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何がバブルで、何がバブルでないのか?

2014年07月31日

何がバブルで、何がバブルでないのか?


 日本だけではなく世界を見回して、何がバブルで、何がバブルでないのかを直感的に振り分けてみましょう。

 まず真っ先にバブルだと考えられている日本の国債(長期国債)はどうでしょう?

 本日(7月29日)の10年国債利回りは0.52%しかありません。本年初めは0.74%だったので、かなりの低下です。

 6月の消費者物価指数(総合)は前年同月比で3.6%上昇しています。消費増税分を除いても(これもおかしいのですが)1.6%の上昇です。黒田日銀総裁は来年中には2%の物価上昇目標を達成すると自信たっぷりです。

 そのなかで10年国債利回りが0.52%ということは、実質利回りがマイナス1%をこえていて、消費増税分を含めるとマイナス3%にもなります。つまり10年国債を保有すると毎年1%(あるいは3%)ずつ損をしていることになります。

 そりゃ日銀が「異次元」に国債を買い入れているからだろう?思われますが、長期国債の利回りは需給関係より「近い将来の日本経済」を反映するものです。つまり現在の10年国債利回りは、近い将来の日本経済の状況が「思わしくない」ことを示唆しており、バブルではありません。

 以下、世界各国の10年国債利回りを並べます。単に「国債」と書きますが「長期国債」のことです。

 2.50%の米国債も、1.12%のドイツ国債もバブルではありません。近い将来の経済状況を示唆しているだけです。

 一方で、2.63%のイタリア国債、2.46%の(米国債よりも利回りが低い!)スペイン国債、3.58%のポルトガル国債、5.76%のギリシャ国債などは「りっぱな」バブルです。

 これらの国債だけでなく、新興国全般の国債や世界の低格付け社債なども「りっぱな」バブルです。明らかにリスクに見合う「上乗せ金利」が不十分なところまで買い上げられているからです。大変に「危険」にみえます。

 バブルの低利回りを前提としたこれらの国の株式市場もバブルの恐れがあります。

 それでは、日本や米国やドイツの株式市場はバブルでしょうか? これはそれぞれの利回り水準から考えると「まだまだ割安」となります。

 しかし全般的に収益予想の方がバブルのような気がします。特に日本では発表され始めた4~6月期の収益が、総じて伸び悩みや減益が目立ちます。この収益予想バブルが弾けると調整となりますが、もう少し決算結果をみる必要があります。

 これはあくまでも上場している「一部の選ばれた優良企業の決算」のことで、日本経済全般(たぶん急激に落ち込むと予想します)とはあまり関係がありません。

 米国株でもドイツ株でも基本的に同じ構造です。

 日本の都市部の不動産も、現在の収益利回りを維持できるのであれば、長期国債の利回り水準から考えて「まだまだ割安」となります。

 じゃあ中国不動産こそバブルだろう?

 そうかもしれませんが、中国政府が経済成長を7%台半ばに設定し(実際の成長率は誰もわかりません)、市中への資金供給を緩めに維持している限りは(維持するはずです)、バブルでも簡単に弾けません。

 それでは本誌が考える「世界で最も弾けそうなバブル」は何でしょう?

 それは航空機です。

 スカイマークがエアバスの大型機6機を1900億円以上で発注しており、資金繰りがつかずにキャンセルとなり莫大な違約金を請求されそうですが、世界の航空機市場ではドバイのエミレーツ航空が200機もの中・大型機を990億ドル(10兆円)で発注しており、同じ中東のカタール航空やエティハド航空(アブダビ)も負けずに大型発注を行っています。

 これだけではありませんが、どう考えてみても世界の航空機市場は「今にも弾けそうなバブル」と感じます。


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■闇株的見方 » 経済 | 2014.07.31
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やっぱり心配になってきた野村ホールディングス

2014年07月30日

やっぱり心配になってきた野村ホールディングス


 最近ほとんど取り上げることがなかった野村ホールディングス(以下「野村HD」ですが、2つのニュースがありました。

 1つは、本日(7月29日)発表された2014年4~6月期の純利益が、前年同期比70%減の199億円になったことです。

 同期間の収益合計は前年同期比8.5%減の4622億円で、特に株式委託・投資販売手数料が同39%減の963億円、投資銀行業務が22%減の198億円と大きく落ち込む一方で、トレーディング益が23%増の1586億円、アセットマネジメント業務が7.2%増の454億円と好調でした。

 同期間の大和証券グループ本社の純利益が40%減の344億円だったので、後塵を拝してしまったことになります。

 もう1つは、7月28日にイタリア財務警察が野村HDの1億400万ユーロ(142億円)相当の資産や現金を差し押さえたと発表したことです。

 2000年~2006年のデリバティブ取引でシチリアに1億7500万ユーロの損失を負わせたとされており、当時の従業員ら7名が関与しており、差押えのうち600万ユーロはこれら従業員の個人資産のようです。

 時期的にはサブプライムローン問題が顕在化するはるか以前で、またリーマンブラザーズの欧州部門を買収する前でもあり「何でいまごろ問題化したのか?」と疑問に感じます。

 未確認ですがマフィアの関与も囁かれており、もっと奥行きがありそうです。

 さてこの前に野村HDを取り上げたのは、2013年6月27日付け「野村HDの株主総会資料から」で、当時の株主総会資料のなかから注目すべきところを解説しました。

 特にデリバティブ取引全体の想定元本が124兆円あり、うち野村が売り手となるクレジット・デリバティブの想定元本が40兆円など「刺激的」な数字が並んでいたからですが、今年の株主総会資料では「ほとんど」実態がわからない数字が少しだけ並べられているだけでした。

 昨年はいろいろと問い合わせがあったので「刺激的」な数字を消してしまったのでしょう。したがってここ1年間でリスクが増えたのか減ったのかがサッパリわかりません。

 今年の株主総会資料では、モンテパスキ銀行関連では15億ユーロ(2000億円)の返還を求められているとか、金融危機以前に米国で販売した20億4600万ドル(2080億円)のMBSが不正販売と主張されているなど「他人事」のように書かれているだけです。

 特にMBSの不正販売では、JPモルガン・チェースが130億ドル、シティが70億ドルなど巨額罰金の支払いで合意しており、決して「他人事」ではありません。

 久々に取り上げた野村HDですが、最悪だった渡部・柴田体制から待望の営業出身の永井体制となって、安心してほとんど注目していませんでした。しかしアベノミクスによる一時的な証券市場の好調さが去ってしまえば、やっぱり多くの問題を抱えたままのような気がしてきました。

 そういえば本年4月30日に1億株・取得総額700億円を上限とする自社株買いを発表しており、自己資金が命よりも大切な証券会社が安直な株主対策で自社株買いを行うべきではないと考えたのですが(闇株新聞プレミアムでは取り上げました)、これらを含めてやっぱり「何か大切なもの」が忘れられているような気がしてきました。

 やっぱり「注意深く観察しておくべき」野村HDなのかもしれません。

 再び本誌に「頻繁に」登場するようになる予感がします。


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