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雪国まいたけの「奇怪」なTOB  その2

2015年03月05日

雪国まいたけの「奇怪」なTOB  その2


 3月3日付け「同題記事」の続編ですが、この記事に1つ訂正すべきところがありました。

 大平喜信氏と資産管理会社の持ち株に設定された担保権が行使された日が2月23日で、大平氏の関係者に対して開催が許可された臨時株主総会の基準日が2月3日なので、会社(雪国まいたけの現経営陣)が無視しようともTOBが実施されていようとも大平氏と資産管理会社は臨時株主総会で議決権を行使できるはずと書きました。

 基準日設定公告は基準日の14日(営業日ではありません)以前に行わなければなりませんが、会社(雪国まいたけの現経営陣)は自社の電子開示システム(EDINET)を利用させるはずがないため、大平氏の関係者はやむなく1月19日付け「官報」に公告しました。

 そして基準日となった2月3日現在の株主名簿閲覧を求める上申書を新潟地方裁判所長岡支部に提出し、2月12日に認められていました。つまり大平氏の関係者に対して開催を許可した裁判所が、今後はその出席できる株主を確定する基準日が2月3日であることを認めていたことになります。

 ところが会社(雪国まいたけの現経営陣)は、会社が定款で認めた公告は電子公告(EDINET)か日本経済新聞への掲載だけであり、官報への公告は認められないとして、大平氏の関係者に株主名簿の閲覧を認めた決定の取り消しを求めました。

 なぜ会社(雪国まいたけの現経営陣)がここにこだわったのかといいますと、この時点ですでに大平氏と資産管理会社の株式に設定された担保権の行使を第四銀行と相談しながら進めていた可能性が強く(だとすれば完全なインサイダー取引です)、実際に2月23日に担保権の行使が行われました。

 つまり2月3日が基準日になってしまうと、依然として大平氏と資産管理会社は臨時株主総会で議決権を行使できるため、選任された(大平氏が送り込んだ)取締役らが主導してベイン・キャピタルのTOBへの賛同決議を取り消せるからです。TOBそのものは株主の自由なので継続されると思いますが、この時点で敵対的買収となりイメージが大変に悪くなり成立の可能性が低くなります。

 ここからは会社(雪国まいたけ)が2月19日にIRした「臨時株主総会の一連の動き及び株主による臨時株主総会召集のための基準日設定に関するお知らせ」を読む限りの判断ですが、ここで大平氏サイドの弁護士が「致命的」なミスを犯したようです。

 会社(雪国まいたけの現経営陣)が求めていたのは2月3日付け株主名簿閲覧許可の取り消しだけだったにもかかわらず、なぜか2月3日とした基準日の取り消しまで認めてしまい、改めて2月19日付け日本経済新聞に「3月6日を基準日とする」との公告を掲載してしまいました。
 
 そもそも1月19日時点の基準日設定公告を、電子開示システム(EDINET)が使えなかったとしても、その代替手段が日本経済新聞だけであることを定款で確認していなかったことになり、これも大平氏サイドの弁護士の「信じられない初歩的ミス」となります。

 ここで「勝負あった」ことになり、会社(雪国まいたけの現経営陣)は予定通りに第四銀行に大平氏と資産管理会社の株式に設定された担保権を行使してもらい、臨時株主総会を実質的に無意味なものにしてしまい、ベイン・キャピタルによるTOBに賛同してしまいました。

 つまり雪国まいたけの現経営陣は、会社をベイン・キャピタルに売り渡す「機関決定」をしてしまったことになります。

 ここで3月3日付け「同題記事」に、「これで損をする人は誰なんですか?」とのコメントが寄せられていました。

 ベイン・キャピタルによるTOBは最大88億円ですが、普通ベインのような投資ファンドが投入する自己資金は最大で30%です。つまり最大で26億円ほどが自己資金で、残る62億円ほどは借り入れで賄います。このような場合だけは日本の銀行は積極的に融資します。

 ここからが重要ですが、仮にTOBが成功するとベイン・キャピタルが26億円を出資する「買付会社」に62億円の借り入れが残りますが、間違いなくベイン・キャピタルはこの「買付会社」を雪国まいたけと合併させてしまいます。

 雪国まいたけに現金があれば早速引き出して借り入れを返済してしまい、足りなければ今後の現金収入から優先して返済します。だから焦げ付く心配がないため日本の銀行は「争って」融資するのです。

 要するにベイン・キャピタルは最大26億円の自己資金だけで、雪国まいたけの現金及び今後の現金収入を使って雪国まいたけを「完全に取得する」ことになり、何年後かに巨額の再上場益を得るか、あるいはもっと安直にライバル会社のホクトに「高値」で売却してしまうなど、何でもやりたい放題となります。

 上場も廃止してしまうため、誰も文句をいえません。

 つまり本来は雪国まいたけの現株主に帰属すべき利益を、全てベイン・キャピタルが「かすめ取る」ことになります。つまり損をするのは雪国まいたけの現株主であり、それにベイン・キャピタルが将来いくら利益を得ても1円の税金も取れない国税庁(つまり日本国民)となります。

 よく考えてみてください。


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■闇株的見方 » 株式 | 2015.03.05
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