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毎年恒例となったソーシャル・エコロジー・プロジェクトの「綱渡り」

2014年05月28日

毎年恒例となったソーシャル・エコロジー・プロジェクトの「綱渡り」


 ソーシャル・エコロジー・プロジェクト(JASDAQ上場・コード6819、以下「ソーシャル」)が、5月14日に900万株の第三者割当増資を発表し、5月20日に株主からその発行差止仮処分を東京地方裁判所に申し立てられ、本日(5月27日)それが却下されたとそれぞれIRされています。

 実は当事者や株数が違うだけで、全く同じことが昨年の同時期にも行われました。昨年はソーシャルの経営陣を一新する株主提案が出され、その株主提案が可決される(つまり現経営陣が放逐される)だけの株数が揃っていたところ、ソーシャルは5月になってから500万株の第三者割当増資を発表して、さらにその新株に3月末が「基準日」である6月末の株主総会の議決権を遡って付与し、「奇怪」なことに株主が申したてた新株発行差止仮処分が裁判所で却下され、辛うじて現経営陣が支配権を守りました。

 増資目的に1億円の借入金返済が盛り込まれていたためで、裁判所が支配権をめぐる争いがあるとしたものの差止仮処分を却下してしまいました。株主総会の最終表決はだいたい1070万株・対・770万株だったため、議決権を遡って付与した500万株がなければ、完全に現経営陣が放逐されていたことになります。まさに「綱渡り」だったわけです。

 ところでソーシャルの現経営陣といっても、全員がY元代議士(元労働大臣)の「いいなり」です。つまりソーシャルは完全にY氏の支配下にあります。そのY氏がソーシャルに入り込んだ経緯や、どのようにソーシャルを食い物にしているかなどの「とんでもない話」は、紙面の関係で本日は省略します。

 Y氏とイニシャルにしているのは元大臣なので恐れたわけではなく、何か問題が発生すればすべて忠実なソーシャルの小松社長に責任を押し付けて知らん顔をするはずなので、Y氏の存在が表に出ることがないからです。

 そして本年です。

 実は本年の差止仮処分は、なんと昨年500万株(2億6500万円)の第三者割当増資を引き受けてY氏の窮地を救ったU氏です。U氏は最近になってその500万株のうち375万株を知人の方に譲渡されたようですが、依然として125万株は保有したままです。

 それでは、なんで昨年Y氏の窮地を救ったU氏が、本年は対立してしまったのでしょう?

 どうも昨年の第三者割当増資の引き受けに際し、Y氏が「ソーシャルの改革案」を山ほどU氏に約束したものの、すべて反故にしてしまったからのようです。

 でも本年は、株主提案が出されていないのでは?

 驚愕すべきことですが、U氏は4月にソーシャルの経営陣を一新する株主提案を出しています。ソーシャルが現在まで「全く無視したまま」なのです。

 その理由は全く不明ですが、本誌はY氏とソーシャルがU氏の株主提案の「手続き上の小さな不備」を理由に、一方的に闇に葬ったと推測しています。仮に「手続き上の小さな不備」があったとしても、昨年は窮地を救ってくれたU氏の「怒りの株主提案」を門前払いしたことになり、それをU氏に連絡もせず、もちろん一般株主にも何もIRは出していません。

 これは杓子定規な手続き論ではないはずで、Y氏とソーシャルの「恩人に対して後ろ足で砂をかける体質」をよく表しています。

 本日の東京地方裁判所の却下理由も、昨年と同様にソーシャルには資金需要があるから経営陣の支配権を維持することを主要な目的にしているとはいえないというものだったはずです。

 上場会社に限らず事業会社である以上、常に「資金があればこういうことをしたい」といった希望があるはずです。それをもって資金需要というのであれば、上場会社の現経営陣はいつでも支配権を維持するために増資と議決権の遡り付与ができることになり、その地位は永久に安泰ということになります。

 つまり日本の上場会社は永久に株主のものではなく現経営陣のものとなり、ガバナンスもモラルもあったものではありません。このままだと日本の株式市場はいつまでたっても特殊なローカル市場のままとなります。

 ちなみに昨年の株主総会の表決は1070万株・対・770万株だったので、本年はU氏とその知人の500万株が反対側に回るため570万株・対・1270万株(その他は昨年の数字から不変として)となるところ、再び議決権を遡って付与する900万株が加わるため1470万株・対・1270万株となり、2年連続の「綱渡り」でY氏とソーシャルの現経営陣は放逐を免れることになります。

