Archive

闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

米国10年国債利回りの低下で最も警戒しなければならないこと

2014年05月30日

米国10年国債利回りの低下で最も警戒しなければならないこと


 5月23日付け「米国10年国債利回りの不気味な低下」の続きです。その時点の米国10年国債利回りは2.53%でしたが、昨日(5月28日)は2.44%まで低下しています。

 NYダウが昨年12月31日に当時の史上最高値だった16576ドルをつけたときの10年国債利回りは3.03%で、昨日は16633ドルとその時点を上回っているにもかかわらず利回りが2.44%と本年の最低利回りとなっています。

 ここにこだわる理由は、歴史的に見て米国10年国債利回りは米国経済の「先行き」をかなり正確に反映しているからです。10年国債利回りの低下は米国経済の「先行き」が悪化していることを意味し、結果的にNYダウが下落し、したがって日経平均も下落することが多いからです。

 少なくとも昨年末から米国経済が減速しているとの見方はほとんどなく、NYダウも史上最高値圏であり、それに加えてFRBが資産買入れ(長期国債とMBS)を縮小して本年後半にゼロになると予想されているなかで、米国10年国債利回りが低下していることになります。

 もう少し遡ってみてみましょう。

 リーマンショック直後の2008年12月に2.05%まで低下した10年国債利回りは、FRBによる1.7兆ドルもの資産買入れで経済回復が期待され、2010年4月に3.98%まで上昇しました。

 逆にギリシャ問題をはじめとするユーロ圏の債務危機問題が最悪となった2012年7月には、史上最低の1.38%まで低下しました。

 2013年5月にも1.62%まで低下していますが、この時は米国経済に問題があったわけではなくFRBの月額850億ドルもの買入れ(QE3)効果が「一時的に過剰に出ていた」と考えます。その時点でバーナンキFRB議長(当時)が最初にQE3縮小を口にしたのですが、見送ってしまったため2013年9月には2.99%まで上昇していました。

 しかし現在は、FRBの資産買い入れが実際に縮小しており、NYダウが史上最高値圏(少なくとも米国経済の先行き予想が悪化していないことを意味しています)であるなかでの利回り低下となります。

 ここから米国10年国債利回りの低下は、「米国経済の先行き見通しの悪化とNY株式の先行き下落を暗示している」か「国債利回りがQE3終了による米国経済の悪影響を過剰に織り込みすぎていずれ上昇する」かの、どちらかだと考えられるはずです。

 「どれでもない」ような気がしています。

 米国10年国債利回りの低下は、NY株式の相対的な投資価値を高め、その金利低下と株高の相乗効果で米国経済も(緩やかかもしれませんが)成長を続けるような気がしています。

 つまり米国では低金利(10年国債利回りを基準とした長期金利)と株高と(緩やかな)経済成長は長期間にわたって共存するのかもしれません。

 ちなみに日本でも、本日の10年国債利回りは一時0.56%まで低下しています。日本の場合はもっぱら2%の物価上昇目標の早期達成(あるいは消費増税分も含めると発展途上国並みの4%近い上昇率)と、この低水準の10年国債利回りは共存できず、いずれ「国債市場の暴落」がくると喧噪している評論家が多数います。

 こちらの方は、日本の物価上昇は円安やエネルギー価格上昇や便乗値上げなど「悪い物価上昇」ばかりで、本当に経済活動の活発化による「良い物価上昇」がほとんどないため、現在の10年国債利回りの低水準とは共存すると考えています。

 日本でも低金利(10年国債利回りを基準とした長期金利)は、株式市場にプラスにはなるはずです。

 しかし米国でも低金利(長期金利)が定着すれば、為替市場では「円高・ドル安」に働きます。2013年5月に米国10年国債利回りが1.62%まで低下したときは、その直後の6月に1ドル=93.80円まで円高になっていることを忘れてはなりません。

 本日の結論は、この最後の部分でした。


Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:0 | TrackBack:0
■闇株的見方 » 経済 | 2014.05.30
無料メルマガ配信(不定期)
↓↓↓
メルマガ購読・解除
 
