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金融緩和と量的緩和は全く違う 「金融抑圧」は回避すべき その2

2014年01月08日

金融緩和と量的緩和は全く違う 「金融抑圧」は回避すべき その2


 本年の金融市場を占う際に最も重要なポイントと考えて年頭のテーマに選んだのですが、書き足りなかったので続編です。

 日銀が昨年4月4日に導入した「異次元」量的緩和には、当初から強い違和感がありました。特に「2%の物価上昇を実現させる」ために「全年限の国債を異次元に買い入れることによってイールドカーブ全般を引き下げる」としているところでした。

 市場心理を好転させるためにはデフレマインドを払しょくさせる必要があり、そのために2%の物価上昇を目指すところは「まあ理解できる」としても、なぜそのために全年限の国債を「異次元」に買い入れてイールドカーブ全般を引き下げる必要があるのか?でした。

 一応の説明として、「名目金利の引き下げ効果」と「期待インフレ率の上昇効果」が組み合わされると、実体経済に重要な影響を及ぼす「予想実質金利」を引き下げる効果があるとされています。

 これは国債発行量や残高が少ない国にはある程度有効な考えですが、1000兆円をこえる政府債務を抱え、今年は借り換えを含めて180兆円以上の国債を発行しなければならない日本では、相当な「力技」となります。

 実際に日銀は昨年4月から、平均残存年数7年の国債を毎月7兆円程度買い入れており、これは新たに発行ざれる2~40年国債の7割に相当します。確かにこの「力技」の結果、イールドカーブは全般的に引き下げられ、本日(1月7日)は2年国債利回りが0.08%、3年国債が0.11%、5年国債が0.21%、10年国債が0.69%、20年国債が1.54%、30年国債が1.70%となっています。

 今も感じる強い違和感とは、実体経済を回復させるために(2%の物価上昇を実現するためとしても)、ここまで「力技」を使ってイールドカーブ全般を引き下げる必要があるのか?でした。当然に弊害も大きいからです。

 そもそも中央銀行の金融緩和とは、唯一中央銀行がコントロールできる短期金利を低く維持して経済活動を活発化させるものであり、投資収益の基準となる長期金利を低下させてしまう量的緩和は「必ずしも全体的な効果が明確でない」からです。

 特に1000兆円以上の政府債務の大半を国民金融資産(銀行預金・保険・年金などを通じて)に依存する日本では、明らかに巨額の金利収入が国民から政府に移転する「金融抑圧」となり、増税と同じです。

 つまり昨年4月に始まった日銀の「異次元」量的緩和の真の目的とは、国民の犠牲のもとに政府債務負担を軽減する「金融抑圧」を長期間持続させるためだったと考えると、すべての違和感が消えます。

 安倍内閣の経済対策への期待と、日銀総裁が元大蔵官僚に交代したタイミングをとらえて、財務省は見事に(消費増税以外に)実質大増税を行っていたのです。

 そのように考えると、日銀は政府短期証券を除く保有国債残高を2012年末の89兆円から、2013年末に140兆円(その通りになっています)、2014年末には190兆円にするなどの資産増加は強調しているものの、実際に市中に供給される貨幣(銀行券)については2012年末の87兆円が、2013年末に88兆円(実際は90兆円でした)、2014年末には90兆円と「全く適当だった」こともよくわかります。

 そして「力技」の結果、当然に懸念しなければならない日銀の資産内容の将来的な劣化は(今も)全く気にかけておらず、いわゆる出口戦略については(今も)全く言及がない理由もよくわかります。

 要するにこの「金融抑圧」には出口などないからです。当然のように経済を回復させるためではなく「金融抑圧」を維持・強化するために追加量的緩和が行われることになります。ちょうど4月の消費増税で経済活動が失速するので、また格好の理由となるからです。

 さらにその追加量的緩和では、「より長期」の国債買入れを増やして、買い入れる国債の平均残存年数を1年ほど延長するはずです。つまり現状の7年程度が8年程度になります。なぜなら2014年度に発行される国債総額の平均年限が、2013年度の7年11か月から8年5か月まで「知らないうちに」延長されているからです。

 これが「異次元」量的緩和と、今後の追加量的緩和の「正体」です。確かに円安を持続させる効果はありそうですが、日経平均の上昇を持続させるかどうかは慎重に考える必要があります。


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■闇株的見方 » 経済 | 2014.01.08
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