 そして来年も同じ「綱渡り」が繰り返されるような気がします。

 昨年の経緯は昨年5月30日付け「新株発行を巡る影響の大きい裁判所の判断 その1」、6月3日付け「同 その2」、6月4日付け「同 その3」に詳しく書いてあります。


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■闇株的見方 » 株式 | 2014.05.28
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凄腕プーチン 対 凄腕ポロシェンコ ウクライナを巡る新たな不安

2014年05月27日

凄腕プーチン 対 凄腕ポロシェンコ ウクライナを巡る新たな不安


 5月25日にウクライナで行われた大統領選挙は、実業家のポロシェンコ氏が53%をこえる得票を獲得し、ほぼ予想通りでしたがウクライナの新大統領になることが確定的となりました。

 ウクライナ全土の投票率は66%だったものの、東部のドネツク州とルガンスク州では親ロシア派武装勢力の妨害で投票が進まず、それぞれ15%、28%の投票率だったようです。

 製菓業・造船業・テレビ局などの企業体を経営する大富豪のポロシェンコ氏は、国立銀行(中央銀行)総裁や外相などを歴任し、親ロシアのヤヌコビッチ元大統領を追放した反政府デモを資金面で支援していた「凄腕」です。

 ポロシェンコ氏は当選確定後の会見で、真っ先に東部2州を訪問する意向を示し、またクリミアのロシア併合を認めないと表明しました。その一方でプーチン大統領とも対話する意向も見せ、ビジネススタイルと同じで親欧米ではあるもののロシアとも完全に対立しない柔軟性を覗かせました。

 ポロシェンコ氏の英語での会見を聞く限りですが、東部2州のロシア語を話すウクライナ人である一般住民に対してはロシア語の公用使用を一部認めるなど懐柔し、選挙妨害や空港占拠を続ける親ロシア武装勢力に対しては徹底的に排除すると、完全に分断して対応する戦略のようです。

 東部2州の一般住民も武装勢力も、本来は同じロシア語を話すウクライナ人であるはずですが、早くも空港を占拠する武装勢力に対して攻撃を開始したとの未確認情報もあり、懐柔と武力行使を使い分けて完全に支配下に入れる作戦のようです。

 ウクライナ暫定政権を認めていなかったロシア政府も、ポロシェンコ氏の新政権は認める姿勢を見せています。しかしプーチン大統領はウクライナのNATO加盟を強く牽制し、代金が未払いになっているガスの供給を近いうちに止めるとも示唆しました。

 特に「ウクライナがNATOに加盟すれば、翌日から米軍がウクライナに駐留する」と強い警戒感をあらわしています。それまでは「大切な隣人(ウクライナ)を見守る」と発言していたプーチン大統領が、明らかに戦闘的に変貌しているようにみえました。

 5月22日付け「近づくウクライナ大統領選挙と報道されない事実」にも書いたように、本誌は大統領選挙前には、ロシアはウクライナに介入しないと考えていました。どこまでいっても親欧米のウクライナ人(ポロシェンコ氏の新政権を含む)と、東部のロシア語を話すウクライナ人の争いでしかないからです。

 ロシア政府がウクライナ人の争いに首を突っ込んでしまうと、ロシア国内のウクライナ系住民の間に動揺が走り、決して得策ではありません。それにウクライナ東部のロシア語を話すウクライナ人は、決してロシアに併合されることを望んでいるわけではありません。

 クリミアはロシアにとって絶対に確保しなければならない軍事上の要地であり、実際にクリミアの住民の大半は「本当に」ロシアに併合されることを望んでいたため、ロシアは国際的に批判を受けても強引にクリミアを併合しました。

 つまりクリミアとウクライナ東部2州では全く状況が違っており、ロシアがウクライナ東部に軍事を含む介入を行うことはないはずでした。

 したがって東部2州がウクライナから一方的に独立し、世界の大半の国がこれを承認しないものの、ロシアだけが承認するのではないかと思っていました。グルジアにあるアブハジア自治共和国や南オセチア自治州のような「国」です。

 ところが大統領選後のポロシェンコ氏や、プーチン大統領の発言を聞いていると、やはり衝突してしまうような気がしてきました。

 ポロシェンコ氏は、特に当選直後には対ロシアで「弱い姿勢」を絶対に見せられず、またプーチン大統領もポロシェンコ氏に絶対に「舐められる」わけにはいかないため、結果的に喧嘩してしまうような気がします。

 凄腕プーチンと凄腕ポロシェンコが、平和的にうまくやっていくイメージが、どうしても湧いてきません。

 さてどうなるでしょう?


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■闇株的見方 » 社会 | 2014.05.27
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