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オリンパス事件の光と影  その12

2014年07月17日

オリンパス事件の光と影  その12


 日本におけるオリンパス事件とは、発覚時に時効になっていなかった2007年3月期~2011年3月期の有価証券報告書に、年度ごとの純資産を416億円~1178億円不正に計上した金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)として幕引きとなりました。つまり全くの形式犯罪とされたわけです。

 実際には簿外損失は1980年後半から膨れ上がり、2003年9月期にはほぼ最終損失額の1200億円に「到達」していました。その過程で実際にあったはずの「本当に悪質な犯罪行為」あるいは「犯罪的な見て見ぬふり」や「犯罪的な見落とし」は、すべて無視されて(無罪放免されて)しまいました。

 しかもオリンパス事件とは2組の「指南役」に主導されたものであり、オリンパスが積極的に主導したものではないとの「事件構成」になっています。これは事件発覚直後から現時点までにオリンパスに対する銀行貸し出しが総額2000億円以上も回収されていることを考えると、当時の上場維持が「異例の速さ」で決定されたこともあわせて「何となく」全体の構造がみえてきます。

 したがって裁判中の2組の「指南役」には、何が何でも「損失隠しを主導した」として有罪になってもらわなければならず、お決まりの検察側の強引なこじつけと茶番のような証人尋問が続いています。

 さて冒頭に「日本における」と書いたように、これが日本におけるオリンパス事件の幕引きとなります。

 ところが幸か不幸かオリンパスは外国人株主も多い国際企業で、しかも事件そのものが海外まで拡散しており、海外とくに米国と英国では「日本における」シナリオが通用しない可能性があります。

 つまり「日本では」形式犯罪である金融商品取引法違反として、菊川社長・会長(当時)ら3名のみが執行猶予付の有罪判決となり、法人としてのオリンパスも7億円の課徴金だけで済んだのですが、米国と英国では「そんな生易しいもの」では終わりそうもなく、オリンパス自身が積極的に関与した「悪質な刑事事件」となるはずです。

 そう思う理由の1つは、2012年12月にロサンゼルスで逮捕されたチャン・ミン・フォン氏です。フォン氏はシンガポールのコメルツ銀行とソシエテ・ジェネラル銀行で最大600億円の預金をオリンパスから受け入れていました。しかし実際にはオリンパスに依頼されてその預金を担保に限度額いっぱいの融資を引き出して海外の簿外資産をファイナンスしていました。

 つまり実質的には預金は「空っぽ」だったのですが、これもオリンパスに依頼されて監査法人に提出する残高証明には「融資」を記載せず、満額の預金額だけを報告していました。

 フォン氏はこれら一連の取引で1000万ドルともいわれる報酬を受け取っており、単なる預金と融資だけではありえない報酬で、米国では間違いなくオリンパス(法人としてのオリンパスなのか誰か担当者なのかは不明ですが)とフォン氏が共謀した悪質な刑事事件とされてしまいます。

 フォン氏の裁判は結審しているのですが、なぜか一切の裁判資料が公開されず、司法取引が行われてオリンパスを刑事訴追する準備中であることが強く感じられます。

 もう1つが、日本での出頭要請を無視して米国で杳(よう)として行方をくらませている佐川肇氏で、こちらも米国当局と司法取引している可能性が強く感じられます。

 佐川氏はアクシーズ・アメリカの代表で、日本で「指南役」として裁判中の中川昭夫氏の部下(あるいは仲間)とされていますが、実態はかなり違います。つまり日本における裁判で中川氏が主張して「当然のように」検察側に無視された事実が、佐川氏が司法取引で米国当局に告白しているはずの事実と「ほぼ同じである」可能性が強いことになります。

 例えば簿外損失の処理に使ったとされる英国医療機器メーカーのジャイラスは、「指南役」の中川氏や部下(あるいは仲間)の佐川氏がオリンパスに紹介したと考えられていますが実際は英国の米系投資銀行からオリンパスに直接持ち込まれた案件でした。

 つまりオリンパスが、持ち込まれたジャイラスの買収案件を「これが簿外損失の最終処理のラストチャンス」ととらえ、オリンパス自身が海外の監査法人からアドバイスを得て必死に考え出したスキームです。アクシーズ・アメリカや関連するアクサム・ファンドには受け皿づくりを含めた資金等の決済のみを依頼した「構図」となります。

 ただこの途中で佐川氏は「オリンパスの意図」を認識したはずです。ちょうど上司(あるいは仲間)の中川氏が体調を崩していたことを奇禍とし、佐川氏が「収益チャンス」と考えて仕組みづくりに積極的に関与していたようで、中川氏はほとんど蚊帳の外だったはずです。

 一般的に信じられている「構図」とは、かなり違います。つまり「指南役」の中川氏が主導したと決めつけて結審してしまえば、あとから米国で刑事事件化したときに「かなりバツの悪い」ことになります。

 なにより米国当局は、少なくともジャイラス買収を使った簿外債務の最終処理は、オリンパスが積極的に「主導」したことを掴んでおり、オリンパスの刑事責任を厳しく追及してくるはずだからです。


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■闇株的見方 | 2014.07.17
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