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中国の時限爆弾「理財商品」

2013年05月08日

中国の時限爆弾「理財商品」

 本日(5月7日)発売の一部日刊紙にも出ていたのですが、最近「理財商品」という単語を目にします。

 中国語で「高利回りの金融商品」といった意味ですが、要するに中国当局の規制を逃れて「高利」で集めた資金を、主に不動産投資や建設投資など「もっと高利」で運用しようとするものです。

 中国の銀行は3%の預金金利、6%の融資金利といった規制があるからですが、問題は大手を含む銀行そのものが通常の銀行業務とは別に「堂々」と取り扱っていることです。

 中国工商銀行など中国の大手4行の「理財商品」取扱高は、2012年12月末で3兆元(48兆円)を超え、大手4行の預金残高44兆元弱(700兆円)の7%を占めます。この「理財商品」は銀行の負債である預金ではないため、焦げ付いたときに問題となります。

 昨年11月には中堅の華夏銀行が11%の高利で集めた「理財商品」の元利金を支払えず、大騒ぎになりました。まあ銀行の窓口で正式の銀行員が、先日のMRIのような「いかがわしい商品」を売りつけていたようなものですが、当然に銀行も銀行員も「責任が無い」と突っぱねました。

 このようなことを正式の銀行業務に対して「影子銀行」(シャドーバンキング)と呼びます。

 また銀行だけではなく大手信託会社も取り扱っており、やはり昨年末に金融大手の中国中心集団が販売した「理財商品」の利払いが止まったようですが、全体的に問題化しているのは氷山のほんの一角のようです。

 またこれら「理財商品」の運用先としてよく出てくるのが、地方政府の特別目的会社「地方融資平代」です。中国の地方政府は地方債の発行が認められていないため、不動産や建設投資に理財商品の高利の資金を使っているようです。

 そもそも中国全体の「理財商品」の残高は諸説ありますが、もっと有象無象が扱う「ねずみ講」のようなものまで含めると7~10兆元(112兆円~160兆円)もありそうです。

 過去にも1998年に、広東国際信託投資公司(GITIC)が高利で集めた資金が焦げ付いて破綻し、邦銀など海外の金融機関が損失を被った事件がありました。これを含めて歴史的にはしばしば問題化しているのですが、今までは中国の潜在成長率が高かったため「いつの間にか」辻褄が合っていたようです。

 要するに「理財商品」の問題とは、中国には表に出ていない巨額の不良債権予備軍があり、それが問題化すると一気に中国全土に混乱が広がるということですが、このような状態は中国の歴史では別に珍しいことではなかったはずです。

 本当の問題は、今までは高利で集めた資金でも辻褄が合うほどの経済成長や不動産価格の上昇が続いていたのですが、ここにきて中国の潜在成長率そのものが低下し始めたことです。当然に不動産価格の上昇も鈍化します。

 そこへ「理財商品」や類似の仕組みが、過去と比較ができないほど膨れ上がっているのです。

 つまり、いろいろな意味で辻褄が合わなくなってきているのです。

 しばらくは「理財商品」「影子銀行」「地方融資平代」といった中国語に注意して下さい。

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■闇株的見方 » 社会 | 2013.05.08
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