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アルゼンチンがなぜデフォルトするのか?

2014年07月29日

アルゼンチンがなぜデフォルトするのか?


 7月30日には懸念されている通り、アルゼンチンがデフォルトとなりそうです。ただ今回は、かなり特殊な事情があるためテクニカル・デフォルトといわれています。

 アルゼンチンといえば、通貨ペソが本年1月22日~23日に1ドル=6.5ペソから一時8.5ペソまで急落し、それにつられてトルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ロシア・ルーブル、インド・ルピー、インドネシア・ルピアなどが軒並み下落し、NYダウや日経平均もかなり下落した記憶が新しいところです。

 今回の問題の発端は2001年で、アルゼンチンは920億ドルという「人類史上最高額のデフォルト」を引き起こしました。その中には1900億円のアルゼンチン政府発行の円建て外債(サムライ債)も含まれていました。

 1991年にペソを等価(1:1)で米ドルに固定して外貨流入を図ったのですが、インフレが低下せずペソが割高になっていたところ、1999年に同じように通貨レアルをドルに固定していたブラジルが変動相場に移行したため一気に輸出競争力を失い、経済が破綻してしまいました。

 ようやく2005年と2010年に平均75%の債権カットを93%の債権者が呑み、アルゼンチン政府も返済を始めました。現時点で残債が150億ドル程度となり、アルゼンチンの外貨準備も(本年初めのペソ急落でだいぶ減ったのですが)280億ドルあり、このままだと順調に返済は進むものと思われていました。

 ところがアルゼンチンがデフォルトした前後に、米国人投資家のポール・シンガーがいくつかのヘッジファンドを通じて債権(アルゼンチン国債のようです)を額面の数%で大量に買い集めていました。

 そして一切の債務交渉に応じず、利息を含めた元本全額の13億3000万ドルの支払いを求めてNY連邦地裁に提訴していました。驚くべきことに2012年11月にNY連邦地裁のトーマス・グリーサ判事がアルゼンチン政府に対して全額支払い命令と、同時に他の債権者(75%の債権カットを呑んだ債権者です)への支払いを停止する命令を出しました。

 米国では地裁の判事が売名のために「過激な判決」を出すことは珍しくありませんが、もっと驚くべきことに本年6月に米国最高裁がアルゼンチン政府の不服申立を却下してしまい、グリーサ判事の判決が確定してしまいました。

 アルゼンチン政府は、6月30日に予定していた和解済みの債権者に支払うべき8億3000万ドルを支払えず(そのうち米銀に預けていた5億4000万ドルは凍結されたはずです)、30日の支払い猶予期限が切れる7月30日にはデフォルトとなってしまいます。

 ここで複数のヘッジファンドが全額支払いを求めていると報道されていますが、債権者はポール・シンガーただ1人です。
 
 日本でも貸付債権などを大幅ディスカウントで買い集めて猛烈に回収する業者がいますが(例えばJトラスト)、ポール・シンガーは国家を相手に1000億円の「勝負」を仕掛けていることになります。まあ道義的には大変に問題がある「勝負」に米国裁判所が加勢したという「驚くべき構図」となります。

 ポール・シンガーは日本ではあまり知られていませんが、米国では著名な投資家の1人です。旗艦ファンドのエリオット・アソシエイツを通じて、サブププライムローン危機でも空売りでかなり儲けたはずです。

 また2011年の大統領選挙では共和党候補者のミット・ロムニーを支援していましたが、もともとロムニーも大富豪なのでそれほど資金を「無駄にした」わけではなさそうです。

 日本では、昨年9月には2度目の会社更生法の適用を申請していた三光汽船のスポンサーに名乗り出ています。

 さてアルゼンチン政府はポール・シンガーに屈してしまうと、せっかく和解した投資家も全額返済を求めてくるため、デフォルトとなっても頑張るしかありません。

 しかしアルゼンチン政府は、凍結の恐れがあるといってもドル決済をやめてしまうわけにもいかず、長期戦は不可能です。

 落としどころは全く想像がつきません。

 世界の金融市場に対する影響は、今回はアルゼンチン経済そのものの問題でもないため、限定的なものとなるはずです。


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■闇株的見方 » 経済 | 2014.07.29
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有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」のお知らせ

