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米国連邦債務の上限引き上げが難航する「本当の怖さ」

2013年09月26日

米国連邦債務の上限引き上げが難航する「本当の怖さ」


 内外でオバマ大統領の指導力が急激に低下しているようです。

 シリアへの軍事介入が「うやむや」に終わってしまった外交問題だけではなく、ここにきて内政問題でも連邦政府債務の上限引き上げが難航し、米国だけではなく世界の金融市場の波乱要因となってきました。

 議会では下院で多数を占める共和党が、16兆7000億ドルの債務上限の引き上げの交換条件として大幅の歳出削減を要求しているからですが、歳出はすでに本年3月から強制削減されており「さらなる削減」はかなり困難です。

 このままでは財政新年度の始まる10月から、本当に政府窓口が閉鎖される恐れも出てきました。昨年末にも「すったもんだ」して何とか時間稼ぎをしたのですが、その間にほとんど何も進展していなかったことになります。

 これで米国のデフォルトリスクが高まったなどといわれているのですが、これは米国国債の信用力といった経済的な問題ではなく、政治の駆け引き材料に使われているだけです。

 つまりオバマ大統領の指導力が足りないことに尽きるのですが、任期が2017年1月まである大統領の指導力が低下していると、大変に困ったことになります。日本のように内閣改造や首相交代や衆議院解散などの「リシャッフル」の機会が全くないからです。

 米国の連邦債務残高は、「強いアメリカ」を標榜して「双子の赤字」を拡大させたレーガン大統領の任期中(1981年1月~1989年1月)から増加し始めました。レーガンの就任直前の債務残高は「わずか」9350億ドルでした。

 その後クリントン政権終盤の1998年~2000年に一時的に財政黒字となったのですが、債務残高は2000年末に5兆9500億ドルまで膨らみました。つまりレーガン、ブッシュ(父)、クリントンの3代大統領の任期20年で債務残高が5兆ドル増えたことになります。

 そしてリーマンショック直後の2008末に債務残高は10兆7970億ドルとなります。つまりブッシュ(息子)大統領1人の任期8年間で5兆ドル増えたことになります。

 現時点では現在の債務上限いっぱいの16兆7000億ドルに限りなく近づいているので、オバマ大統領1人の5年間弱で6兆ドル増えたことになります。

 まあリーマンショックを含む世界金融危機はオバマ大統領の責任ではないので、「めぐり合わせ」が悪かったことになります。

 しかし連邦債務の上限引き上げが難航する「本当の怖さ」は、別のところにあります。

 ドルは「基軸通貨」として、世界中で誰も受け取りを拒否しない通貨であり、その運用手段としての米国国債も、世界中で何の疑いもなく保有されています。

 この状態が続く限り、別に国債がいくら発行されても何も問題はなく、債務上限も政治の駆け引き材料以上の意味はないはずです。

 しかしその大前提は、あくまでも米国が世界で圧倒的な力を保持しているからです。

 もし任期を3年以上も残しているオバマ大統領が、今後も内政・外政ともに指導力を失っていくとすれば、ドルおよび国債の世界的信用が崩れていく恐れが出てきます。

 つまり問題の本質は、連邦債務の上限引き上げの難航が経済的にではなく政治的にドルおよび米国国債の信認を揺るがせ、世界経済の新たな波乱要因となることです。


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■闇株的見方 » 経済 | 2013.09.26
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