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ソニーの積極果敢な新株・新株予約権付社債の発行

2015年07月01日

ソニーの積極果敢な新株・新株予約権付社債の発行


 最初にお断りしておきますが、ソニーは本誌に最も頻繁に登場する(つまり批判的に書くことが多い)会社ですが、本日はこの積極果敢なエクイティファイナンスを批判する記事ではありません。

 むしろ全く逆で、本誌は以前から当局(金融庁と東京証券取引所のことです)が新株発行を無条件に毛嫌いするため、少し前ならライツイシューにすればよいとか、最近では新株(あるいは新株予約権付社債)の発行に自社株買いをセットにするべきとか、とにかくストレートなエクイティファイナンスに踏み切りにくい雰囲気に違和感をもっていました。

 そういうなかでソニーが堂々と最大4400億円もの新株・新株予約権付社債の発行に踏み切ったのですが、その「事実」だけは大いに称賛すべきと感じます。上場企業である以上は、証券市場から堂々と資金を調達して積極的な経営を通じて収益状況を改善させ、株価の上昇で投資家に報いればよいと考えます。その評価は市場が下すもので、当局がとやかく言うべきものではないはずです。

 まあソニーが今回のエクイティファイナンスを通じて収益状況を改善させ、株価が上昇するのか?といえば全くの別問題ですが、とにかく巨額のエクイティファイナンスに踏み切った「事実」だけは称賛すべきです。ただ細部にはいくつもの問題点があります。

 ソニーは本日(6月30日)14時20分に「新株式発行及び株式売り出しならびに転換社債型新株予約権付社債発行に関するお知らせ」なるIRを発表しました。発行決議そのものは6月23日の取締役会で行われており(開示なし)、そこで発行タイミング等の選定が平井CEOに一任されており、その結果このタイミングでのIRとなったようです。

 別に手続き的には問題がありませんが、普通は新株発行のIRは15時の引け後に発表するものですが、本日のソニーの値動きをみると3700円手前だった株価が14時過ぎから急落して14時8分(IR発表前です)に3430円の安値となりました(引け値は3461.5円)。

 発表タイミングを一任されていた平井CEOが、急落する株価をみて「何処から漏れたんだ!」と大騒ぎしながら慌ててIRを発表させたのでしょうね。今頃必死になって犯人捜しをしているのかもしれません。

 だいたい払込価格の決定を7月13日~7月15日のいずれかの日に決定するとしているので、発行決議をしたらサッサとIRしておけばよかったはずです。格好をつけたので「あらぬ疑い」をかけられる結果になってしまったのですが、これも当局の指導だったのでしょうか?(だったら意味がわかりませんが)

 内訳は公募増資を8720万株(国内分3200万株、海外分4800万株、海外分の追加上限720万株)、オーバーアロットメントによる売出しを480万株(同額の第三者割当増資でカバー)、130%コールオプション付き無担保転換社債型新株予約権付社債が1200億円となっています。

 海外発行分が最大5520万株と、国内発行よりもかなり厚めに配分されています。海外発行分を引き受けるJP Morgan、Nomura International、Morgan Stanley、Goldman Sachsは「ソニーは海外での人気が高いので、海外の著名機関投資家がいくらでも申し込みますよ」などと囁いているのでしょうが、その実は大半がヘッジファンドの貸株を利用した短期の値鞘稼ぎにハメ込まれてしまう恐れがあります。

 1200億円の転換社債型新株予約権付社債は国内発行で、引受団が国内証券だけ(野村證券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券)となっています。

 これは2012年12月に同じような新株予約権付社債を海外発行(ユーロ円建て)してしまい、そのうちの1125億円をGoldman Sachsにリパッケージされてダニエル・ローブなどのヘッジファンドに再販売されてぼろ儲けされた学習効果が一応は働いているようです。

 この「悪夢のような」ユーロ円建て新株予約権付社債」は本年11月にコールがかかるため(Goldman Sachsのリッパケージは大量報告書によるとまだ450億円ほどが未転換ですが、さすがに全株が11月までに転換されます)、今度は新たに1200億円の国内発行を行うことになります。

 ここをさらにGoldman Sachsが新たな仕組みでヘッジファンドに再転売したら「今度は誉めてあげよう」と思いますが、そうではなく本当に日本の個人投資家に小口で販売するのであれば、これこそ元本保証(利息はゼロですが)のソニー株式となります。

 ヘッジファンドに掠め取られなければ、日本の個人投資家には大変に優れた金融商品であり、ソニー以外の上場企業もどんどん(自社株買いとセットにしなければならないなどと考えずに)発行すべきと考えます。

 本日は、問題点もあるものの全体的には「ソニーを称賛する」記事でした。

 最近ヘッジファンドの記事が少ないので、明日は久々にヘッジファンドにします。


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■闇株的見方 » 株式 | 2015.07.01
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