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サーベラスが西武HDにTOB

2013年03月14日

サーベラスが西武HDにTOB

3月11日に、西武HDの筆頭株主であるサーベラスがTOBを実施して持ち株比率を32.4%から、株主総会で特別決議を拒否できる36.4%程度まで引き上げると発表しました。

 再上場が遅れ気味の西武HDですが、早期の再上場と売り出し価格の引き上げのためにリストラを提案するサーベラスと、みずほ銀行と日本政策銀行を母体とする経営陣が対立しています。ここでサーベラスが拒否権を取得すると、今後の展開に大きな影響を及ぼします。

 これだけならよくある外資系大株主と現経営陣の対立なのですが、実はもっと奥が深い話なのです。

 東証1部に上場していた西武鉄道は、有価証券報告書の虚偽記載で2004年12月に上場廃止になりました。グループのコクドやプリンスホテル(ともに未上場)ら上位10位までの持ち株比率が、上場廃止基準に抵触する80%を大きく超えていたにもかかわらず、1億株以上の西武鉄道株を1200人以上の従業員らの名義を借りて分散して、上場を維持させていたからです。

 堤義明会長(当時)も証券取引法違反で2005年3月に逮捕され、表舞台から消えました。

 この時点でも西武鉄道をはじめとするグループは、コクドを頂点とした堤一族の経営支配は盤石であり、グループの経営状態は「何の問題」もないはずでした。

 ところがその混乱期に送り込まれた、みずほコーポレート銀行の後藤高志副頭取が最初に行ったのが、複雑なスキームでグループの事業とコクドを統合させて西武HDを誕生させたことと(現在も後藤氏がCEOです)、グループの実質親会社であるコクドに対する「救済のための資本増強」でした。

 もっと分かりやすく言いますと、経営的には「何の問題もない」クループの実質親会社で「もっと何の問題もない」コクドに対して、「救済のために資本増強」を行ったのです。

 これはコクドにおける堤一族の持ち株比率を、堤義明氏の逮捕という混乱に乗じて薄めてしまい影響力を排除し、同時に「何の問題もない」グループ全体を堤一族から「奪い取る」ために外なりません・

 主語(誰が?)がありませんが、もう少ししたら出てきます。

 2006年1月に、その資本増強(つまり増資)に応じたのが、サーベラス(約1000億円)と日興プリンシパル・インベストメンツ(約600億円)でした。

 日興プリンシパルは、株を売却したようですが、サーベラスは今も保有し続けています

 西武HDの直近の株主名簿によりますと、筆頭株主はサーベラス(名義が分かれていますが)の32.42%、NWコーポレーション(旧コクド)が14.96%、日本政策投資銀行4.40%、農林中央金庫3.98%などと続き、みずほコーポレート銀行は2.08%だけです。

 先ほどの主語(誰が?)ですが、当然みずほグループの意を受けた後藤CEOとなるのですが、みずほグループの持ち株は2.08%だけです。

 つまりみずほグループは、サーベラスなど完全に他人の資本を使って、「何の問題もない」西武HDを見事に「奪い取った」のです。

 まだまだあります。

 2005年当時、みずほグループは西武グループに3200億円ほどの貸出残高があったはずですが、2012年3月末の有価証券報告書では1299億円に「激減」しています。

 つまりこの間に2000億円近く回収していたのです。

 本誌は、外資系金融機関やファンドが日本で暗躍することを、決して好ましいとは思っていないのですが、この西武HDのTOBとそれに続く主導権争いでは、サーベラスを応援することに決めています。


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■闇株的見方 » 株式 | 2013.03.14
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