と過去最大を記録し、同じ2012年通年の所得収支黒字の14.2兆円を上回ってしまいました。

 つまり国民の所得がその分目減りしてしまったことになり、もちろん通年では初めてのことです。

 実は、交易損失は2006年から赤字化していました。2006年から金融危機の起こる2008年夏までのドル円は110円~120円レベルだったので、為替水準にかかわらず交易損失に転落していたことになります。もちろん拡大中です。

 一概には言えませんが、これは輸出・輸入とも価格決定力が無くなっていることを意味します。もともと原油など資源に価格決定力のない輸入に比べて、輸出は日本企業の高い競争力を背景に価格決定力があったはずでした。

 それもすっかり無くなってしまっているようです。最近、電気機器メーカーなど輸出企業の業績が、すっかり低迷していることとも無関係ではありません。

 部品メーカーに価格決定力が、あるはずがないのです。

 当面の円安で、これらの企業の業績も上向くようですが、もっと根本的に競争力を高める努力が必要となります。

 2012年通年の国際収支統計では、経常収支は4兆7036億円の黒字で、2011年の約半分、ピークの2007年の約5分の1となってしまいました。
 
 内訳は、貿易収支が5兆8051億円の赤字、サービス収支も2兆6087億円の赤字、所得収支が14兆2613億円の黒字、移転収支が1兆1439億円の赤字です。

 円安が続いても貿易収支は改善せず、世界的な低金利で所得収支の黒字増加も期待できないため、経常収支の黒字はさらに減少し、このままだと赤字になってしまうかも知れません。

 赤字にならないまでも経常収支の黒字が減少すると、資本収支の赤字(資本流出)も減少せざるを得なくなります。

 しかし経済の発展のためには海外への直接投資や、高い収益を求めた海外証券投資を減らすわけにはいきません。

 残る方法は、海外から日本への投資(資本流入)を増やすことです。かといって日本への直接投資があまり増えることも問題があるため、やはり海外投資家の日本国債への投資を増やさなければなりません。

 ちょうど日本の国債引き受け能力の低下が懸念されているので、最も国策にあった方法のはずです。

 そうは言っても簡単に増えるものではありません。いままで本誌で何度も書いてきたテーマですが、今度こそ「待ったなし」なのです。

 具体的な方法論は、次回に続きます。

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■闇株的見方 » 経済 | 2013.02.22
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