2014年07月27日

有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」のお知らせ


予定通り7月28日(月曜日)の夕方に配信します。

 予定内容です。

メインテーマ 1  もう一度、為替について「じっくり」考える 後編

 先週の続きです。
 
 本誌は5月に「基本的な為替観」を修正しており、急激に円高になることはないものの「円高になれば条件反射的に外貨買い・円売りを行うのではなく、円安になれば外貨売り・円買いのチャンスと考えるべき」くらいの意識改革が必要と考えています。

 現状では、ほとんどこの意識改革が行われていないようで、特に国内では少しでも円高になるたびに「円売り・外貨買い」のポジションが積み上がるものの、思ったほど円安にならずに反対決済が進まず、確実に「円高の足音」が近づいているような気がします。

 今週は、もう少しいろいろな角度から「円高の足音」を検証し、さらに「円高になるとすれば、そのきっかけは?」「その時期は?」「その目標値は?」などを考えます。

 ドルだけではなく、ユーロや人民元や韓国ウォンなども含めて、多方面から「円相場」を考え、もちろん今年後半の日本株も「再検証」します。


メインテーマ 2  中国人の尊大さはどこから来たのか? その中国人とどう対決していくべきか? を歴史から考える  その4

 単なる中国通史ではなく「厄介な中国および中国人の攻略法」を歴史から考えるシリーズの4回目です。

 習近平国家主席が「中華民族の血には他者を侵略したり、覇権を唱えたりする遺伝子はない」とBRICS首脳会議の場で取材に応じて答えたそうです。

 まさに本シリーズの目的である「中華民族とは?」「その血とは?」「他者をどう侵略してきたのか?」「中国人の考える覇権とは?」など、突っ込みどころ満載の発言です。

 ここまでの3回で、やっと前漢の成立まできました。この前漢と後漢の時代は、ようやく朝鮮半島そして日本(倭)との関係が活発化し始めた時代なので、ここは詳しく書かなければなりません。

 また異民族(西域のペルシャ、北方の匈奴など)との関係も詳しく書く必要があります。前漢と後漢が、すでに世界史(西洋史)のなかで存在感を強めていた時代でもあるからです。

 愚帝・悪女・美女もたくさん出てくるので、さらに時間が流れるスピードが鈍るかもしれませんが、できるだけ簡潔に書いていきます。


お勧め「書籍」コーナー

 最近、忙しくてほとんど「映画」や「書籍」に時間を割いていないので、たまには違った「お勧め」にするかもしれませんが、まだ考えていません。


今週の相場観

 今週の株式、為替、国債相場について考えます。


質問コーナー

 いつもたくさんの質問をお寄せいただき全部にお答えできていませんが、できるだけたくさんお答えします。本日(7月27日)深夜まで受け付け受けています。



 闇株プレミアムのお申し込みはこちらから → http://yamikabu-premium.com/index2.html


 今月(7月)に配信したメルマガのメインテーマだけご紹介しておきます。


7月7日号
メインテーマ1 アベノミクス相場1年半を検証 今年後半の金融市場は? 後半

メインテーマ2 中国人の尊大さはどこから来たのか? その中国人とどう対決していくべきか? を歴史から考える その1

7月14日号
メインテーマ1 アベノミクス相場1年半を検証 今年後半の金融市場は? 番外編

メインテーマ2 中国人の尊大さはどこから来たのか? その中国人とどう対決していくべきか? を歴史から考える その2

7月21日号
メインテーマ1 もう一度、為替について「じっくり」考える  前半

メインテーマ2 中国人の尊大さはどこから来たのか? その中国人とどう対決していくべきか? を歴史から考える その3


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 無料購読期間がありますが今月は31日に課金されるのでご注意ください。
 
(無料購読期間は料金のお支払方法により違いますのでご注意ください。詳しくは「闇株新聞プレミアムメルマガのご案内」ページの課金システムをご覧ください。)

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