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消費増税実施の前に思い出してほしいこと

2013年07月31日

消費増税実施の前に思い出してほしいこと


 安倍首相の周辺から、来年4月に予定されている消費税の引き上げ(5%から8%)に対して慎重論が出始めています。予定ではさらに2015年10月から10%に引き上げられます。

 安倍首相本人は7月27日に訪問先のマニラで、昨年8月に成立した消費増税法案には景気の動向を見て実施を判断する「景気条項」があり、「秋に判断」「私が決める」と述べました。

 消費増税の実施を強く主張する財務省や麻生財務大臣が「近くにいない」海外での発言となったようです。

 ここで、昨年に消費増税関連法案が成立した経緯を、ぜひもう一度思い出していただきたいのです。

 当時は民主党の野田政権でした。元財務大臣の野田首相は、首相にしてもらった財務省の剛腕・勝栄二郎事務次官(当時)にすっかり取り込まれていたのですが、そこで出てきた消費増税関連法案には何と当時野党の自民党と公明党が賛成に回り「圧倒的多数」で可決されました。

 衆議院での採決が昨年6月26日で、民主党からは小沢一郎氏のグループを中心に造反が出たのですが、民主の大半・自民・公明などの363人が賛成する(投票総数478人)圧倒的多数で可決されました。

 参議院でも8月10日に、民主の大半(小沢グループは離党していたのですが、さらに6名が造反)・自民・公明などの188人が賛成して(投票総数237人)可決・成立しました。

 しかも成立した消費増税関連法案とは、本来はセットであったはずの社会保障改革が突然出てきた国民会議に1年もの期間を持って棚上げされ(1年たちますが何も決まっていません)、議員定数是正(これも知らん顔のままです)や、公務員改革(完全に忘れられています)、特別会計を含む行政の無駄の見直し(これも然り)がすべて切り離された「全くの増税だけの法案」にすり替えられていたのです。

 しかも昨年6月~8月は日経平均が8000円台、為替が70円台の日本経済が「真っ暗」な時で、まさに勝次官をはじめとする財務官僚の高笑いが聞こえてくるようでした。

 本誌もその頃に、あまりの暴挙にあきれて何度か記事にしているのですが、昨年6月22日付け「がんばれ小沢一郎!」と、同6月27日付け「消費増税法案可決の本当の怖さ」だけでも、当時寄せられていた多数のコメントと一緒に、ぜひ読み返していただきたいと思います。

 繰り返しですが、当時の野田政権が財務省にすっかり取り込まれていたことは明らかですが、そこに当時野党の自民党と公明党が「全く唐突に」賛成に回って成立したのが消費増税(だけの)法案なのです。

 その結果とまではいいませんが、昨年12月の衆議院選挙と今月の参議院選挙で、自民・公明連立政権が大勝利しています。少なくとも公約には無かった消費増税を主導したのが民主党の野田政権だったことの影響が、全くなかったとはいえません。

 安倍首相の慎重論は、自らの生命線であるアベノミクスの腰を折らないためのもので、単に「いいわけ」のために織り込まれていただけの「景気条項」を持ち出してきたものです。

 単なるジェスチャーかもしれませんが、昨年の消費増税法案可決の経緯をよく思い出してみると、安倍首相の思惑はどうであれ、ここは「大いに慎重になっていただきたい」ものです。

 財務省出身の黒田日銀総裁は、7月29日の講演会で「(予定通りの)消費税引き上げの景気への影響は軽微」であると述べています。

 また財務省の意向を受けたと思われる経済評論家からは、消費増税を見送ると財政危機から国債利回りが上昇するため、それを先取りして日経平均が数日間で1000円も値下がりしたなどと「感心するようなこじつけ」までが出てきています。

 今後のオール財務省(IMFも忘れてはなりません)が、どのような巻き返しをするのかが注目されます。

 本誌はもちろん昨年から一貫して「消費増税大反対」ですが、その本当の理由はまた別の機会に書くことにします。


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■闇株的見方 » 経済 | 2013.07.31
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FRB議長候補に急浮上したローレンス・サマーズの弱点

2013年07月30日

FRB議長候補に急浮上したローレンス・サマーズの弱点


 来年1月に任期の切れるFRBのバーナンキ議長は、まだ自らの去就を明らかにしていませんが、退任の可能性が強いようです。

 そこで秋ごろまでには後任を選ぶ必要があります。指名は大統領が行いますが、上院の承認が必要です。

 後任については、ジャネット・イエレン副議長とティモシー・ガイトナー元財務長官が有力とされていたのですが、ここになってローレンス・サマーズ氏が急浮上しています。

 FRB議長に求められる最大の資質とは、卓越した金融理論などの能力ではなく、「世界の金融市場から人格を含めて圧倒的に信頼されていること」に尽きます。

 つまりFRBの金融政策が効力を最大限に発揮するためには、具体的な金融政策の中身ではなく、FRBとりわけFRB議長が「任せておけば大丈夫」と信頼されていることが最重要なのです。

 1979年以降、ボルカー氏、グリーンスパン氏、バーナンキ氏と3名しかいないFRB議長の実績が、こういった信頼を作り上げたといえます。これは米国金融市場の大きな「財産」です。

 ローレンス・サマーズ氏は、このFRB議長に求められる最大の資質が、「最も欠如している」人物かもしれません。

 サマーズ氏が卓越した頭脳を持っていることは、世界中どこにも異論がないはずです。

 ノーベル経済学賞を受賞したポール・サミュエルソン氏が父方の、同じくケネス・アローが母方の叔父であり、自身も16才でマサチューセッツ工科大学(MIT)に入学し、28才でハーバード大学の史上最年少教授となった秀才です。

 クリントン政権で財務省入りし、1995年に財務副長官、1999年に辞任したロバート・ルービンの後任の財務長官となり、ブッシュ政権発足後はハーバート大学学長となりました。

 しかし2006年に女性を蔑視した発言が問題視されて辞任し、2009年にオバマ政権となると国家経済会議(NEC)委員長となりましたが2010年に辞任していました。

 経歴を通じて常に批判されるのは、尊大、知識を鼻にかける、人の意見を聞かない、人を見下す、特に女性やマイノリティーを見下す、などなどです。サマーズ自身は東欧系のユダヤ人(アシュケナジ)です。

 Wikipediaの引用ですが「サマーズに謙遜を求めるのは、マドンナに貞操を期待するようなもの」だそうです。

 FRB議長の後任候補に急浮上して以来、サマーズ氏に対しては、ヘッジファンドのDEショーに在籍していたことや、現在もシティ・グループやナスダックOMXのコンサルタントを務めていることなど、ウォール街と政府の間を行き来する典型的な「回転ドア」であるとの批判が出ています。

 しかし問題はそんなことではなく、サマーズ氏は、FRB議長に求められる最大の資質が「最も欠如している」人物で、歴代のボルカー、グリーンスパン、バーナンキの各議長が築いてきた「市場からの信頼という最大の財産」を引き継ぐことは難しいのです。

 本誌が口を挟む問題ではないのですが、もし本当にサマーズ氏がFRB議長になれば、米国金融市場が新たなリスクを抱え込むことになります。

 急に話が変わるのですが、フェイスブックの誕生とマーク・ザッカーバーグの「人となり」を題材にした2010年製作の「ソーシャルネットワーク」という映画があります。

 まさにザッカーバーグがハーバードに在籍していた時の学長がローレンス・サマーズで、映画にも登場します(サマーズ本人が出ているわけではありません)。映画中ですが評判通りの「ものすごく嫌なおやじ」でした。

 2011年6月14日付け「忙中閑あり」にも書いてあります。


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