関連記事

インデックスの元会長・社長を逮捕

2014年05月29日

インデックスの元会長・社長を逮捕


 東京検特捜部は本日(5月28日)、経営破綻したインデックスの落合正美元会長と妻の善美元社長を、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で逮捕しました。

 インデックスが2012年8月期の売上や利益を水増しして、実際には4億1100万円の債務超過に陥っていたところを3億9800万円の資産超過とした有価証券報告書を提出した容疑です。

 インデックスは2007年8月期~2011年8月期の5年間の累計で720億円もの純損失を計上していましたが、やはり債務超過転落だけは避けようとしていたようです。

 しかしよく思い出してみると、いくつか「腑に落ちない」ところがあります。

 インデックスは2013年4月15日に2013年8月期・第2四半期決算資料の提出遅延で管理ポスト入りし、5月15日に調査委員会を立ち上げました。しかし6月12日に証券取引等監視委員会・特別調査課が強制捜査に踏み切り、その調査中の6月27日に民事再生を申し立て、7月28日に上場廃止となりました。

 ところが民事再生手続き中の7月下旬には早くもインデックスの事業譲渡入札が行われ、9月18日にはセガサミーが140億円で「アトラス」を含む優良事業をすべて買収してしまいました。ご丁寧に子会社のセガドリームの社名をインデックスに変更しています。

 事業譲渡なのでセガサミーは旧インデックスの負債には一切の責任がなく「大変効率のよい買収」だったことになります。

 「残骸」だけとなった旧インデックスは再生できるはずがなく、つい先日の2014年5月2日に再生手続きが廃止され、正式に破産してしまいました。そして本日(5月28日)、旧インデックスの会長と社長だった落合夫妻が逮捕されました。

 それではどこが「腑に落ちない」のでしょう?

 インデックスは2013年3月25日に監査法人から、過年度決算における「繰延税金資産」と「その他有価証券評価差額金」の過大計上を指摘され、それを受けて5月15日に過去の決算処理の妥当性について包括的に調査を行うため調査委員会を立ち上げました。調査委員会の委員長はインデックスの社外監査役、委員が元特捜部検事の弁護士と公認会計士で、独立した外部の調査委員会だったといえます。

 ところがその調査委員会の報告書を待たずに、証券取引等監視委員会のなかで「悪質な事例の刑事告発」が担当の特別調査課が、6月12日に強制捜査に踏み切りました。

 これはきわめて「異例」のタイミングです。つまり調査委員会が調査中の資料も含めてすべて押収してしまったことになり、完全に調査委員会を押しのけて特別調査課が登場したことになります。

 だいたい特別調査課が上場企業の「決算」を対象に最初から強制捜査をかける事例は非常に少なく、その前が2012年3月に刑事告発したオリンパスでしたが、それでも第三者委員会(調査委員会と同じ意味です)の調査報告書を待って「ゆっくり」と強制調査に着手していました。

 「インデックスを早く民事再生に追い込む」ために強制捜査を急いだと考えたくなります。

 そしてその民事再生を申し立てた2013年6月27日から、わずか83日後の同年9月18日にセガサミーがインデックスの優良事業を「大変に効率よく」買収していきました。民事再生とは申し立てた旧インデックスの事業継続が目的のはずですが、最初から「解体」が目的だったとしか考えられません。

 最後に「残骸」だけの旧インデックスが正式に破産した本年5月2日を待っていたかのように、東京地検特捜部が証券取引等監視委員会・特別調査課と協力して落合夫妻を逮捕しました。

 つまり「もう抵抗できなくなった」落合夫妻を、証券取引等監視委員会・特別調査課が本年度の「仕事はじめ」に選んだことになります。特別調査課にとっては150件以上続く連勝記録(有罪判決)が途切れないことが最重要で、今の落合夫妻だと「楽勝」だと考えたのかもしれません。

 5月21日付け「証券取引等監視委員会・特別調査課の仕事始め」も読んでみてください。


Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
■企業 | 2014.05.29
無料メルマガ配信(不定期)
↓↓↓
メルマガ購読・解除
 
関連記事
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2014年05月 | 06月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム