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2013年03月07日
昨日(3月5日)、NY株式市場が史上最高値の14253ドルとなったのですが、この話題を続けます。
1999年末にエリツィン大統領を引退に追い込み大統領代行となり、2000年5月に第2代・ロシア連邦大統領に選出されたウラジミール・プーチンは、徹底的にオリガルヒと対決します。
脱税と国家財産の横領(まさにその通りです)でグシンスキーとホドルコフスキーを逮捕し、恭順と納税を約束したオリガルヒとだけ和解しました。
ホドルコフスキーだけ投獄されているのは、大統領候補としてプーチンを脅かす野心と資質を備えていたことと、米国資本と接近しすぎていたからのようです。
残っているオリガルヒではベレゾフスキーとグシンスキーは英国に亡命中で、プーチン批判を続けており、特にベレゾフスキーには暗殺の恐れがあるようです(直接の関係はないようですが、ロンドンでリトビネンコ事件もありました)。
同じく英国に亡命しているアブラモヴィッチはプーチンに恭順を示しているようです。サッカーチームのチェルシーのオーナーです。
ロシアに残ったオリガルヒでは、ミハイル・フリードマンはプーチンに恭順を示していますが、アナトリー・チュバイスは唯一批判を続けているようです。
さて早期釈放の可能性が出てきたホドルコフスキーですが、所有していた石油会社・ユコス(巨額税金が支払えず破産)の事業は、ロシア最大の国営石油会社であるロスネフチに吸収されました。ロスネフチを率いるのはプーチンの腹心のイーゴリ・セーチンです。
残りのオリガルヒは没落しており、やはりユダヤ人だけが残っているのです。
ロシアは、もともとユダヤ人が多い国です。その理由は、今のカスピ海と黒海の間に存在していたハザール王国が、9世紀初頭にユダヤ教に改宗したことと無関係ではありません。
このハザール人は4~5世紀に移住してきた遊牧民族で、西暦70年にローマ帝国にエルサレムの神殿を破壊されて世界中に離散していったユダヤ人とは、民族的に全く違います
しかしユダヤ人の定義は、母親がユダヤ人であることと、ユダヤ教徒であることなので、ハザール人がユダヤ人であることには違いがありません。
ハザール王国は、隣接するヴィザンツ帝国(東ローマ帝国)とは比較的親密だったようですが、キエフ大公国やノヴゴロド公国を建国した現在の正統ロシア人の祖先と言われるルス人に北から、アラブ帝国(セルジューク朝)に南から攻められて弱体化します。そして13世紀にチンギス・ハンの孫のバトゥ・ハンのキプチャク汗国に攻められ、消滅してしまいます。
ハザール王国が消滅しても、ハザール人(ユダヤ人?)がロシアからいなくなったわけではなく、数々の迫害を受けなら(居住地や職業を制限されながら)生き残っていきます。
そしてロシア革命を引き起こし、世界に共産主義を広めていったのもユダヤ人なのです。トロツキーはユダヤ人で、レーニンも異論はありますがユダヤ人です。そしてグルジア人と言われるスターリンもユダヤ人系との説があります。
しかし戦後パレスチナ地域に、神(ヤハウェ)がお決めになった土地だからとイスラエルを建国してしまったユダヤ人とは、イエス・キリストの生きていた時代のユダヤ人なのか、ハザール人の末裔なのかは議論が残ります。
そこでロシアを含む東欧のユダヤ人は、地中海沿岸から移住してきたとの「見解」が出されており、ハザール王国やハザール人は近代史から「抹殺」されてしまいました。
世界史の中で、唯一とも言える「嘘がある」部分です。
オリガルヒをはじめとする現在のロシア経済を牛耳っているユダヤ人とは、もともと遊牧民だったハザール人の「末裔」なのでしょうか? よくわかりません。
最後にロシア・ルーブルについて少しだけ付け加えておきます。
本日(3月6日)現在、1ドル=30.77ルーブル、1ルーブル=3.04円です。円高だった昨年6月頃は1ルーブル=2.3円ほどで、リーマンショック前の2007年は4.8円ほどでした。
ところでルーブル相場は、2005年2月からドル6:ユーロ4の通貨バスケット方式に移行しており、2007年2月からドル5.5:ユーロ4.5に変更されています。
ロシアの国内金利は8%ほどなので、ドルとユーロを5.5:4.5の割合で調達し(ほとんどゼロ金利のはずです)、ロシアの銀行に預金すれば(8%の預金金利ではなくても)為替リスクなしでかなりの鞘が抜けるはずです。
ロシアは少なくとも、資本流入規制は行っていないのですが、それでも外貨の流入が促進されているようには見えません。
やはりロシア経済に対する漠然とした不安(恐怖)があるのかもしれません。
明日は、金融市場の話に戻ります。
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