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日本国債の海外保有を増やそう  その2

2013年03月01日

日本国債の海外保有を増やそう  その2

 昨日は、米国国債の海外保有が多いのは、ドルが基軸通貨なので海外で幅広く保有され、その運用手段として保有されていると書きました。

 米国国債は、今後も発行残高が急増を続け、一方で米国経済の減速で利回りが長期的に低いままだと思われます。ちょうど日本国債の発行残高と利回りの推移を、10年遅れで追いかけていると考えるべきです。

 しかし世界的な金融緩和は続き、ますます資金余剰と運用難が続きます。

 つまりドルや米国国債に不安を感じている海外投資家が増えている(はず)にもかかわらず、米国国債の保有を減らすことが出来ないのです。一部はユーロに移されているのですが、ユーロも決して安心できるものでもありません。

 2012年3月末現在の、世界の外貨準備の通貨別内訳(判明部分だけ)は、ドルが62.2%、ユーロが25.0%、ポンドが4.0%、円が3.6%です。

 この内訳は、ユーロ発足直前の1998年末は、ドルが69.3%、ユーロ(当時はECU)が17.0%、円が6.2%、ポンドが3.0%でした。ユーロのピークは2009年末の27.6%です。

 もちろん民間を含めた世界資産の通貨別内訳とは違うのですが、傾向は分かります。

世界で広く保有されている通貨は、ドルとユーロだけで、円はもともと少ない比率がさらに低下していることになります。

 つまり「日本国債の海外保有を増やす」ためには、海外における円の保有を増やす必要があり、そのためには海外での円の流通を増やすことが必要です。

 もっと難しいじゃないか? と言われると思います。

 確かに円を、簡単にドルやユーロのような基軸通貨にすることは簡単ではありません。特に円を世界の決済通貨にすることは、かなり難しいと言えます。
  
 しかし、今後もドルとユーロに不安を抱えたまま、世界的な資金余剰が続くとすると、保有通貨の多様化のために、円とその運用のための日本国債が、もっと見直されるチャンスなのです。

 もっと分かりやすく言えば、ドルもユーロも減らしたい投資家(外貨準備を含む)の避難先になることです。

 そんなことは以前からわかりきっているのに、進んでいないではないか?

 そういう風に日本全体で、世界に働きかけていないからです。

 「ドルは危ないから早く売って円にしましょう」では、米国が怒ります。でも「ドルを減らしたい投資家を、ユーロへ逃げられないように(同盟国である)円に誘導しましょう」は、米国も反対する理由がないはずです。
 
 ドルとユーロのシェアを(運用対象としてだけですが)、一部奪うことが出来るはずです。世界の債券市場は100兆ドル、外貨準備だけで10兆ドルもあるのです。

 あくまでもリスク分散目的であり、日本国債の低利回りや債務残高も大きな障害になりません。逆に日本国債の市場規模や流動性の大きさが、有利な点となるはずです。

 つまり世界の通貨と国債の保有は、「何が良いか」ではなく「何がより悪くないか」あるいは「どうせみんな悪いのだから分散しておこう」となるはずです。

 日本としては、ユーロを捨ててドルと共同歩調をとる必要があります。逆でもよいのですが、現実的ではありません。

 また「絶対にドルを減らしたいと思っている」中国とも、真剣に対話する必要があります。円(日本国債)を「買ってもらう」のではなく、「リスク分散に協力してあげる」のです。

 最後に、なぜ現在86兆円の日本国債の海外保有を増やさなければならないのか? とのコメントを頂いていました。

 経常収支の黒字が減少して(あるいは赤字化して)、日本への資金流入が減少すると(あるいは資金流出になると)、さらに少子高齢化で家計の金融資産が減少を始めると、国債の引き受け余力が減少します。

 そうなると、欲しいものも買わず(輸入せず)、消費すべきものも輸出して貿易収支を改善するか、出稼ぎに行って送金して移転収支を改善するか、海外資産を売却するか(唯一の黒字である所得収支を稼げなくなります)、いずれにしても「痛みを伴う」努力が必要です。

 それに比べると、国債の海外保有を増やすことは、全く痛みを伴わない「楽な」方法なのです。

 まあ海外からの借金で生活するとギリシャのようになると言う人もいますが、海外の「リスク分散に協力してあげている」のです。

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■日本 » 提案 | 2013.03.01
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